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パリジェンヌは永遠の憧れ

10代の頃見ていた雑誌に、よくパリジェンヌが紹介されていた。
ボーダーのトップスやジャケットにスキニーパンツ、そしてレペットの靴やブーツ
雑誌の中のパリジェンヌたちは、スタイルが良くてシンプルな服をかっこよく着こなしていて、憧れだった。

たまにお部屋紹介みたいな記事もあって、狭いアパルトマンでも、インテリアにこだわっていて、全てが素敵だった。

もう30年近く前、友達とパリに旅行した。
今でもたまに思い出す。

頑張って覚えたフランス語は通じず、英語は聞いてもらえず、フランス人は、なんて冷たいんだと思った。
地下鉄で歌を歌ってる人や演奏をしている人がいて自由。でも車内はなんかこわかくて、ビクビクして乗った。
有名な美術館は人だかりでゆっくり見れなかった。
でも街全体が美術作品のようだった。
エッフェル塔はもちろん、公園のベンチさえも美しい。街中はどこもかしこも素敵で、八百屋さんだってフォトジェニック。
絵になるおしゃれな恋人たち。
カラフルな遊具のある子供たち専用の公園。

パリの街は、私の憧れのままだった。

子育て奮闘期の頃、いくつかの書籍が話題になっていた。

「シンプルに生きる」
ドミニックローホー著

「フランス人は10着しか服をもたない」
ジェニファーLスコット著

私にとって、パリジェンヌは、生き方のお手本にもなっている。

でもパリジェンヌがパリジェンヌである所以は、パリの厳しい状況も関係しているのだと思う。

住むところだって、日本のようにどーんと一軒家を建てるなんてできない。建物はどれもこれも古くて水道管なんかの故障も多いと聞く。

バカンスは長く、お金をかけずにのんびりと過ごす。間違っても日本人のように人混みや渋滞に巻き込まれてお金を使い疲れることはない。

物価も税金も高いから、服も食事もシンプルになる。骨董市なんかも盛んで、古き良き物が継承されていく。

子供の頃から自分の意見を言うことを教えこまれるから、なんでも自分でよく考える。他人がどう思うかなんて関係ない。大切なのは自分がどうしたいか。
たとえ結果がよくなくても。責任は自分にある。人のせいにはしない。

ケ・セラ・セラ

なるようになる。運命ってそういうもの。それが人生。
自分で積み重ねた分だけ、歳をとることも美徳になる。

やっぱりパリジェンヌは私の永遠の憧れ。
心の中に、いつもパリジェンヌを。

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