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原書 Sherlock Holmes:Kindle・Audibleの買い方(注意書き付)

※ Audibleで4つのオーディオブックがありますが、2021年11月5日に調べたところ、4作品中1作品(Stephen Scalon版)には『The Case-Book of Sherlock Holmes - シャーロック・ホームズの事件簿』が収録されていないことが判明しました。
4作品の説明のところに追記しておりますので、ご注意くださいませ。
尚、Audilbeのオーディオブックの説明欄に表記されている「収録作品」と「シャーロック・ホームズ」シリーズの作品を対比してチェックしていれば、このことは確認できていたと思われます。

北村一真先生の「英文解体新書2」は副題が「シャーロック・ホームズから始める英文解釈」となっていて、こちらを読了された方がシャーロック・ホームズの原書に挑戦しようとする人もいそうです。

昔とは異なり、今は手軽に原書も朗読音声も手に入る時代で、2020年3月に入手して一度、なんとか読了したことがあります。

その後、このnoteを立ち上げ、KindleやAudibleの使い方の整理をしたり、いくつか試してみたりした結果分かったこともありますので、それらをまとめておこうと思います。

1)Kindle/Audibleに関する記事のまとめ

Kindle/Audibleに関する記事も増えてきましたので、それら記事の一覧・目次のページを作りましたので、ご覧ください。

2)シャーロック・ホームズにちなんだ解説書:近刊

最近、英文解釈や英文法に古典的名著を題材に本格的に取り組む本が多数、出版されるようになりました。元から本物の英語力を求める市場の要望があったところに、タイミングよく素晴らしい書籍が出版されたことも大きいと思います。

①英文解体新書2:シャーロック・ホームズをメインにした英文解釈書

「英文解釈」界のニューヒーロー、北村一真先生の「英文解体新書」(いわゆる青本)が人気を博し、満を持して出版された続編にあたり、シャーロック・ホームズをメインに、エドガー・アラン・ポー、マーク・トウェインといった19世紀の作家の英文が取り上げられています。

Amazonの書評を拝見しますと、引用されている英文すべてについて詳しく解説されているわけではないとか難しいといったコメントも見受けられます。

それは多分その通りで、シャーロック・ホームズがコナン・ドイルによって書かれたのは1887年から1927年。今から100年前が1921年ですから、ちょうど100年ぐらい前に書かれた物語です。

しかしながら、つい今年の3月にこんなツイートを書いたこともありまして、日本語が1887年ごろと今とでは大きく変化しているほどには変わっていないのではないか?と感じています。

このツイートでリンクしたのがこちらのnoteですが、シャーロック・ホームズの原作よりさらに100年古いバイロンの詩の英語も、それほど難しくは感じません。

などと偉そうなことを呟いてみたものの、2020年3月にKindleでシャーロック・ホームズを購入した時は非常に苦労し、あまりに読めないので同時に購入したAudibleの朗読に引っ張られて、なんとかようやくのことで読了したという記憶があります。

思い返せば、それは単に音の流れについていっただけであって、決して「読了」などと言えたものでないと思うのです。

しかしながら、あれから一年。他の作品やら動画を見続けて英語を楽しみ続けてきた今、北村先生の「英文解体新書2」に刺激を受けてあらためてシャーロック・ホームズの原書にチャレンジしてみたところ、驚くことに音だけ聞いていても話についていけるようになっていました。

英語は継続してなんぼ、続けてこそものになるとはよく言われます。

一年前は、結局のところまったく歯が立たたなかったシャーロック・ホームズが聞いているだけで分かるようになっているというのは、なんとも言えない感動を覚えます。

②シャーロック・ホームズで学ぶ英文法

2022年になって出版された、シャーロック・ホームズで英文法を学習しようという本。
『青いザクロ石の冒険(The Adventure of the Blue Carbuncle:「青い紅玉」との邦題も)』を全文掲載・解釈した本です。

CDではなく音声ダウンロード付き。既存の録音からのカット(Charlton Griffin版?)かと思いましたが、どこにもクレジットはなく、またこちらの動画の冒頭の紹介音声と同一人物のようなので、新規に録音したのではないかと思います。

