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【ろるけ哲学】 この世界は何か

宇宙の存在

この世界は無の波の中の世界です。

「宇宙が始まる前は無があった」「無のゆらぎで宇宙が生まれた」と科学の界隈では表現されます。無とは何もない状態ではなく、「プラスとマイナスが打ち消し合うなら何でも起こる世界」と考えます。
何かが生まれ消えるという可能性が永遠にあるなら、なんでも起こる。それが「無」です。

「この世界が存在できるのは、この世界を打ち消す反物質が在るから」「最終的に反物質と打ち消し合って物質はエネルギーを放出し無に戻る」

なぜかこの宇宙に反物質はごく少ないらしく、この宇宙が造られると同時にどこか別の場所に反宇宙のような物と分かれたと考えられます。しかし現代科学で確認できたことは「反物質が作れた」と言うところまでです。

宇宙や反宇宙のようなものは無数に存在していて、その中の一つが今の宇宙です。

反物質についてはブラックホールの中に反物質だけが吸い込まれたとか、時間の流れの反対方向に反物質が飛んで行って宇宙の始まりよりも前の時間軸へと時間をさかのぼっていったとか、反物質が時空間を生み出すエネルギーになっているとか。

いくつか説が考えられますが、最終的にはどこかで物質やエネルギーと打ち消しあって「無」に戻る、もしくは分散を続けて、どんな形であろうとそれも「無」であると解釈できます。

物語に始まりと終わりが必要なのは人間の創る作品の場合であって、実世界には始まりも終わりも必要ありません。海やマグマや空気のような一定の規則の中でランダムに何かが漂っている、そんな存在がこの世界です。その中に、生物が生まれてもいいし、生まれなくてもいい。

この世界はただの偶然に生まれたものです。

人間に生まれてきた理由

原子や分子は温度の変化などのきっかけによって、近くの物同士で勝手にくっついたり離れたりします。

生物の起源は海中の熱水噴出孔で、化学変化の起こりやすい温度で、様々な物質がうっかりくっついたり離れたりということを永遠に繰り返していました。

元素の中でも「炭素」はとりわけレゴブロックのように、ある程度決まった形を組み合わせて色々な組み合わせ色々な大きさ色々な性質の分子になることができます。この炭素が有機物の重要な要素であり、炭素と他の分子の無限の組み合わせの中で生物へとつながる物質も生まれました。

この自然実験場によって、アミノ酸などの有機化合物が偶然沢山生まれていきます。

そんな中である時偶然「自分のコピーを作る」という形の塊が生まれました。

DNAなどの構造を包んだ膜です。
これがおよそ35億年前の地球で生まれた最初の生物です。


この生物がコピーを作り続けていく中で、物質の化合など普通の化学変化や紫外線によるDNA破壊も相まってたまにバグが起こります。そんな不完全なコピーが続いていき、ここから生物の進化が始まります。

その後、体のエネルギーを使ってアメーバのように形を変えるようになったり、大きくなったり、足が生えたり、目が生まれたり、他の生物を食べて分解するようになったりと進化していきます。

話は飛びますが、その進化の過程で最も生き残りやすい形になったものが現在の人類や動植物、細菌やウィルスなどの生命です。

最も運がよく、そして幸運を掴むように変化してきた物質の生き残りとも言えます。

感情と思考

感情も思考も、人間のDNAが必要とした機能の一つです。もともとこれらはバグであり、障害のような「異常な能力」が、偶然生き残りやすかったがために今の人類の標準機能になっています。

目があって光を区別できるのも、鼻があって匂いが分かるのも、食べ物に好き嫌いがあるのも、偶然生き残りやすい「異常者」だったのです。

仲間を認識したり、敵を認識したり、食べれるもの食べれないもの、近づいていいものや危険なものを区別するために感情や思考が有利であり、その異常が役に立ってきた結果が今の人類の持つ感情や思考になります。

世界はあなたを愛さない。

この世界は偶然によって生まれ、物理法則に従って太陽や月や地球があり、その上で生物達が自分の都合のために活動してどうにかこうにか生き残ってきました。

過去の人類が、言葉を作り文字を生み、紙とペンによって歴史を記し、長い年月を経てカラクリを作り蒸気機械を作り、やがて電気機械へと移行してコンピューターを生み出し、今こうして簡単に言葉を伝えられる世界へと繋がっています。

この世界はあなたのために作られたものではありません。ただ、今あなたがここにいる偶然は、唯一、世界からの贈り物と呼べるものです。

その幸運と、今の恵まれた世界を愛して生きると良いでしょう。


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