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#07.いきなりA級難易度⁉︎「生姜」

2018年4月28日
誰にでも好き嫌いがあると思う。特に食べ物の事なら尚更のことだ。

家庭菜園においてはどうしても好きな野菜は立派に作りたいし、それだけたくさん勉強するから実際に上手く出来ることが多い。逆もまた然りだと思う。

しかし、田舎暮らしを4年ほどして、細々と家庭菜園に手を出し続けてきた私には“好きなのに作ったことがない野菜”がいくつかある。今回挑戦する『生姜』もそのうちの1つだ。

普段、畑に植えようと思う作物に関してはネットや本で情報を集めて、ある程度は勉強する。勉強中にご近所さんと立ち話にでもなれば、作ったことがあるかを聞いて参考にさせてもらっている。

これまで生姜を避け続けてきたのは「立派な生姜を作ったことがあるよ」というご近所さんに出会ったことが一度もないからだ。中でも笑ってしまった失敗談はお隣さんのものだった。

お隣のお母さんは、生姜を植えて葉っぱが育ったので、とりあえず一通り葉生姜を楽しんだらしい。
ただ、時期になって葉が落ちたので掘り出してみたら、新しい生姜が1つも出来ておらず、出てきたタネ生姜をそのまま食べる羽目になったのだとか。

ある意味、タダで葉生姜だけはギリギリ楽しめたらしい。タネとして売ってる生姜って食べていいんだろうか…?

ネットの情報ならば、家庭菜園でも生姜をキチンと収穫している方は沢山いる。全国的に見れば生姜の生育難易度はそこまで高くない。にも関わらずご近所に成功例が極端に少ないとなれば、これは私の住む地域の気候が生姜作りに酷く適さないと考えるのが普通だと思う。

産業として作物を生産する場合、施設や機械を使って条件を整え、ゴリ押しで生育環境を作ることもある。季節や環境に合わないということは供給が少ないということだし、利益を見込めるケースもあるだろう。クリスマスのケーキ用にと、真冬にイチゴが出回るのが代表例だ。

しかし家庭菜園においては、その地域の環境に合わない作物を作るのは基本的にやめた方がいい。手間もコストもかかるし、今の日本ならスーパーで野菜は買える。生姜なんて特別珍しいものでもないし、普段から大量に必要なものでもないからだ。

今回はそんな生姜に挑戦してみた。やりたきゃやればいいじゃん。をポジティブに解釈して好きにできるのも家庭菜園の魅力なのだから。

生姜は元々暑い地方の植物らしい。水はけの良い場所を好むが、一方で生育には多くの水を要する。どないやねん。

その上、気温や地温は高い場所を好むが、直射日光が苦手で半日陰の環境が適しているらしい。どないやねん。

滅茶苦茶に暑い地方の日陰で、水のはける砂地にスコール的な雨が何度も降る場所が最高という事だ。

標高の高い山中で、粘土質の畑が多い地域で成功例が少ないのも頷ける話だった。生姜用に土を作らないと厳しそうだが、生姜は連作障害に弱く、一度作ったら同じ場所では4年ほどは生育不良を起こしやすい。そりゃ誰も作らない訳だ。

開墾農園の隅に、いつまでも乾かない場所があった。敷地内の小川から水が染み出しているようだ。ここに勳炭と砂を混ぜ込んだ土を使って高めの畝を立てた。

タネ生姜。コレをこのまま食べる日が来ないことを祈るばかりである。


畝は高さ35cmほど。かなりの高畝に生姜を植える。タネとタネの間に発酵鶏糞を一握りずつ落としこんだ。

高畝で水はけを良くしつつ、小川からのオート潅水で水分量を維持する作戦にしてみた。後は温度だが、こちらへの工夫は芽が出てからになる。

ご近所さんに「生姜植えてみました」と話す度に、今だに失敗談が集まり続けているが気にしない。ダメだったならダメだったで、畑を中心にした話のタネになる。

畑にも精神的にも、これくらいの予防線が必要だと思う。

#農業 #家庭菜園 #田舎暮らし #生姜


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