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シンプルに今の自分にできることを選択した“育休”を終えて思うのは「育休を取ってほんとに良かった!」

男性の育児休業取得率は少しずつ増えてきたとはいえ、一定期間仕事を離れることや慣れない家事と育児への不安の声が聞こえてくることも少なくはありません。今回、男性育休についてお話を伺った佐藤さんも炊事に不安を抱いていたひとり。
そんな佐藤パパの奮闘と、それ以上に得た大きな喜びと充実感について、赤裸々に語っていただきました。

佐藤(さとう )
所属:株式会社R.project サービス運営本部 なっぷ事業部 | カスタマーサポート担当
アウトドアメーカーでのキャリアを活かし、「UZD」での中古キャンプギアのバイヤー職を経て、現在はなっぷ事業に所属し、カスタマーサポート業務を担当。
2歳の長女と8月に生まれた0歳の次女、2児のパパとして、2023年9月~10月の育休を取得。いつかこども達と一緒にキャンプに行く日を夢見て過ごしている。


<R.projectグループについて>
合宿事業(株式会社R.project)、キャンプ事業(株式会社Recamp)、BBQ事業(株式会社ヒーロー)を柱に、キャンプ場検索・予約サイト「なっぷ」の運営、アウトドアの力を活用した日本全国の未活用不動産、公園などの活性化、公設キャンプ場のリニューアルを行い、アウトドア体験をより身近に、多くの方に体験いただけるよう展開を行っています。


━━育休取得を決めた理由は?

佐藤:長女が産まれたときに、妻が産後の大変な時期も頑張って家事と育児をしてくれていたのを目の当たりにしていたので、今回はゆっくり過ごして欲しいという想いがありました。2歳になる長女も、一番手がかかる時期だし、一緒に遊んで欲しい時期でもあるので、こども達との時間もたくさん取りたいと思って育休を取ることにしました。

━━育休取得のタイミングは?

佐藤:次女は8月の中旬に産まれたんですけど、妻が産後半月を実家で過ごすことが決まっていたのと、8月はキャンプ場の繁忙期ということもあったので、仕事のサイクルも考慮して、9月から2ヶ月間取得しました。

姉妹

━━育休取得にあたってどのような思いがありましたか?

佐藤:今回は必ず育休を取ろうと決めていたので、育休を取るか取らないかで迷うことはなかったんですけど、期間をどれくらいにするかはよく考えました。産後のサポートとしてどれくらいの期間が適切なのか、また部内の体制や、同僚への負担を極力抑えること、復帰の際に自分自身がブランクを感じない期間はどのくらいなのか?など、後は収入面も考えて期間を決めました。

━━迷いや不安というよりはあらゆる面を考慮していた、ということですな

佐藤:そうですね。ただひとつ、育休に対してネガティブな空気はない会社ですけど、ちょうど繁忙期前だったので会社にいつ伝えるか、はすごく悩みました(笑)。

━━育休前には「炊事が不安」とおっしゃっていましたが、実際にはいかがでしたか?

佐藤:実際にやってみて、要領とセンスが問われる作業だと思いました。時間がかかってしまったり、食材を使い過ぎてしまったり、そもそも買い出しもどれが安くてどのくらいの量を買えばいいのか、何を作ればいいのか?とか、とにかくわからないことだらけでした。つくっている途中やお皿を洗ってるときに、こどもに遊んで欲しいとせがまれたり、泣き出したりすると集中できないという環境になるので、ほんと大変でした。
それまではたまにスペアリブとかキャンプ料理のようなものはつくってたんですけど、自分で食べるのと違って、こどもが喜ぶものやこどもが食べたいものがわからなくて、大人だと多少不味くても我慢して食べてくれますけど、こどもはそうもいかないので、食べてくれなかったときの絶望感がキツかったです(笑)。

料理づくりも慣れれば楽しい

━━ そんな状況のなかでのお料理づくりに慣れるまで、どのくらいかかりましたか?

佐藤:1ヶ月くらいですかね…妻からも「これくらいできれば充分!」と言われたのと、こどもが「おいしい!!」と言ってくれたときは、ほんとに嬉しかったです。

━━得意料理はできました?

佐藤:得意とまではいかないですけど、魚の煮つけもできるようになりました。最初はとにかくしょっぱくて、何をどうすれば味が整うのかもわからなくて、でも今は、醤油と砂糖とみりんの組み合わせでおいしくできる、ってことを覚えました(笑)。あとは、こどもが喜ぶので、ミートボールのトマト煮とかよくつくってました。けっこう「DAIGOも台所」を見て勉強しました(笑)。

誕生日の食卓

━━洗濯や掃除はどうでしたか?

佐藤:掃除はもともとやっていたので大丈夫でしたけど、洗濯は洗濯機に入れるところまでは妻のこだわりもあって、そこはお願いして、洗いあがった洗濯物を干す、とり込む、たたむところをやってました。

━━奥さまの反応はいかがでしたか?

佐藤:すごく助かった、良かったと言ってくれました。後半は「もうあと2ヶ月くらいあってもいいな」とも言ってたので、満足してくれてるのかな、と。私自身も育休を取ってほんと良かったな、と思っています。

━━パパ見知りは小さい頃にどのくらいの時間どんなふうに一緒に過ごしたかが少なからず影響するという話もありますが、育休なしのひとり目と育休ありのふたり目で、お子さまの反応に違いを感じることはありましたか?

