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ラマの大群が押し寄せる🦙🦙🦙MetaがLlama3で反撃の狼煙

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Metaが開発した生成AIモデル「Llama3」登場、AIの未来はどうなる?

Llama3(ラマ)

Meta(旧Facebook)が開発した大規模言語モデル「Llama3」が注目を集めている。Llama3は、OpenAIで言うGPT3.5やGPT4に当たる。
ちなみに名前の由来は動物のラマ🦙

Llama3が注目される理由

Llama3の性能自体はGPT4には及ばないものの、オープンソースであることが大きな特徴。
誰でもLlama3を自由に使用できる。

実際にはLlama3を動かすとなるとパソコンのスペックが求められるけど、出来るか出来ないかで言えば自分のパソコンにGPT3.5以上のスペックを誇るAIアシスタントを構築できることになる。
例えば、情報漏洩の懸念からChatGPTを使用できない企業でも、社内でLlama3を運用することが可能になる。

これも全てオープンソースであることのメリットだが、こういった点がLlama3が注目を集めている理由と言える。

Llama3の性能と特徴

Metaが公開したテスト結果によると、Llama3はGoogle Gemini-pro 1.5やAnthropicのClaude 3のSonnetを上回る結果を示した。

GPT-3.5以上、GPT-4未満といったくらいの性能。ただ、オープンソースであることは忘れてはいけない。
外部の評価サイトでもGPT4やClaude 3のOpusに次ぐランクインを果たしている。クドイがオープンソースであるにも関わらず、だ。

ただし、Llama3は主に英語のテキストをベースに学習しており、英語以外の言語は全体の5%に過ぎない。
日本語の性能は落ちるものの、今後数ヶ月以内に上位モデルがリリースされる予定という話しもある。英語以外の言語にも対応するため、将来的にはGPT4を超える可能性も十分にある。
ただし、OpenAIは最近(執筆時点で昨日)、GPT2-Chatbotなるものをひっそり公開しており、もしかするとGPT-4の次バージョンを公開してくる可能性は十分ある。

Llama3を試す

ちなみに、Llama3は比較的簡単に試せる。Poeやその他選択肢はあるが
Perplexityのテスト環境を推したい。ログイン不要でサイトにアクセスするだけで利用できる。

8bと70bの2つのモデルが提供されており、70bの方が精度が高い。

Llama3登場で変わるAIのトレンド

Llama3の登場により、2つのトレンドに注目している。

1つはAIのオープン化。
過去にテスラのイーロンマスクはOpenAIに対して、「全然Openじゃない」と怒っていたが大手AI会社の言語モデルは基本的にはクローズドだ。
GPT、Gemini、Claudeなどなど。

一方でフランスのAI企業、Mistralは以前からオープンソースの言語モデルMistral Largeを開発している。件のイーロンマスクもxAIという会社を立ち上げてオープンソースのGrokを開発している。
そこに来てMeta社のオープンソースのLlama3を投入してきた。補足すると前モデルのLlama2もオープンソースだったがLlama3が市場に与えたインパクトは大きい。
ちなみに、Llama3の公開後にAppleもOpenELMというオープンソースな言語モデルをひっそり公開した。

これまでクローズドなモデルが主流だったAI業界に変化の兆しが見えてきたように思える。

そして、もう1つのトレンドはAI組込みデバイス。

LLama3が公開に合わせるようにサングラスで有名なRay-Banがプロモーションビデオを公開した。

AI組込みデバイスは以前からある。
ただ、Llama3のようなオープンソースな言語モデルが増えれば、AI組込みデバイスはさらに増えていくと思う。

すでにあるプロダクトではAIピンのHumaneが知られているが、(ただし評判はすごぶる悪い)これからAIデバイスの開発が加速していくのではないかと内心楽しみにしている。
メガネ、腕時計、アクセサリーなどなど。

例えば、スマートネックレスのような製品が発売されるかもしれない。1日中、ユーザーの行動をモニタリングしていて
「今日のプレゼンはあまり良くなかったですね。改善しましょう」
「今日一日、誰とも話していませんね?精神状態は大丈夫ですか?」
などAIアシスタントを身につける、という経験も出来るかもしれない。

Meta.AIも使えるように

Metaは「Meta.AI」というChatGPTのようなサービスも展開しており、FacebookやInstagramのアプリからLlama3を呼び出せるようになる。
例えば、Instagramで友人と出かける相談をしている時に、会話の中でAIアシスタントに質問する、という使い方も可能。
ちなみに、「Meta.AI」はサイトにもアクセスできChatGPTのような使い方もできる。
アメリカやオーストラリアでは展開されているが、残念ながら日本は未対応。ただ、使える日も近いと思う。

MetaはAIで攻勢をかける

オープンソースで高性能なLlama3の登場により、私たちが日常的に使う製品やサービスにAIが組み込まれていく可能性が高まった。
メガネやスマートフォンなどのデバイスにもLlama3が搭載されるかもしれない。

知らず知らずの内にLlama3を使っていた、なんてことも起こりうる。
文字通り、ラマの大群🦙🦙🦙が押し寄せてくる日も近いかもしれない。
MetaのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は、一気にAIの覇権を取りにきている印象だ。Llama3の動向は今後も要注目だ。


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