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『稲盛和夫一日一言』 7/2(日)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 7/2(日)は、「日々懸命に」です。

ポイント:人格を練り、魂を磨くのに、何も特別な修行が必要なわけではない。この俗なる世界では、日々懸命に働くことこそが何よりも大事なこと。

 2011年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅡ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究部編/非売品)の中で、日々懸命に働くことの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 心を高める方法として、座禅や瞑想などの精神修養があります。厳しい心の鍛錬によって魂を磨き、心を高めていくのですが、それは一心不乱に仕事に打ち込むことと同じことです。
 私たちにとっては、精魂を込めて一生懸命に働くということが、魂を磨き、心を高める一番の方法なのです。

 勤勉に働くことは、怠けたいとか、遊びたいといった自己の欲望を抑えることにつながり、結果としてそれが人間の心を鍛え、高めることになります。働くという行為には、単に報酬を得るということばかりではない、そうした重要な意義があるのです。

 人間の心の大部分は、低次元の自我で占められています。
「小人(しょうじん)閑居(かんきょ)して不善を為す」という言葉があるように、少し暇があっただけでろくでもないことを考えてしまうわけです。ですから、いくら自分自身で心に磨きをかけようと思っても、暇も余裕もある状態では、なかなか磨けるものではありません。

 私は、そうした自我が出る間もないくらい、ほぼ強制的に朝から晩まで忙しく働かざるを得なかったため、自我がどんどんすり減らされて、少しはマシな人間になったのではないかと思っています。つまり、嫌々でも働き続けたことによって、自我を抑えつけることができたのです。

 真面目に一生懸命仕事をすることは、修行僧が修行三昧で心を高めていくことと似ています。一生懸命仕事をすることで、悟りの境地にまでは至らないにしても、少しでも真我に近づくことができます。

 私たちは、生涯を通じて一芸に打ち込んでこられた方々が、心を高め、素晴らしい人間性を持っておられる例をたくさん知っています。
 一つのことに精魂込めて打ち込んで仕事をするということが、人間性を高めることにつながっているのだと実感できるのではないでしょうか。


 一生懸命に仕事をしていくということは、一面ではしんどいことであり、周りからもかわいそうに見えて本人もつらい思いをするかもしれませんが、それこそが自身の人間性、人格を高めていくことになるのです。(要約)

 名誉会長は、「自分の仕事を好きになり、天職だと思って精魂込めて取り組むことで心は高められていく」と説かれています。
 その言葉を「その通りだ、懸命に働こう」と素直に受け止めて行動に移せる人と、「いいかげんな言葉にはだまされないぞ、オレをこき使おうと思ってそんな方便を言ってるんだろう」と斜に構えて前に踏み出そうとしない人とでは、当然ながら得られる仕事の成果は違ってきます。

 無条件には信じ切れないけれども、それでもだまされたつもりで頑張ってみるか、と前を向くことができるかどうか。
 「信じる者は救われる」という言葉もあるように、人は疑わずに信じることで、不安な気持ちやマイナスな感情が無くなり、心が楽になるものです。
 自分を見失わず、ひたむきに懸命に諦めずに努力し、自分の信じる道を突き進むことで、次第に成功への道も見えてくるようになるのではないでしょうか。


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