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CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと⑨

いい加減飽きてきたと思いますが、もう毎回でも繰り返しますよ。CCUSの第一目的は建設作業者の年収アップ・処遇改善です。

今回は10.多重下請構造についてです。連載記事数で⑨とは随分頑張ったもんだよ。自画自賛はさておき、重層下請構造 これも普遍的なテーマですね。いつからこんな難しい言葉ができたのか定かではありませんが一般化したのはCCUSがきっかけだと思います。

重層下請構造自体はCCUSとは本来全く別の問題なのですが、まさに大風呂敷1枚に何もかも取り込んで処遇改善に結びつけたかったのでしょう。特に賃金においては下請次数が少ないに越したことはありません。

建築、土木による下請構造には若干の違いがあります。それは建築には設備や内装という工程が存在するので下請と呼ばれていても専門工事業者を指す場合が多いですよね。例えば左官屋さんが左官屋さんを下請けに持つなんてことはまずありません。


さて重層下請問題の本質とは何でしょうか。

元請けが工事の全てを行えば元請だけの利益を確保すればいいことはわかりますよね。ということは、下請けの数が増えれば増えるほど確保したい利益がそれぞれに発生しますから、孫請け、ひ孫請となるにつれて利益を優先するか他の費用を圧縮するかしか選択肢がなくなります。最悪利益も人件費も材料費も圧縮することになり、会社も個人も利益なしで粗悪な工事が横行することになりかねません。これでは元請け以外誰も幸せになりません。

ではなぜ下請けに出すのか。いくつかの理由が考えられます。

元請けは監督、施工管理に集中するため実施工を下請けにお願いする
元請け傘下の協力会社にまんべんなく仕事を割り振るため(人工の調整を担う下請けの確保)
入札は企業規模に応じて行われるため、企業規模が小さいが故に下請けは入札参加できる元請けを頼らざるを得ない

公共工事では企業規模、例えば資本金や従業員数、施工可能な工種、過去の工事実績などがそろう程高額で複雑な工事を受注できる機会が増えるようになっています。

逆をいうと小規模で実績がないと元請けになれない。盤石な資本金のピラミッドがあるので入札すら参加できません。ですが小規模事業者が大型工事を完成させられない、資本金規模など経審の点数が高ければ信用が高いのかというとそれは決して正しくはありません。およそのランク付けはされても指名競争入札ができない現在、一般競争入札ならばどこが落札してもいいはず。単純に工事金額の問題だからです。まして履行保証もありますから、きちんと完成させれば以降、元請けになれるかもしれません。上請というケースもありますし、大企業元請けだから手抜き工事をしないかというともはや絵空事です。

直近でも重層下請構造が直接の原因で驚くべき事例がありましたね。千曲川河川護岸工事の大規模手抜き、いやあれは竣工検査時に一部のみ図面どおりだったいうレベルです。(この件についてはしつこく追跡してます。 1月からやり直しを始めて、出水期にあたる6月上旬までに完成させるはずでしたが6月27日でこのとおり… 7月1日のTwitterどうぞ


上の例は元請下請という話にとどまらず発注者の責任も相当にあるのですが、今回の重層下請というテーマとしては絶好の反面教師的事例なので引き続き注目していく予定です。さすがに7月末現在は完成しているはずですが、極力隠そう隠そうとしているのが丸わかりなのでなかなか検索に引っかかりません。新しい事実に手が届いたらこちらも報告したいと思います)

あたり前にコツコツ仕事をこなせば下剋上は可能なので、発注者の英断ときめ細やかな施工管理など、低いハードルではありませんが時には元請けでやってみてもいいのではというお話です。

若干飛躍したのでもう少し現実に引き寄せてみます。重層(イメージは3次以上)構造の解消に向けて、国の考えも併せて現行の延長でできることに何があるかを考えてみましょう。難しくては達成できませんから。

国土交通省 重層下請構造の改善に向けた取組について 中建審・社整審基本問題小委員会中間とりまとめ(H28/6)


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冒頭部分を紹介するだけで長い。読み込むと必要十分な内容ではありますが。

私が思う中建審の結論はここ⇩

(2)専門工事業者が中核的な技能労働者を雇用しやすい環境整備
下位の下請段階に見られる労務提供を行う下請の重層化を抑制し、技能者の就労環境の改善や、不安定な就労形態の改善を図るため、1次や2次
の専門工事業者が中核的な技能労働者を社員として雇用しやすい環境整備を図ることが必要である。

