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私の転職ひとり旅-ピーター・ガブリエル 最新アルバム『i/o』に癒される-

私は、実は過去にかなりの回数、転職しています。

最初の会社に就職してから現在まで、たぶん7~8回(自分でもよく分からなくなっている)、会社も変わっています。

誰でも耳にした事がある大企業にもいくつか転職しているので、他の人は私の経歴を見て「すごく優秀なんですね~」と言ってくれることもありますが、実際はそんなことはありません。

一言で説明するのは難しいですが、転職にはコツがあり、私はそのテクニックを使って、ある時期まではたまたま「波乗りサーフィン」していただけです。

それはまた別の機会に書くとして、最近になってとんでもない真実に気づき、かなり落ち込んでいます。

子供の頃から内向的で、自我が強かった私。4歳の時に保育園に初登園した初日に「つまらないから」と理由をつけて脱走し、家に帰ったこともあります。今ならADHDや発達障害系の何かに分類されるかもしれませんが、当時はそういった概念がなく、「神経質」というレッテルを貼られていました。

成長しても根本は変わらず、「理屈っぽくて扱いにくい奴」というイメージがついてまわりました。

とにかく団体生活が苦手で、大人になっても根本的には何も変わらなかったのですが、さりとて作家とかアーティストになるような突出した才能も気概も無く、なんとなく周囲に流されるように上場企業に就職しました(バブル期だったので牛でも馬でも上場企業の内定がとれるような時代でした)。

社会人になってもなかなか馴染めず、営業職を選んだり飛び込みをやったりして組織に馴染もうとしました。ただ、人に合わせて適切な距離感を保つことがどうも下手らしく、上司や同僚と衝突したり、自分から壁を作ったりして、ある時点で「やーめた」とリセットするように転職するサイクルを繰り返していました。

当時は自分に問題があることに気づいておらず、「会社がアホだ」とか「業界のレベルが低い」と言って、前向きなキャリアアップを装っていました。

結局、その生き方が続く中で雇ってもらえる先がなくなり、自分一人で事業を始めて7年が経ち、現在に至ります。
なんとか7年持っているので、これはこれでひとつの居場所を見つけたと言えなくもありません。

一人で仕事をするようになり、考える時間が増えたことで自己検証が増え、ある時に「仕事で自己実現したいわけではなく、ただ自分の人間的欠陥を克服するために、仕事や会社を変えていた」と気づきました。

周りが事業の成功に向かって進んでいる中、自分だけが他人との適切な距離感の発見や内的欠陥の修復に必死になっていたので、会社に居場所がなくなるのは当然です。54歳になり、サラリーマン時代の職業人生は一体何だったのかと、愕然としています。


12月1日に、ピーター・ガブリエル 21年ぶり最新アルバム『i/o』がリリースされました。
73歳のアーティストが長いブランクの後に創ったとは思えない、緻密かつ美しいボーカル&サウンドで、この数日はヘビーローテーションしています。

私は彼のコアなファンではありませんが、彼の創作活動には「ドロドロとした自己探求を隠さない」姿勢が一貫しており、勇気づけられます。

興味がある方は、彼の過去のアルバム・ジャケットを辿ってみてください。どれも「暗くて不気味、でもなんだか切ない」イメージで、ジャケットを眺めているだけで内面がざわつく人は、たぶん私と似た者同士です。

今回の新作『i/o』のイメージビジュアルも、まさにピーター・ガブリエルここにありという感じです。

相変わらずこの人も自己探求のループの中にいるのだなぁと、少しだけ気が軽くなった週末でした。

ピーター・ガブリエル 21年ぶり最新アルバム『i/o』のイメージビジュアル





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