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あと何年、おなじ正月を過ごせるだろうか

34歳。
何度目になるか分からない正月の実家帰省を終え、東京の家へ戻る電車の暖房が効きすぎてじんわりと汗をかく。

この歳になって感じる帰省の感想といえば、老い。でしかない。

祖父母は身体が小さくなり、長い時間の外出もままならない。人間として弱っていく姿に、あと何回会えるだろうか。胸がちくりとする。

永遠に同じ見た目だと思われた両親は、自分に子供がいたらおじいちゃんおばあちゃんに見えるだろう。はつらつとした若々しさはなく、過去反抗期の自分に浴びせられた罵声は流れていき、白髪や皺を纏いながらも自分の身体を心配するその変わらない瞳に愛おしさと哀しさを感じる。

父は今の自分の年でとっくに父親になっていた。過去のアルバムを見返して、自分がいかに大切に育てられたかを実感する。仕事をしながら子供を育てることが未だ考えられない自分は、いつまで甘えた子供のままなのだろうか。

たくさんのお土産を持たされ最寄駅が近づく電車の中、自分がこの先どう生きるべきなのか、何をしたらいいのか見えない果てしない霧の中を、重たく見据えて気分が沈んでいく。

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