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[別の意味]敷石の目地ルール

 昔、石を乱張するときは、目地が四つ目にならないように、一本通ってしまわないようにと職人さんに教わったことがある。

 意味は教えてくれない。美しくないとか言われた気もするが、その時はよくわからなかった。

 単純なルールなようでいて、これがなかなか難しい。

 しばらく横にいて、一緒に次の石を探してみたりするけど、これだというのが見つかるまで、私では時間がかかる。

 やりだすとなんだか無心になるもので、夢中になって手つきを眺めていると、端っこのほうをやってみるかと言われた。

 すごく時間がかかったけど、なんとか埋めることができた時は嬉しかった。

 後に石組みセラピーなるものがあると知った時、なんかわかると私は思った。

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 最近、ふとこの時の体験が頭をよぎった。

 石貼りの目地のルールは、美しさの他にも意味がある。

 多分強度的な問題。力は分散させたほうが良い。一本通った目地はそこに力が集中するので、その道で分断する。四つ目地はその交差点のポイントに力が集中してもろくなる。

 そしてもう一つ。異界からのパワーもそこに集中するからだったのだ。辻(四つ目)や境界(線)はその象徴だからだ。
 いやホント。若い時はそんなの全然信じなかったけど、身の回りにはいくらでもそんなものがあったのだ。

 物事の意味はレイヤーのように重なっているのだなぁ。まだ知らない画層がいくつかありそうだ。

 

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