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過保護なだけで付き添い登校はできない

不登校気味の子を担任したとき
付き添い登校を始めることになりました。

付き添い登校とは、文字通りお家の人が教室まで付き添うことです。

その子が朝の会から帰りの会までいたい、となれば
お家の人も朝の会から帰りの会まで教室にいることもありました。

わが子のために「いつまで」と区切りのない中
そこにいてくださるお家の人に対して
私は感謝しかありませんでした。

ある日、専科でわがクラスを教えてくれていた先生からこんなことを言われました。

「付き添いのお母さんがいて、やりづらいよなぁ‥。麦原さん、過保護な親がいて毎日大変だな。」と。

言いたいことは理解できました。
親の目があると思うと、いつもの指導ができないということを言いたいのだと思いました。

でも、付き添い登校のお母さんを「過保護」と言ったことは絶対におかしい!と
心の中には炎が燃え上がりました。

教師と子どもだけの教室に、1人でいることがどんなに心細いか。
たくさんの子を目の当たりにして、「どうしてうちの子だけ‥」と何度思ったことだろうか。そして「比べてしまうこと」に対して罪悪感を持ってしまったことだろうか。
家事、仕事‥様々なことを調整して平日の昼間、出かけてくれている。

付き添い登校のお家の人は「過保護」なんかじゃなく、
ものすごい「覚悟」をもって来てくれているのだと思うのです。

だからこそ、その先生からの「過保護な親」発言が私はどうしても受け入れられませんでした。

とはいえ、いつもヘラヘラしている私。心に炎が燃えていても、なかなかハッキリ言えない性格です。さらに相手は大先輩の先生‥。

「私は付き添い登校のお母さんがいるときも、いないときも
同じように過ごしているので
特に変わりません」

‥こう言うので精いっぱいでした。

その後、少しずつお家の人が別室にいる時間を増やして
徐々に子どもだけで授業に参加することができるようになり、進級しました。

付き添い登校をしてくれたお家の人と、終業式で握手をしたとき
「先生ありがとうございました」と涙を流しているお家の人の姿は忘れられません。

「なんで先生も泣くんですか‥?笑」
涙もろい私は、そのお母さんよりも泣いて
笑われてしまいました。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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