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『君たちはどう生きるか』を観て

ネタバレあります。

つい先ほど『君たちはどう生きるか』を夫と一緒に観てきたのだけれど、真逆と言っても良いくらい私と夫で映画鑑賞後の印象が違った。

夫は冒頭からずっと泣き続けているのに対して私は終始目を凝らしながらも無に近い感情、悪く言えば「何一つ面白くなかった」。

お互いに何が面白いとか感動するとかのポイントがズレすぎていてこれは議論になった。

夫はとにかく絵の美しさや登場人物の実際の人物そのもののような細やかな動作に感動していたらしく、ストーリーそのものには興味を示さず、何なら脚本(お話)という概念がわからないとさえ言っていた。

私は映画『君たちはどう生きるか』は確かに絵は美しいとは思ったが、なぜこれがこうなるのか、これはどうしてなのか、という疑問ばかりが勃発し、目を凝らして耳を研ぎ澄ませて観てもわからないことばかりだった。

夫と話し合った末、おそらく私は脚本と演出を重要視していて、絵のみから読み取ることが難しいのだと気づいた。例えば主人公が自分の頭をわざと石でぶつけるシーンを私は台詞無しにはわからなかった。(夫は自分に腹が立ったのだろうと言っていた)
そして、感動するシーンはここぞとばかりに作り手の意図したメッセージがないとわからないのだろうということもわかった。

正直、映画『君たちはどう生きるか』を観てこの感想に至ってしまったことに悔しさというか悲しさを感じるが、夫には場数が足りないんだよと言われ、それもそうだと感じた。

再度観に行った際には違う角度からこの作品を楽しめることができるだろうか。と若干の楽しみはある。

あなたのこと忘れない