このため、公共工事の施工時期等の平準化、繁閑調整のための環境整備、建設キャリアアップシステムの整備、社会保険未加入対策の徹底を実施
する必要がある。

注目点は、すべて発注者側が対応すべきであるところ。下請は致し方ないがなんとか2次までにしたい。施工時期は平準化する。繁閑調整する。CCUSを整備する。社保加入を徹底する。

まあ、筋はとおってますよ。でも⑧までの内容でお判りいただけていると思いますが、社保以外ほとんどできていません。

これ結局どういうことかというと、カッコいいこといってますが国交省に任せていてもだめだってことです。業界が身を切っていかないと進まないってことです。身を切るとは今まで確保していた利益を削る、あるいは機械化、DX化を進めることによって利益を生み出すってことですし、これがやり易いのはスーパー、サブゼネコンが先導してくれないといけないということ。もちろん小規模企業がやらないでいいという話ではありません。利幅が増えないと設備投資ややる気の出る給料がもらえないので、できるだけ上流から進めるべきだと思うからです。できるところはすぐにでも始めてください。生き残る、あるいは上位請になり粗利が増える可能性もグッと増します。


個別の取り組みを見てみましょう。

皆さんご存じのとおりこの話は相当前からいわれていたことで、5年前の記事を紹介します。

日刊建設込業新聞 2016年11月7日1面

この時点では、もっぱら社保加入率の低さを改善するべきとしていますが、現在1次2次での加入率は90%を超えていますので立派なものです。反作用として偽装一人親方が槍玉に挙げられていますが遠からず解消するでしょう。


さて、同時期から下請次数の見直しに積極的に取り組んでいたのが業界の雄、鹿島建設です。2015-11-29のブログですが、グループ会社化や多能工育成など先取りがさすがです。ただ、業界全体として行きわたるには限界もあったでしょう。問題は未だ解消していません。

しかし、着々とことは進めていました。ここでもSDGs、サスティナビリティ強いですね!とりあえずSDGsっていえばなんかかっこいい感じでしょ?流行には乗った方がいいですしはっきりいっておカネがあるほうが何かと取り組めるので、おカネを持っている会社は宣伝費と思ってどんどんやってください。

趣旨としては、多重下請にはデメリットが多いということですね。

(3)選定やリスク管理等の基礎となる協力会社情報の整備・活用等 c.一般的に、労働災害の発生・コストアップの要因とも考えられている重層下請構造を把握(施工体制台帳の整備等による)し、安全・調達面から情報の活用を促進するとともに、一次下請業者の役割・責任を明確化して二次以下への管理の徹底を図る。

自動車産業でいうところのケイレツに似てます。事実上のグループ化することで利益配分が今までより健全化するし、人工の調整もやり易い。ただコストの要求が厳しくなる要素も含みますね。元請けが社会保険を2次下請けまで対応したりと、そのインセンティブは結構画期的です。1次下請けのインフレーションや業務負担が大きくなる感じはしますが、ケイレツで交互に回すことも考えられるので明日の仕事や人工の手配に苦慮するよりはずっといいかもしれません。必然的に多能工化も進むと考えられます。

言わずもがなですが、スーパーゼネコン・元請けの負荷は今までの比ではありません。DXなどを含め、資本力もすべて使ってできることはすべてやる位の変革が求められます。ついでに年収の見直しもお願いしたいところ。


また、こんな発信もしています。

2)主職系協力会社に対する自助努力・後継者育成等の啓蒙
発展性(自助努力)の見られない協力会社については、優勝劣敗の観点から発注機会を減少させ、当社への依存度を減らす方向に誘導(自然淘汰)する。

怖っ! 

鹿島は2023/4から原則2次下請けまで、と業界筋からの情報。


面白いのはこちらもそうなんですが、2020年10月20日に大成建設社長就任直後の相川氏のインタビュー、続く2021年7月末でも全く同じことを言っています。一貫してますね相当な覚悟です。事実上のグループ会社である大和ハウスは物流センター事業で圧倒的なシェアを握っていますし、個人的には鹿島ケイレツを丸ごと買収すれば面白いんじゃないと思ってます。他人事なので気楽にいってますが。無いとも言い切れない。


引用:――ゼネコン界を取り巻く環境は楽観視できません。これまでは比較的再編とは無縁の業界でしたが、状況が変わったのではないでしょうか。
年間の建設投資が約60兆円のパイの中で、約47万社が存在している。会社の数が多すぎる。業界再編は本気で取り組んでいかなければならない問題だ。たくさん会社があっても今までは何とかやっていけたが、もはやそういう時代ではない。
大成建設がトップを切って業界再編を主導していかなければならない。異業種も含めて、M&Aや業務提携が必要だと思う。

