シャニマス詩歌部 第七回プロト歌会の自作短歌について

シャニマス詩歌部のプロト歌会、初めて参加させていただきました!
通常の歌会とはまた違ったアプローチができたかなと思うので、作るのが本当に楽しかったです!みなさんの作品を読むのも楽しかったなあ……

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今回提出した3首についての解題のようなものを書いていこうと思います。


雪解けの街であなたは食べる寝る踊る自分もゆるすのだろう/七草にちか

モノラル・ダイアローグスを読んで、にちかは美琴さんが地元に帰ったことをわりとポジティブに受け取っている印象を受けたので、彼女の中にある前向きな気持ちを汲み取りたくなって作りました。

「食べる寝る踊る自分」は東京で10年を過ごした過去の美琴さんと、故郷に帰った今の美琴さんの両方を指しているつもりです。(電音部に「Eat Sleep Dance」という曲があるので、頭の中にこのワードがずっとあったんだろうなと思います)

美琴さんがどういう状態になったら東京に帰ってきてくれるのかを考えた時に、自分自身を「ゆるす」ことができるといいのかもしれないなと私は思いました。
許しであり赦しでもあり、恕しでもあると思ったので、ゆるめるという言葉のニュアンスも含めたひらがな表記にしました。

読んだ人に(美琴さんのことを考えながら、にちかは自分自身のことをどう思ってるんだろうなあ……)みたいなことをぼんやりと考えてもらえるような余韻を残せていたらいいなと思います。


息をつく夜まで色を残すからマットリップは鎧なのかも/七草はづき

モノラル・ダイアローグスの報酬「あっかい」のコミュで、はづきさんがマットリップを持っていることがわかるシーンがあったので、それをもとに作りました。
マットリップを使ってるはづきさん、最高。

リップを塗りなおす暇もないくらい忙しいであろう彼女がマットリップを使っている理由のひとつに、色落ちしにくさがあるのではないかなと思いました。落ちにくいリップといっしょに一日を戦い抜くはづきさん、みたいなイメージで作っています。
初句の「息をつく」で読んだ人の脳内に彼女の口元が映し出されて、マットリップへと焦点が絞られていくように結句までさらっと読んでいただけていたら嬉しいです。


風を撮る波音を撮るきみを撮るフォルダあふれるわたしあふれる/市川雛菜

今回出したものの中で一番気に入っているものの、この韻律が受け入れられるか少し不安でもあったので、好きと言ってくれた方がいらっしゃって嬉しかったです!詠草を読む会で拾っていただけていたらしく、寝てしまったのが悔やまれる……

天檻のエンディングで、ノクチルが河原を走りだすときに雛菜が写真を撮るシーンが本当に好きなので作りました。
「きれいだったから」という理由で浅倉の写真を撮るシーンもすごく印象的でした。

思い出を残すために写真を撮るというより、今が楽しい!今見えてるものがきれいだから撮る!みたいな、雛菜の衝動的な心の動きを表現したくて詠みました。
カメラフォルダには雛菜の心が動いた瞬間であふれていて、それはもう雛菜そのものみたいになっているんじゃないかなあと思います。

提出ギリギリまで「カメラロールにわたしあふれる」にするか迷っていたのですが、初句から結句にかけて畳み掛けるような表現にすることで、雛菜の感情があふれだしそうなさまを伝えたいと思ったのでこのようなかたちになりました。

「風→波音→きみ→スマホのフォルダ画面→雛菜」をワンカットで撮影した映像のように脳内で再生されていたらいいなあという気持ちで作りました。


○ひとこと

アルストロメリア以外のアイドル(事務員)に寄せた短歌を作るのは久しぶりだったので、そういった意味でも楽しかったです!もっと短歌うまくなりたいよ〜!!

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