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彼が結婚した


私が世界でただ一人愛していた彼が、
ついに結婚した。

ついに、と言ったのは、
彼が結婚するかもしれない、と想定して生きていたから。いつ結婚しても大丈夫なように覚悟はしていたのだ。なるべく傷が浅くて済むように。

気がつけば、彼と出会って12年過ぎた。
別れてからはもうすぐ7年が経とうとしている。
一緒に居た時間より、別れてからの時間のが長くなってしまったのだ。

これは自分でも何故だか分からないんだけど、
別れて7年経った今でも、まるで昨日出会ったかの様に彼が好きなのである。

彼と初めて言葉を交わした日の事を今でも鮮明に覚えている。あの日駅で別れた瞬間から今日まで、私が彼に会いたいと思わなかった日はない。


付き合っている時もそうだったし、別れてからも、恋に落ちたあの日と全く変わらない気持ちで彼に会いたいと思う。


ただ、もちろん変わった事もある。
それは会えなくても平気になった事だ。

付き合っていた頃は、
1日でも会えないと苦しかった。
1週間会えない時は、本気で絶望を感じた。
なんの為に生きれば良いのだろう、と。

別れてから何年も経ち、
会えない事が当たり前になって
私は彼に会う事を諦めた。
やれるだけの事はやったし、もう出来る事はなかった。

私と違いすぐに恋人ができる彼は、
彼女が居ない時がほぼなかった。
気がつけばいつも彼女が居た。
そんな風だったから、いつ結婚してもおかしくはないと思っていた。

とは言え、結婚なんて興味ないです、
という人だったから、ずっと独身の可能性だって期待してなかった訳じゃないけど、
私の自己防衛本能が、そんな楽観は許さなかったのまで、私は常にSATCのナターシャを想定して生きていた。

そしてついに、
私の自己防衛本能が役に立つ日が来た訳です。
本当に良かった、防衛していて。笑
備えあれば憂いなし、ですね。
憂いはないのか?不明だけど。


兎に角、
愛する人は結婚しました。
その事実が私の生活に与える影響はゼロです。
だけど、彼は結婚した。

私はその事実が、
自分にどんな影響を与えているかすら分からない。今年こそは彼氏つくろー、と思ったのが彼の影響なのか、それは分からないですよね。


そもそも、
彼の存在は私にとって、とても曖昧なものだった。いつからだったか、私は恋人も居ないし、好きな人も居ない、という女だった。


元彼が忘れられない、何年も前に別れた人に未練がある、その人に執着している。
そんなラベルを自分に貼ったのだ。
私のパソコンはステッカーだらけ。自分を自分でラブリングしていた。

それでラベリングした結果、
たぶんこの状況はあんまり良くなさそうだな、
人にバカにされそう、痛いと思われそう。

きっとそう思ったんだろうな。
だから私は、
何年も好きな人が居ない人になった。

でも本当は彼が好きだった。
別に会えなくてもいい。もう沢山会ったから。

会えなくなってから、
私は彼が死んだと思って生きてきた。
会えないんだから、生きていようが、死んでいようが変わらないでしょ?

死んでるんだから会えなくても仕方ない。
彼が死んでしまった世界を想像する。
その世界は本当につまらなくて、私もワープして早くおばあちゃんになってしまいたいと思う。
そうやって考えていると、
悲しくなってくる。
彼が居ない世界はなんてつまらないんだろうと。


でも彼は生きている。
私はこんなに彼に会えないにも関わらず、彼に会える可能性がゼロではない世界に生きている事を幸せに思う。彼が生きているこの世界は、なんて素晴らしいのだろう、と。


ですから、
彼が結婚しようと、なんであろうと、
別になんでもいいんです。


出来れば、
私をたまに懐かしく思いながら、
でも心健やかであって欲しいと思う。


そして私は、
彼が私を思っていようとなかろうと、
他に好きな人ができて、
会えなくてもいいや、と思うほど、
また人を愛する事ができたら良いな、と思う。

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