だそうですよ。投資額や産業関連人口が建設業ととても近い自動車産業は2.5万社なのですが、圧倒的に中小規模で占められ、ライン生産できないマスの大きな一品ものも多い建設業において私は47万社が多過ぎるとは全く思いません。多い時で60万社くらいだったかな?この二十年で相当数それこそ淘汰されて減っていますからね。そもそも何をもって会社の数を測るのか全く分かりませんし、比べる性質のものではないと思います。今後内燃機関から電気‣水素といった代替エネルギーへとその構造が物理的にドラスティックな変換を余儀なくされる自動車業界とは全く比較はできないし、仮に再編後20万社になったとして、賃金だけでなく以前より豊かで希望の持てる業界になっていることが絶対条件です。そこにはスーパーゼネコンの身を切る程の理念が必須で、それがなければ全くの無駄です。お坊ちゃまの本気がどこまでかじっくり見極めてやりたいですね。


下請工種といえば、最近ようやく実態がわかってきた「型わく工」があります。というか今回は型わく工の実態を書きたくて始めたようなものです。公共事業労務費調査や積算でさんざん見聞きしてきたのにとてつもなく大事なことを見落としていて、過去の自分をぶん殴りたいですね。説明の前に公共発注側の職種定義を確認しましょう。

まず、公共事業労務費調査における「型わく工」の定義

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同じく、「型わく工」が取得できる資格一覧

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建設キャリアアップシステム(CCUS)の能力評価システムによるレベル基準

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※難しい仕事ほどできる人に集中し、単価は変わらないという謎ルールに絞る

公共事業労務費調査とCCUSで資格要件に差があるのがまず問題です。この様な例は他の職種でも存在しますが、公共事業労務費調査の調査票ではカードの有無とレベル色別の記入をしますので、CCUSカードを優先することになります。レベルの判定についてもいいたいことは沢山あるのですが、切りがないのでまたの機会に。

もともと型わく工さんと左官工さんの高い技術には個人的に思い入れがあり設計労務単価も合わない(技能に対して安い)と感じていました。調査会場で調査票を精査しているときは変わった印象はなかったのですが、Twitter等のSNSで職種別の日額や労働条件を目にする機会も増え、調査時のヒアリングや机上では気付かなかったことがわかってきました。

では見落としていた大事なこととはどんなことか。見落としていたというよりは考えもつかないというのが正しいと思います。型わく工すべてがそうだとまでは言いません。満足されている方は声を上げていないのかも知れません。不満でも沈黙しているのかもしれません。ただこの世界でサイレントマジョリティーは居ないのと同じです。私の耳に届いた個別の何名かの実態を元にしていることはご了承ください。

設計労務単価は統計により導かれますので掲載値より高い場合低い場合がありますが、昨今の型わく工日額 個別の実勢単価は驚くほど安いことがあるのです。例えば一万円を切ったり。請負単位は通常㎡で材料・手間込みです。ここからが驚きなのですが、作業道具、型枠を組む際に必ず必要なPコンなどがなんと自分持ち!バカにならない量と金額です。様々な道具だって自分好みに辿りつくまでには何種類も買って試すことでしょう。


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さらにですよ、曲面やRC造のらせん階段など意匠性が高く最高難易度の案件程敬遠され、結果できる人に回ってくるにもかかわらず単価は四角四面の単純な場合と同じだそうです。まさに名誉のみの請け。難易度と賃金が比例しないという例は殆ど聞いたことがありませんよ。唯一例外なのは、有名建築家のお付きの職人チーム。この場合は建築家側に腕を見込まれオファーが来るようです。この場合は当然単価は跳ね上がります。でもいくらかは不明。で、比例しない謎の商習慣が30年以上続いているのだそう。一般的に道具類や材料といった会社経費のほうが節税や福利厚生で有利なものまで個人負担。会社からの助成金もほとんどなし。


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一番わかりやすい例でRC造だったとしましょう。作業の流れはこんな感じ。

鉄筋工 鉄筋組付け

型わく工 必要に応じ特殊な形状に作成したうえで型わく設置 耐圧を考慮した単管パイプ設置 前工程の鉄筋の不備を調整しつつ溶接する場合も 後工程のコンクリート工は時間との勝負なので打設開始時間厳守を常に意識しつつ作業 

