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回転寿司テロは氷山の一角。炎上が増えたのはリテラシーの低下ではなく、ツールの普及が要因

 ここ数日、某回転寿司チェーン店で行われた迷惑行為がネット上で拡散し、株価が下落するという事態に発展している。

 この手の話題が出ると必ず「最近の若者はヤバイ」という声があがってくるのだが、これは正しいようで正しくない。また、ネットリテラシーの低下を嘆く声も出るが、これも正しいようで正しくない。

 簡単に言えば「どの世代にもヤバイ奴は居る」ということだ。炎上系で若者が多いのはスマホを介したSNSの普及が大きい。つまり、自らの行いを世間に公開するツールを得ているかどうかに尽きるのだ。

仮に中高年層のSNS普及率が若者の同じぐらいになれば炎上系に占める年齢層の比率も変わり、それなりのニュースバリューになるだろう。実際、近所トラブルや煽り運転、パワハラやセクハラなど現実社会の炎上は中高年層が多くを占めているので、発露や発信の方法が違うに過ぎない。

 そろそろ私たちは「世間には常識人が多い」から「世間は自分と同じ程度ではなく、馬鹿が多い」へと考えを改めるべきだ。これまでは性善説がまかり通っていたが、馬鹿が起こした多種多様の行為を見ると今までと同じ価値観で歩むことは難しい。

 どのような分野であっても参加者が増えれば全体の平均(中央値)は下がってしまうので、過度に世間を信用することなく認識を改めることで自己防衛をするしかない。可視化されることで疑念が湧き、疑わざるを得なくなったというのは何とも悲しい時代である。


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