なお本動画では、本文の解説文が朗読で紹介されていますが、ダウンロードした音声は原文のみで、書籍の解説文などは含まれていません。

3)英語版のシャーロック・ホームズ(Kindle/Audible)

さて北村先生の「英文解体新書2」が出版される1年前に購入したシャーロック・ホームズは、Kindle版が上下2巻本。履歴を確認しますと、購入日は2020年3月20日となっていました。

Audibleもこの時に合わせて買いました。こちらの「Stephen Scalon」朗読。トータルで67 時間 44 分あります。Audibleについても、複数のバージョンがあります。こちらは後述します。

テムズ川からビッグベンを望む定番のロンドンの景色と薄暗いイメージがいかにも19世紀の雰囲気を醸し出しています。

飛行機雲が見えていなければもっと良かったのですが。

ちなみに、このタイトルを読み終えてAudibleの「長き旅路」のゴールド・バッジをもらいました。

67時間を約50日ですから、毎日少しずつ、土・日には集中的に読んでいた記憶があります。

今からKindle本シャーロック・ホームズを買うなら

ところで、上述の通りなぜかKindle本を購入するときに上下2冊で買ったのですが、今考えるとよくわからない。当時の購入額はそれぞれ数百円していました。きちんと探せば、シャーロック・ホームズの長編4冊と短編56作がすべてまとまった一冊があったはずです。

今買うならこちらの本がお勧めです。

しかも値段はシャーロック・ホームズの全編そろって、なんと98円!。

こちらをお勧めする理由は、Kindle版のサンプルをご覧いただくと分かります様に挿絵やコナン・ドイルの署名などが入っています。

せっかくならそういう「おまけ」的なものがある方が良いのではないでしょうか?

ちなみに「Stephen Scalon」版のAudibleから選べるKindle本はこちらで1円高いですが、挿絵などはなし。(注意:後述しますがKindle本に関連したAudibleのオーディオブックも紹介されていますが、アメリカのAmazonで購入してもWhispersyncはできません。)

Kindle本:各バージョンのちがいはあるか?

自分でタイトルつけておいてなんですが、実はそこまで調べてないです。

シャーロキアンになるとか、研究者になるのなら比較検討も必要かと思いますが、楽しめればよい派の私はそこまで厳密に比較検討などは行っていませんでした。

4)Audible(全巻セット)の朗読

Amazon/Audibleでざっと検索して、全編が収録されていそうなのはこの4作品でしょうか。すべて一人のナレーターが朗読しています。

※2021年11月5日 追記 Stephen Scalon版のオーディオブックは一部未収録です。購入の際はご注意を

朗読時間にはかなり差があり、サイモン・ヴァンス版が最短で58時間4分。最長なのが日本でも良く知られているスティーヴン・フライ版で71時間57分あります。13時間53分も違いますね。

この時間の長短では判断できないことがありますので、購入する際にはご注意ください。その経緯をこちらにまとめています。

私が購入したのは2番目に短いスティーヴン・スカーロン版でした。

それでも67時間もあるので、最初に購入して聞いたときは、なんとかついていくという感じでした。しかし、何度も聞いているとちゃんと音だけでも理解できていくものです。

そうしていくうちに、シャーロック・ホームズの物語で読んだことのある話がなかったような気がして、おかしいなと思って調べてみました。

結果は、私が購入したStephen Scalon版では、最後の短編集『The Case-Book of Sherlock Holmes - シャーロック・ホームズの事件簿』が録音されていませんでした。

長編4冊
①A Study in Scarlet - 緋色の研究
②The Sign of Four - 四つの署名
③The Hound of the Baskervilles - バスカヴィル家の犬
④The Valley of Fear - 恐怖の谷

短編集5冊
①The Adventures of Sherlock Holmes - シャーロック・ホームズの冒険
②The Memoirs of Sherlock Holmes - シャーロック・ホームズの思い出
③The Return of Sherlock Holmes - シャーロック・ホームズの帰還
④His Last Bow - シャーロック・ホームズ最後の挨拶
⑤The Case-Book of Sherlock Holmes - シャーロック・ホームズの事件簿