コンクリート工 生コン打設 天候・時間との勝負  養生期間

⇩ ときに合番※

ここで再び型わく工 脱型 簡易な表面補修が必要な場合左官工や監督に指示 型わく代高騰の折、作業場に持ち帰り釘抜きや清掃等手入れをしてなるべく再利用 

つまり型わく工は、前後の工程に影響されることが多い故にそれらの技術的内容もそこそこ知っていなければなりません。もしかすると鉄筋工とコンクリート工さんは型わく工の作業内容をさほど知らなくても良いかもしれない。そこは現場監督の力量にもよるかもしれません。 結果、型わく工が配筋の一部を溶接したり、品質の悪い生コン打設によりその部分の型わくを一度解体しなければならなかったり。常に自分のタイミングで仕事が進めらるように工程管理しつつ不測の事態にも対応しなければならない。その際十分な日数が確保できないこともあるでしょう。まさに板挟みってやつ。

同様なケースは決して型わく工だけではないのは承知しています。クロス屋さんなどで作業現場に到着したら下地の状態が最悪だったりということもあるでしょう。積算どおりにはいかないケースは結構ありそう。

どんな工種でも構いません。行ってみたらこんなだった(怒)(驚)って例を差し支えない範囲で写真と一緒に当研究所メールアドレスまで送ってください。実際の事例が歩掛や施工費を変えるきっかけになるかもしれませんよ。

実は私、合番って知らなかったので自分用にメモ。


※相番 合番(あいばん)とは、ある工事をする際、間接的に関係のある職種の人間が施工時に立ち会うこと。例えばコンクリート打設の際、メイン業者がポンプ工・土工・土間工なのに対し電工や設備工、型枠大工、鉄筋工などが立ち会う事を合番という。ただし、立ち会うだけではなくて実際には多少の手伝いをさせられることが当たり前になっており、合番を非常に嫌う職人も多い。また、コンクリート打設時には、電工、設備工が合番に駆り出させられるが、型枠大工、鉄筋工は立ち会わないことが多い(ある調査によると工事の95%で立ち会っているとのデータもあり:トムロ追記)。これは、電工、設備工が開口と呼ばれるケーブルラックや配管、ダクトの通り道を、コンクリートで埋められないように型枠やボイド管などをあらかじめ施工しておくが、コンクリート打設の施工ミスにより開口がコンクリートが埋まってしまうことを防ぐという意味合いが強い。開口などを点検しない時には打設用バイブレーターのケーブル持ちや電源のオン・オフを行うなどの手伝いをさせられる。
なお、一部の施工業者や職人、職工の間では、合番(あいばん)のことを「相番」と表記する慣習がある。(とくに作業予定表や日報などの報告書など)これは「合番(あいばん)」自体がそもそも「相手の都合に合わせて番をしている仕事(=現場立会い)」という色が濃くでているため「単に合わせてるだけなのは仕事ではない」という職人の確固たる理念に反し、これを「関連する相手の番をする。具体的には、相手側の施工都合で現場立会いも兼ねて、施工中に何か不測の事態が起きたら場合は、その場で迅速に対応することができるよう、そばで待機している仕事」という解釈の下、あえて「相番」と表記しているケースもある。


現在、型わく工は材料や労務費の歩掛による積み上げではなく、市場単価という材工共の㎡単価として運用されています。ここに含まれている材料や作業内容を細かく確認してみましょう。

市場単価方式の過去・現在・未来

一社)日本建設業連合会 建築本部制度委員会 積算部


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危惧していた費用はPコンなど材料の一部、道具代は除きすべて含まれています。Pコン、道具類は通常は会社が経費で用意すると考えられます。

直近の型わく工市場単価を確認してみます。

(一財)建設物価調査会 2021年6月調査 東京
建築工事費主要細目動向

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規格・仕様によって材料、手間が大きく変わるので標準的な条件で4,750円/㎡でした。日当水準から計算すると頑張って一人4㎡位でしょうか。もっとできる気がしますね。ということは日当が安いということです。


参考にYouTubeで見つけた釘仕舞い動画です。型わくの再利用にしても次の仕上がりに影響するため針仕舞いといわれるこの工程だけでも一枚当たり10分程度かかっています。こびり付き硬化したコンクリートを斫ることもあればもっと時間がかかります。木材資源のSDGsつまりこれら再利用する為の手間、仕分け後に出る廃材の処理費、再利用する為の運搬費等が掛かっています。



