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【交渉術】沈黙を効果的なツールとして使う5つのシーン

交渉とは、沈黙さえも武器にする技術である。

「ビジネス開発」という仕事は、新規の業務提携提案先企業や、既存のパートナー企業と交渉する機会が、その経験を活かせる主な場になります。

また、どんな職種であれ、ビジネスパーソンには、交渉、という話し合いの機会は必ずあります。読者のあなたもそんなお一人でしょうか。

では、あなたは、

✔スムーズにプレゼンをできますか?

✔相手の話を注意深く聞きますか?

✔自信を持ってはっきりと説明や回答をしていますか?

✔議論の最中にも熟考していますか?

noteの読者であるあなたの答えは、「はい」が多いでしょう。


では、別の質問。

交渉中に、”沈黙”を効果的に使ったり、読んだり、していますか?

まだ経験が浅い交渉人は、多くのことをしゃべりがちとなります。一方的な会話をしがちで、頭にあることは簡単に読まれてしまいます。

一方、場数を多く踏んできた、経験豊富なベテラン交渉人は、緊張した交渉テーブルにおける一つのツール、もしくは武器として、”沈黙”を効果的に活用するものです。

”沈黙” を交渉ツールと捉えれば、次のように活用することができます。

沈黙 活用シーン その1

充分に熟考した結果であること、"深く考えていること" を示す。

特に、相手にとっては厳しいメッセージ、または、これが一番大事な提案ポイントです、ということを伝えようとしている時に有効です。逆に、沈黙時間無く早口で伝えると、重要なメッセージである、という重みが伝わりません。

沈黙 活用シーン その2

今、とても深く "考えているふり" をする。

頭の中には、既に答えははっきりとあるけれども、一応考えたふり、をしたい時に有効です。どれだけ嘆願されても答えは変わらない、という状況の時に、相手の逆提案に対して、様々なシミュレーションをしているんだ、ということを言外に伝えることができます。が、結果、当初の回答から変更はない、と答えるのですが、長い沈黙の後のため、諦めるしかないというムードを演出する事ができます。

沈黙 活用シーン その3

交渉相手に、"深く考える時間的余裕" を与える。

相手方にキーとなる条件を提示した直後、熟考させたい時に有効です。特に交渉テーブルの現場で、急遽出した代替え提案、などを提示した場合、相手もそれを検討する時間が必要です。そこでは、自信のある提案だからと、話をまくしたてるよりも、考える間を与えた方が、むしろ、今度はあなたが決める番ですよ、という言外のプレッシャーを与えることにもなる。

沈黙 活用シーン その4

"これ以上検討の余地がないこと” を空気で相手方に伝える。

相手からの条件に対して ”ノー”と言った後、などに使い、プレッシャーをかけたい時に有効です。「いいえ、できません。なぜならば、ブラブラブラ」と、話を長く続けると、焦りが伝わるし、言い訳のように聞こえます。むしろ、「それは残念ながらノーですね。」「・・・・・」でそれ以上の話はない、というメッセージを伝える方がはっきりと伝わります。

沈黙 活用シーン その5

自分自身が、”冷静になる時間を作る" ため。

感情的になってきたな、と感じたときに、それを悟られないように気を付けながら、”間”を取りたい時に有効です。1~4で有利に話を進めようとしても、やはり交渉の戦いの場はそう簡単ではない。か~っとなりそうなこともあるし、内心、こりゃ厳しい~!と、降参しそうなこともあります。そんな時は、その心臓の鼓動を抑え、汗を引くために、沈黙してみましょう。そーっと深呼吸をしてみましょう。形成逆転の案が浮かぶかもしれません。

アルパチーノ

二人のベテランが交渉テーブルに着いたとき、これらのような、”様々な含みを持つ沈黙” というシーンがたくさんあります。多くの場合、より多く沈黙を破った側が、もう一方との交渉ゲームに負ける、という傾向があります。(それはさながらヤクザ映画、マフィア映画のワンシーンのよう)

もちろん、国や業界が異なれば、”沈黙”の意味するところの違いや効果の程度に差はあることでしょう。しかし、沈黙にもメッセージを込めることができる、ということを念頭に置いてテーブルにつくことは、万国共通、プロの交渉人としての重要な心得となります。また、違う職業の人にとっても、これはきっと役に立つと思います。

交渉とは、さながら心理ゲームのようなものなのです。

ちなみにGenZeeは、これらの5つ全て、仕事では散々使ってきたワザなんですが、家庭内ではいまだに活用できていません。すぐこっちからしゃべっちゃいます。😅

以上、ここまでお読みいただきありがとうございました。
老兵の「実戦!キャリアアップ ノート」”侍編”

「交渉術の12の基本ルール」については、こちらを参照。↓↓



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