改めて見てみると、一番短いサイモン・ヴァンス版でも上記の長編4作、短編集5冊のタイトルがすべてありますし、レビューを見る限りでも、いわゆる正典とされる60作品(長編4作品、短編56作品)のすべてが録音されているようです。

値段は、それぞれ結構な額が付けられていますが、ご存じの通りどれも1タイトルとして扱われているので、Audibleのコイン一つで購入できます。以下、収録時間順に記載しました。

①Simon Vance版:58 時間 4 分(長編4冊・短編集5冊 収録)

②△ Stephen Scalon版:67 時間 44 分(長編4冊、短編集4冊のみ)

『The Case-Book of Sherlock Holmes - シャーロック・ホームズの事件簿』は未収録です。この点はご注意ください。

③Charlton Griffin版:70 時間 48 分(長編4冊・短編集5冊 収録)

④Stephen Fry版:71 時間 57 分(長編4冊・短編集5冊 収録)

Stephen Scalon版が「完全版」ではないことが判明したので、Stephen Fry版も買ってみました。こちらはタイトル通り、「The Definitive Collection」ということで、すべてのシャーロック・ホームズの朗読が収録されています。スティーブン・フライの作品解説のおまけつき。Stephen Fry版が一番長い理由はこれだと思います。

スティーブン・フライは、ロバート・ダウニーJr. がシャーロック・ホームズを演じた『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」では、マイクロフト・ホームズ役でも登場していました。

さらにスティーブン・フライは「ハリー・ポッター」シリーズの録音も有名です。

⑤全巻セットのAudible、お勧めはどれ?

上述の通りオーディオブック4作品のうちStephen Scalon版は短編集『The Case-Book of Sherlock Holmes - シャーロック・ホームズの事件簿』が収録されていません。

他の3作品は、長編4冊・短編集5冊がすべて収録されているようです。

未収録の作品があるとは言え、スティーブン・スカーロン版が気に入って購入しましたし、落ち着いたトーンなのに情感が伝わる朗読は気に入っています。
別途に購入したスティーブン・フライ版も演技や朗読に定評のあるだけに、こちらも味わい深いです。
私はこの2名の朗読が気に入りました。

この記事を書いた時は、日本のAudibleはコインで作品を購入するシステムでしたが、今は会員になると聴き放題(サブスク)です。

会員の方は、あまり聞き比べてどれを買うとか気にせずに、好きなものを好きなだけ楽しめますね。
また、Audibleでは、朗読スピードの録音されたスピードを1.0として、0.1倍単位で0.5倍(遅い)~3.5倍(早い)まで調整ができます。朗読時間の長さよりは、声の質が気に入るかどうかをじっくり試されるのが良いと思います。どのナレーターを選んでも、通常の速度なら数十時間かかるわけですし、声の質や雰囲気もお気に入りを選ぶのが重要かと思います。

5)シャーロック・ホームズのWhispersync

こちらのnote では過去にAmazonのアカウントが日米などでどのように違うのか、とかKindleやAudibleをアメリカのAmazonのみのものを利用するとどうなるか?といった記事を投稿してきました。

本記事を投稿した時は、あまり良く分かっておらずに、上記で購入したKindle/Audible作品ではWhispersyncがうまく働きませんでした。

しかし、これは単に探し方が悪かっただけでのようです。

「赤毛のアン」もWhispersync対応の作品はないと思っていたのですが、実は簡単に見つかりました。
同じ方法で探すと、シャーロック・ホームズ作品も見つかります。

次の項目にWhispersyncが可能な作品の見つけ方を詳しく記載していますが、探している作品のタイトルをアメリカのAmazonの「Kindle Store」で探し、下図の「1クリックで購入」ボタンの下に、
「Add Audible narration to your purchase for just $2.49」
といった表示があれば、Kindle本と対応したAudible本も購入することができます。後ほど詳しく紹介します。

