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何十年も変わらない生涯最高の一冊。このさきどれだけ良い小説に出会っても変わらないと思う『旅涯ての地』

生涯最高の一冊『旅涯ての地』著者 坂東眞砂子さん

 高校2年のときだったと思うけど、この夏休みは、毎日一冊づつ文庫本を読もうと決意して、毎日コーラを飲みながら文庫本を読んだ。
 毎日部屋にこもって朝から夜まで読んでた記憶があります。
 SFや赤川次郎さんや司馬遼太郎さんやいろんなの読んだ記憶があります。そこからですね、読書生活がはじまったのは。
 多い時一年で150冊くらい少なくて50冊くらいですね。
 そんな生活も35年ほどになるので、計算すると3千冊位になるんですね。
 その中で一番を選ぶとなると難しいとなると思うかもしれないけど、僕の場合は、圧倒的な一番があるんです。
 それが、坂東眞砂子さんの『旅涯ての地』
 とにかく、すごかった。
 圧倒されました。

現実と本の世界が逆転する。

 すごい本に出合った時って、完全に時が止まり、本の世界に入り込み、その本の物語の中で生きていて、本の世界が現実で、現実の世界が架空の世界のようにぼんやりと感じながら生きているようになります。
 読み終わり、余韻を楽しみ終わるまでそんな感じて生活している感じになります。
 『旅涯ての地』もまさしくそのような一冊でした。
 この作品は、読友さんのおすすめで読みました。
 全く知らない作品でした。
 ダビンチコードを数倍面白くした感じの本と教えてもらいました。実際その通りでした。
 教えてもらったときこのこの本は絶版になっていて(今は電子で復刻しているようです・不確かな情報です)図書館で借りました。もちろん、読み終わり、すぐに古本屋を数件周り手に入れました。
 手元に置いておかないとだめな作品ですね。

 内容をすごく簡単に言うと、舞台は中世のヨーロッパ。
 高級貴族の家の奴隷男が主人公。
 13世紀のイタリアの奴隷制度、キリスト教の宗派同士の争い、市井の庶民の様子、貿易商たちの何年もかかる船旅、山賊、公開処刑、異邦人、異端、伝道師、そして、キリスト教の「聖杯」
 そこに恋も入ります。それがまた濃いんです。
 しかも、それらが入り交じっているのに、それぞれの登場人物がしっかりとしています。途中でなぜかいなくなったりするのは出てきません。
 それらが入り交じり現代から見ればファンタジーのような話の展開です。もちろん、世界史として十分ありえる話なんだろうなと感じさせてくれるので、現実味を持って読めます。
 少しだけネタバレすると、
 奴隷で倭人と宋人のハーフ・夏桂(カケイ)。
 夏珪が偶然手にした板絵(イコン)。
 そのイコンは、異端カタリ派のものであり、それがキリストの「聖杯」でもあった。
 夏珪が恋するのはカタリ派の伝道師マッダレーナ。それ女性がまた、魅力あるんです。
 恋と冒険。
 この小説はほんまにすごいです。

 また、信仰とは?神とは?という遠藤周作さんのような大きなテーマもあります。
 それで、この作品にスピンオフ的な作品を最近読みました。

スピンオフ的な『魔女』

 舞台は同じく中世のヨーロッパ。
 修道士と貴族の娘の恋の物語。
 宗教と恋ですね。

 是非とも『旅涯ての地』読んでいただきたいです。
 そして、読む時には、この『魔女』も用意してから読んでほしいです。
 余韻を楽しむのにちょうどいい一冊です。


僕の好きな本たち

旅果ての地
ハリーポッター
鳩の撃退法
ゼツメツ少年
世界の終わりとハードボイルド、ワンダーランド
☆(旅涯ての地)に出会うまでの1位。
日本語が亡びるとき
舟を編む
燃えよ剣

氷平線
1945年のクリスマス
容疑者xの献身
木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
ソロモンの偽証
胡蝶の夢
みかづき
かがみの孤城
スロウハイツの神様
黄色い家

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