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街場の文体論#1

内田樹さんっていう人が書いた街場の文体論っていう本があるらしいです。
実はまだ読んだ事がないんですけどその本とおんなじ、街場の文体論#1 っていうなんだか続編がありそうなタイトルで、タブラ奏者のU-zhaanとサントゥール奏者の新井孝弘さんのインド音楽のライブが鶴岡銀座商店街の旧小池薬局恵比寿屋本店で先日行われていて、ちょうど時間もあったので行ってきました。
街場の文体って、本も今度買って読んでみたいですが、ライブから感じるイメージは、その地域やもっと限定された商店街などのコミュニティの個性というかスタイルのようなものかなって感じでした。


郊外型ショッピングセンターに出掛けたり、アマゾンみたいなサイトでポチるのがごくごく一般的なお買い物のスタイルとなった今、かつて買い物をする場所だった商店街はその役目を奪われて、閑散としたシャッター街、というネガティブな文脈で語られるようになってからずいぶん経った気がしますが、近年その揺り戻しというか、役目を奪われた商店街という街場に、何かポジティブなストーリーを上書きしていこうという人がすごく沢山いる気がしてます。
なぜならそこに色褪せない文体というかスタイルが残っているから。
今回ライブ会場となった旧小池薬局恵比寿屋本店は、大正から昭和へと時代の移り変わりの中建造された登録有形文化財なんだそうですが、そんな昭和初期のレトロモダンなオフィスビルが令和になったばかりの今こんな使われ方をしているなんて、当時の人達はきっと予想だにしなかったと思います。
DJがお気に入りの音楽をかけていたり、インドの伝統的な楽器を使ったエスニックな音楽にその場にいた人みんな酔いしれていたり、どこか異国情緒の漂う不思議な夏の夜でしたが、この間の鶴岡銀座夏祭りでも随分沢山の人達が商店街に繰り出していて、時代の変化とともに求められる役割にも変化が見られますが、それはいろんな人達に望まれている、ポジティブな変化のように感じられます。


そういえば文体って、楽器に似ているかもしれません。タブラやサントゥールで演じられる音楽の様式ってこんな感じかなってなんとなくイメージできるように、今の商店街からなんとなくイメージできる賑わいってあると思います。
そのイメージがはっきりしていれば、シャッター街という言葉はその街場の文体にそぐわないような気がします。
とりあえず本も買って読んでみようっと。

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