シャーロック・ホームズの冒険

それにしても…

「赤毛のアン」でこれをやると、Audibleは追加額7.49ドルでしたが、シャーロック・ホームズの冒険だと、なんと2.24ドルですか(7.49ドルの作品もあります)。

もう安すぎて驚きますね。

Whispersyncが可能な作品の見つけ方

以前、この記事を投稿した時は、Amazonのページに表示されるリンクを試して買ってみて、うまく行けば万歳!という方法でした。
しかし偶然、こんなページを見つけました。

なんと7年も前に公開されている記事でした。この方のやり方ですと、私のところで推奨している、まずはAudibleからというやり方ではないのですが、まずはこの方の方法で試してみたところ、上記の「赤毛のアン」でWhispersync対応のKindleとAudibleが見つかりました。

とりあえずどちらが良いか、もう少しテストしてみますが、現時点では次のやり方になります。

①まずはKindleのページで書籍を探す。

アメリカのAmazonアカウントにログインして、Kindleの検索ページに行きます。

Amazon.com: Kindle Store

このページで、自分がほしい本を検索します。

②欲しい本に、「Add Audible Narration」の記載があるものを見つける。

今回の「The Adventures of Sherlock Holmes」で検索して、トップに表示されるのがこのKindle本になります。

この本の「1クリックで購入」の下のところをご覧ください。
「Add Audible narration to your purchase for just $2.24」と表示されているのが見えると思います。これがWhispersync対応のAudibleが設定されているKindle本であることを示します。

③2.24ドルって、月額クレジット(コイン)より安い!

Kindle本によって、これより高い値段のAudibleもありますが、いくつか見た限りでは、たいていの場合7.49ドルでKindleとセットのAudibleが購入できるケースが多いようです。少なくとも「赤毛のアン」シリーズはその値段の作品が多かったようです。

これでもアメリカのAudibleの月額会費14.95ドルより安いので、月一冊ぐらいしか買わないのであれば、クレジット(日本のAudibleの昔のコインと同じ)を毎月購入するよりはるかに安い金額になっていますが、シャーロック・ホームズではそのさらに三分の一ぐらいの値段になってるわけですね。

④既にアメリカのAmazonでKindle本は購入済で、この本に該当するAudibleを見つけ出す方法

さて、こんな疑問がわく方もいらっしゃると思いますが、上記のリンクでも紹介されていますように、アメリカのAmazonにログインした状態で、Find Your Match というページをご覧いただくと、自分が持っているKindle本にWhispersyncが設定されているAudibleを見つけることができます。

Find Your Match
(アメリカのAmazonにログインしてご利用ください。)

シャーロック・ホームズのWhispersync対応作品等

「赤毛のアン」シリーズを調べた時に偶然みつけたのですが、Whispersync対応の作品を検索したいときは、「書籍タイトル + Xist Classics」で検索すると、対応している作品が多くあります。
シャーロック・ホームズ作品も同様でした。

A Study in Scarlet: A Sherlock Holmes Story (Xist Classics)
https://www.amazon.com/dp/B00QFR8ACW/

The Sign of the Four (Xist Classics)
https://www.amazon.com/dp/B00VOK2F44/

The Return of Sherlock Holmes (Xist Classics Book 1)
https://www.amazon.com/dp/B00XD4N3YU/

ここでは何冊かしか取り上げていませんが、探せば他にも見つかると思います。

終わりに

北村一真先生の本で触発されてシャーロック・ホームズの原作にトライしてみようと思われた方が、Amazonでシャーロック・ホームズと検索して出てきた数の多さに辟易すること(かつての私がそれで、血迷った末にKindleなのに二分冊版を買ったのは、今では良い思い出)なく、Kindle版やAudibleを選べるように記事をまとめてみました。

参考になれば幸いです。

2023年1月14日 追記 赤毛のアンについて

日本では人気の高い赤毛のアンについても同様に調べてみましたが、シャーロック・ホームズと同様、個別の作品ごとならWhispersyncも対応しているようです。詳細はこちらの記事をご覧ください。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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