現実世界と映画鑑賞が相互に影響をもたらした事例
BGMは「The Rose」(Bette Midler)。
〜「小野寺の弟・小野寺の姉」にまつわる個人的な話〜
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#映画にまつわる思い出 …ということで。
映画館で観た映画の思い出の中で、ミッチーさんにまつわる映画だと何があったっけ…ということで思い出したのが、『小野寺の弟・小野寺の姉』。
過去にも書いたが、この映画のミッチーさんは、いたって普通の人。いい人なんだけど罪な人。そんなに出番が多いわけでもない。
だが、それ以上に、この映画そのものが原作を読んで期待した通りの空気感で、派手に何かが起きるわけでもないし、底抜けに明るい展開でもないのに、余韻はじんわり暖かい。そこが気に入っている。
ただし、これから語る内容は、映画そのものの話ではない。映画に行く時は、何かと抱き合わせで行くと思わぬ展開になりうるので気をつけましょう、という話である。
時は2014年10月。
この映画の公開初日、私は歌のレッスンの日だった。しかもレッスン会場から行きやすい御用達の映画館ではこの作品の上映がなく、そこから電車で移動する映画館で観ることになった。
そして上映時間の都合上、レッスン→映画という順番になったのである。
当時、レッスンはライブに向けてラストスパートとも言うべきタイミング。課題曲が並行している時期でもあったが、その日のレッスンで取り上げたのはベット・ミドラーの「The Rose」だった。
アマチュアの趣味の世界ではあるが、ライブ前ともなるとなかなかのもので(これを部活モードと呼ぶ人もいる)、みっちり絞られてその日のレッスンは終了。
かくして映画館へ。
もうそろそろ暗譜も出来ていなければならない時期であり、何度も繰り返し聴いて歌詞を読んで…と繰り返していた。そこにレッスンが加わって、完全に脳内がこの曲で支配されていたのだろう。
順調に映画を楽しんでいた途中で、脳内に流れ始めたのである。「The Rose」が。
いやいや、ちょっと待って、と思ったが、途中から歌詞の世界がまるでこの映画とリンクしているような気がして、むしろ挿入歌のような気持ちになってきた。「この曲の歌詞の感覚って、これだ…!」と思った。
そうして満足のうちに映画を観終わった私は、不意に思いつく。
(曲解説、やろうかな…)
私達のライブのMCは基本的に先生なのだが、数曲、曲の解説という形で生徒がやる場面もある。公募制or先生による指名で決まるのだが、映画の余韻の勢いで、チャレンジしたくなったのだ。
良いものを見たと感じた時の勢いというのは怖いものである。もはや酔った勢いと同等(と、当時の私が記録していた)のテンションで、「The Rose」の曲解説をやりたい、というメールを先生に送った。確か帰り道の最中だったと思う。
返事は割とすぐに返ってきたのだが…
この曲に関しては、曲順的に自分(先生)が話すのでNG。これかこれとこれのセットならOK(曲間で話すから2曲)…という内容だった。
そうか、それなら仕方ないな、と思ったのだが、選択肢を用意され、引くに引けなくなってしまった。
しかも1曲or2曲セットの代替案のうち、自分が話してみたいと思える曲があるのが後者だったため、2曲セットを選ばざるを得なかったのだ。
これ、確実に自分で自分の首絞めたね…?
映画の途中で「The Rose」が脳内を流れることがなかったら、こんな課題を背負うこともなかったはずだった。もしレッスンがこの曲でなかったら、これを想起するような内容ではなかったら、苦労しなくて済んだのになあ…と嘆きながら、本番に向けて原稿を用意することになるのである。
※ちなみに、頑張って用意した原稿であるが、この話すタイミングで思わぬ展開が待ち受けていたため、見事に記憶していた内容が吹っ飛んで、その状況に関する本音を述べながら必死にその場で再構築して乗り切ったのはここだけの話。
※そして2曲目でミッチーさんの曲を引き合いに出し、先生から盛大にツッコミを食らった(が、結果的にここで求められた役割は果たせたと思っている)。この組み合わせ↓で何をどうしたのかはご想像におまかせします。
(↑このバージョン、初めて見た)
あれからもう8年以上経っているけれど、この映画を思い出すたびに、この曲もセットで思い出す。主題歌でも何でもないのに、巡り合わせというのは不思議なものである。
そして、映画を観に行く時は、なるべく映画だけに集中出来るように日程を組んだ方が良いと今でも思うのである。