佐藤:もともとパパ見知りは無かったんです。まだまだ小さいのでこども達から反応の違いを特別感じることはないんですけど、親のほうが違いを実感してました。次女の小さな成長を見逃すことなく一緒に居られたので、それはほんとにありがたかったです。

━━お子さまとはどんなふうに過ごしてましたか?

佐藤:主に長女と一緒にいたんですけど、インフルエンザが流行っていたこともあって、保育園をお休みさせることが多かったので、毎日公園に行くとか、育休中はほとんど一緒に過ごしてました。その間にも、どんどん言葉を覚えたり、滑り台やシャボン玉ができるようになったり、長女の日々の成長もたくさん見ることができました。

公園にて

━━他にはどんなふうにリフレッシュしていましたか?

佐藤:なかなか機会がなかったので、長女と公園に行くことがリフレッシュになっていました。あとは、こどもがふたりとも寝ていて、家事も終わっていれば、そこが唯一自分の時間だったので、妻と「ゴールデンタイム」と言ってたんですけど、録画とか動画配信をみながらゆっくり過ごしてましたね。
ただ、ふたりともが揃って寝てくれる時間が少なくて、なかなかゴールデンタイムが来ない!というのが現実でしたけど(笑)。

━━育休が終わって、突然一緒に居られなくなったパパにお子さまの反応は?

佐藤:最初の1週間くらいは理解できなくて、「パパ、パパ~」って泣いてましたけど、「お仕事の時間だよ」って話しをして、少しずつ理解してもらえるようにしています。
父親と過ごす時間の変化をこんなに悲しんでくれると思わなかったので、嬉しいのもありますけど、正直びっくりしました。
「パパがいい!」という長女に、妻からも「こんなに幸せなことはないよ」と言われています。

━━育休が明けてからの家事や育児へのかかわり方に変化はありますか?

佐藤:育休前よりできることが増えたので、休日はもちろん仕事終わりでもやれることはやるようにしています。家事を主導でやってみたことで、何が大変なのかという点もわかったので、妻には普段から家事に集中できる時間をつくってあげること、妻の時間をつくってあげることを意識するようになりました。

━━育休中は仕事から完全に離れることはできていましたか?

佐藤:思ったよりも仕事のことは考えずに育休に専念できました。ただ、たまにチャット上で仕事のやり取りを見て「今こんなことをやってるのか」と思うことはありましたけど。家事や育児だけだと煮詰まってしまうと思うんです。なので仕事の情報をキャッチしたり、状況を垣間見たりできる環境に、ある意味救われる部分もあったな、と。

━━仕事復帰の際はどうでしたか?

佐藤:復帰1週間前から変に緊張してました(笑)。最初の1日はキーボードを打つのも「こんな感じだったかな?」と違和感を覚えましたが、周りの温かい空気もあって、戸惑うことなくすんなり復帰できました。改めていい会社だな、と思いましたね。

━━復帰後の周りの反応はどうでしたか?

佐藤:育休中のことをいろいろ聞かれました。こんなに詳しくたくさん話すことは初めてですけど、みんな色々知りたいんだな・・・って(笑)。

━━育休取得を迷っている方へ、育休のメリットをお聞かせください。

佐藤:こどもを産むだけでもほんとに大変なので、産後のしんどい時期をしっかり支えられることがメリットですね。それと、今しか見られないこどもの成長をたくさん見ることができることも大きなポイントです。

━━育休取得を控えている方へのアドバイスはありますか?

佐藤:産後数ヶ月は、特に力仕事を中心とした家事を積極的にサポートするほうがいいと思ってそのようにしていましたが、いろんなスタイルがあると思います。パートナーとしっかりと話をして、場合によっては家事を奥さまに任せて、育児を担当するほうがスムーズで、ストレスが少ないというケースもあるかもしれません。
ずっと一緒に過ごしているので、ちょっとしたことで不要なケンカになることがあるかもしれません。私自身は、不慣れな家事に対して、妻からのアドバイスや指摘にもおおかた「はい」と返事して過ごしてました(笑)。育休には期限があるので。パートナーと話し合うこと、そのうえでお互いを思いやることが大事です。


【編集後記】
育児のあれこれを、ひとりで考えてひとりで対応するのは心細いことも多いはず。ご主人がそばにいてくれる、ふたりで話せる、相談し合えるのはとても大切なことなんだな、と感じました。
穏やかに、そして少し照れたように語る姿がとても印象的な佐藤さんに、育休による変化を伺うと「太りました(笑)」と。お料理を作っている間の味見やちょっとしたつまみ食いが原因かも?と言いつつ、確実にスキルアップした家事力を育休後も発揮しているとか。何よりも奥さまをゆっくりさせてあげたい、という思いから、苦手な炊事にも果敢にチャレンジする姿が、インタビュー中に何度も目に浮かびました。
ご自身の奮闘っぷりとともに、感謝をことばや行動で伝え合う素敵な家族の在り方を聞かせていただきました。

取材・文:j.funakoshi
取材日 :Nov.2023


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