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相棒21 最終回スペシャル 前篇

この写真の先の未来を、誰が予想出来ただろう。

そして実はこの写真、劇場版IとIIが交錯している。

***

最終回前篇。リアルタイムで見届けた。
結論から言えば、非常に複雑な心境である。

2代目と5代目の邂逅は期待通りの胸熱だった。 
何だかその熱量に巻き込まれたかのように右京さんも課長も凄くいい表情見せてくれたし、捜一トリオも美和子さんも良い掛け合いを見せてくれた。

ああ、こういうの、好きだったな。皆さん流石だな、と思いながら見ていた。2代目が微妙にテンション高いのは、もはや卒業後のデフォルトだな、とツッコんでみたり(笑)

もちろん、ラストシーンのスリーショットには心震えた。

けれど、私が純粋に好きだった頃のシリーズとは変わってしまっている現実も端々にあり、決定的に決別することになったキャラ(演じてる中の人には全く!罪はない。そのキャラの設定の付け方に愛を感じられなかったのが原因)と2代目のツーショットには心がざわざわした。

そして、物語の描き方の比重の置き方にも何となく引っかかるものを感じてしまった。レギュラー陣の掛け合いを楽しませてくれるのは嬉しいし、お約束も悪くないけど、人のために事件動かしてないよね?と真顔になるような瞬間もあったり。

結果、楽しめるところ楽しみつつも、高揚するような余韻にはならなかった。TLの華やかな流れにも乗り切れなかった。…というのが正直なところなのである。



けれど、見てる人達はもちろん、画面の中の人達も嬉しそうで、皆こんなに幸せになってるなら、それはそれでいいんじゃないかな。皆でここまで繋げてきたんだし、私もいいもの見せてもらったし。

一晩立って落ち着いてきたのか、不思議とそう思えるようになってきた。

この不思議な感情、どういうことだろう、と思っているうちに、あることに行き当たった。


(ああ、あの時の“祭り”ってことかも…)


神戸さんによく似た方、のワンマンショー2021「SOUL TRAVELER」の大宮公演で、「一番幸せを感じるのはどんな時?」という問いに対する回答の中で出てきた言葉。

「共有したよね、この夜を、この瞬間を、この感動を、っていうのって、欲しくない?どんな時代になったって、お祭りって大事だと思うんですよ。祭りじゃないですか。お祭りって、魂の救済だよな、って思うんです」

及川光博ワンマンショーツアー2021「SOUL TRAVELER」大宮公演より

もちろん全文ではないし、だいぶ前段(と最後の言葉)を端折ってるので、あくまでも勝手な解釈で想起した…くらいで受け取って頂ければと思うのだが、とにかくこの時の言葉を思い出した。

今回繰り広げられた色々な場面やそれに対する反応の賑やかさ自体がもはや“祭り”のようなものであり。そしてそんなひとつの世界を共有して、それを通して様々な人が泣いて笑って、夢をかなえて、幸せ感じていて。まさにそういうことだよな、と。

そして、これだけ皆を幸せにしてるなら、それはそれでいいじゃない。それを成し遂げてるだけでも凄いこと。私はその輪の中には入れないかもしれないけど、それをそっと見つめつつ、心穏やかにいよう。そう思った。


これが今の最終的かつ率直な心境である。※ただし、あくまで現時点での気持ちなので、来週着地を迎えた時にどうなっているかは保証の限りではない。

この写真を見た瞬間にボロボロ泣くほど、大好きだった、思い入れのある作品。だからこそ、思い出は壊されたくない。だからまだ心は許してない。

でも、すべてのわだかまりをひっくり返して溝を埋めてくれるような、そんな着地点であって欲しい。それを万にひとつでも叶えられる可能性は秘められていると信じたい。


決着は、来週水曜日。


***

さて最後に、見出し写真である。

今回の話の一つ大事な鍵となる舞台の劇場版IIのコラボカフェで撮った写真、だけであると見せかけて、実は背景に見える橋が劇場版Iの舞台、「晴海大橋」なのだ(実際の名前は違うけど)。

この劇場版IIの公開からまさに13年。

当時、きっと初期からのファンであれば一度は夢見たことのある場面が実現するとは、登場した時の神戸尊の願いが(本編上で)叶う日が来るとは誰も思っていなかっただろう。

この日まで繋げてきたすべての人に感謝を。

そして、その繋げるための確固たる礎を築いた功労者であることに異論はないであろう2代目に敬意を。

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