いかがでしょうか。SNSで知りうる限りはどの職種も十分な賃金ではありません。もちろん満足しているかたもいますが、そういうかたは書き込まない傾向があるのはご理解いただけると思います。その中でも型わく工は極めて特殊なの環境にあります。にもかかわらず理解の不足もあって異常に安い単価で取引されています。とにかく実態が知られていないと強く感じます。発注者の目にも届けたくて書いています。極めて理想的な歩掛や他職種との商習慣の違いを考慮せず積算することは型わく工の成り手を加速度的に減らすでしょう。業団体の積極的な発信も強く求めたいところです。1日も早く官民ともに知って欲しいですね。


さてここで話は再びCCUSに戻ります。型わく工はかなり特殊な業態ということがわかりましたが多少の差こそあれ、どの職種でも起こっていることです。このままでCCUSが掲げる様な年収が期待できるのでしょうか。実績を登録して色付きのカードを貰うとその瞬間から年収が上がるのでしょうか。直近のCCUS資料で歩掛や施工実態についての事実を確認した国交省の資料は一度も目にしたことはありません。年収アップに根拠を求めたけれど全く見つからないということです。私には社会保険などのコンプライアンスが最優先で、現場で今起きていることをおざなりにしたまま突っ走っていると強く感じますが皆さんの印象はどうでしょうか。

また、CCUSの重要な一角をなす外国人労働者ですが、私は大変懐疑的です。理由の第一に技能実習生では入国管理上、基本3年と滞在期間が短かすぎる。特定技能外国人は5年以上可能ですが、そもそも人数がゼロに等しい。さらにで解明しましたが入国と滞在にかかる経費がかかりすぎて、日本人と同等の賃金を補償する以上のサンクコストが必要です。また、技能実習制度の趣旨は自国に戻って身に着けた技術を生かすことにあるのですが、どうやらそうはなっておらず、日本国としてもそれを確認するつもりはさらさら無いようです。これでは単なる労働力の搾取です。大義など飾り、それが本心なんでしょうね。詭弁もいいところ。

フォロワーさんに教えていただいた記事です。厳密に習得した技術を本国で生かしている可能性はゼロではありませんがこれが実態です。

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日本側の中途半端な制度と人権無視には怒りを感じますが、外国人労働者自体を否定するつもりはこれっぽっちもありません。むしろ、ここにかかる費用をまずは日本人の若手の賃金として入職を促し、技術を身につけてもらうことに使った方が合理的だと思います。もちろん現役のかたにもです。

何より、型わく工が減少し技術が低下すれば日本のRC造、SRC造は一切建たなくなります。3Dプリンタで建てられるのはせいぜい平屋の住宅程度ですよ。


最後のとどめ、ドーン!RC,SRC造について大きな影響を及ぼすであろう「特定専門工事の一括管理施工制度」をご存じでしょうか。

「建設工事の適正な施工を確保するための建設業法 (令和3.3版)」


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鉄筋、型枠に限り2次下請けに責任者が不要になったのですが、それは下請が2次までに制限されるということにどれだけのかたが考え及んでいるでしょう。鉄筋工、型わく工が最重要職種になるのは明らかです。すると何が起こりますか?2次請が最低条件になりますので今の賃金ではあり得なくなるということです。もっと具体的にいうと賃金が上がらなければおかしいということです。大成、鹿島さんよろしく頼みますよ。はっきり言えませんが更なる構想もあるようですのでね。まさか全員外国人にするつもりじゃないでしょうね?

ところで、これ発注者でも知らない人99(%)じゃね⁇


さて、これらより私は型わく工を主とした賃金と処遇に関しての闘争を宣言します。まずは全国型わく業工業協会会長であり、未だに信じられんのですがJAC(その⑧をご覧ください)の理事長でもある三野輪氏にこのnoteを要約したメールをお送りします。送った内容はTwitterで公開しますね(決して個人を批判する内容ではありません)。あわせてネットメディアに寄稿させていただく所存です。メディアの皆様におかれましては煙たがらずどうぞ書面に目を通すだけで結構。まずは知っていただくところから何卒よろしくお願いいたします。

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怒られそう💧


今回のCCUS大風呂敷はどう感じましたか?畳むべきと広げるべきと両方ですかね。

次回は、、、、連載企画はこれで終了の予定。 闘争体制に入るので皆さん、私の屍を越えていってください。CCUSはまだまだ話題を提供してくれるでしょうからnoteでは近いうちにまたお会いするはず。リライトしないといけないところもあるし(長い目で見てね)。CCUSに関することはTwitterで日々発信していきます。

じゃまた!



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