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依頼された仕事には、ひと工夫加えよう。

「もしもし?GenZeeさんですか?ご無沙汰です。◯◯です。」

聞き覚えのある可愛い声だ。

前職の会社のマドンナ的存在だった、同期の女性からだ♪

既に転職をして、プログラマーから職種変更し、営業として仕事をしていたGenZeeの元に、どうやって調べたのか、外電が入った。

(今更、告白かな? 婚約してるんですけど・・参ったな・・。)

という話では全然なかった。

後任開発者向けの注釈コメントを大量に残しておいた

話を聞くと、もう5年以上前にGenZeeが担当をして開発した、某研究機関の監視システムに関して相談があるとのこと。

その後不具合もなく、お客様は満足して使用続けてきたが、OS (OS/2)と開発言語 (C) が古いので、抜本から次世代ベース (Windows, C++)に切り替えるプロジェクトが始まったんだと。GenZeeが書いたコードの解析はほぼ終わって、およそ目処は立ったが、一点だけ、Xという関数のYという変数の使い方が分からない。それって、今教えてもらうことできますか?と。

周辺の関数の名称、注釈コメントを読み上げてもらっているうちに、鮮明にソースコードが頭に浮かんできた。そして、その関数がどういう役割をしていて、変数はどうやって使うんだ、的なことを電話口で解説してあげたところ、コードを読みながら聞いていた彼女は、「あ!理解できました!」と。一気に前に進みそうだ、とのこと。自分でもよく思い出せるな、と感心しつつ、一件落着。

その電話口で、彼女から、こんなお礼と伝言が。

✅ ソースコードが読み易くて解析が楽だったわ♪
✅ 要所で丁寧に注釈コメントが書かれていてすごく助かったわ♪
✅ 頻繁に使う処理が関数化されていて他でも活かせそうよ♪
✅ このグラフィカルなUI、お客様が凄く気に入ってて、移植後も変えないで、とおっしゃってるわよ♫

マドンナから仕事を見直されたのも嬉しいが、後任エンジニアから、分かりやすいプログラムだと言われたこと、そしてお客様が何年も経っても満足して使っていただいていたこと、が何よりも嬉しかった。


料理には、ひと味加えよう。 仕事には、ひと工夫加えよう。

実はこの裏には、”受けた仕事は、求められたこと以上のひと工夫をしよう”、とGenZeeが心掛けていたことが、この成果につながっていました。

GenZee、仕事のプログラミングは芸術ではなく、工芸品、と思って書いていました。 結果動けばいい、ではダメ。 難解で理解し難いのはだめ。 将来、拡張、転用、応用ができるためにも、分かり易く、を心掛けたのです。 手間はかかっても、しっかりした注釈コメントを残す、ことが大事だと思って。

そして、今でいうアジャイル開発に似てると思うが、なるべく機能毎に関数化しておくと、コード全体が小さくもなるし、バグが生じ難いし、他のプロジェクトでも流用易い。 実は、このプロジェクトで利用した関数の一部は、ボヤ騒動を起こした最初のプロジェクト(↓こちら)で、開発スピードを早めるために自主的に作った関数群だったのです。その時も、先輩方に重宝されて喜ばれました。


そしてまた、お客様に喜ばれた ”グラフィカルなUI” というのは、当初の要求仕様には無かったものでした。数字がモニターにゾロゾロと流れるような仕様になっていたものを、自分で作った関数群を活用して視覚的に分かり易いものに変えてプロトタイプを作ってみたところ、お客様採用された、という自信作でした。ちなみに、全て90年代の話。

ずいぶんと古い回顧録が長く続いてしまいましたが・・要するに、

手間を惜しまずひと工夫加えると、後で楽になる。

あまりにも古い話、昔のプログラマーしか共感できないような、老兵の話になってしまいました。が、ひと工夫を加えることのメリットは、現代の世の中、コロナ禍のリモートワークでも、エンジニアじゃない職業の人にも、通じるのではないでしょうか?

料理に調味料でひと味足すと、更に美味しいくなります。同様に、仕事にひと工夫加えると、お客様や社内に、更に喜ばれます。そして、それが、後々のキャリアアップに、つながることも、あるのです。

今日から、”期待を超えるひと工夫” を心掛けてみましょう。

以上、老兵の 『実戦!キャリアアップ ノート』、 "足軽編"、でした。

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