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102期の冷酷さは矮小化か悪化か

25歳娘役が転落死した宝塚事件に関して、週刊文春は他の話題に移り掲載はほぼ終わった。

吉本芸人の性加害と日本テレビの原作軽視問題は、ホモソ的男社会に加害された女性と、大企業に搾取された個人事業主が続々と声を上げることに繋がった。詳細の真偽で矮小化しているが、本質はそこではない。

構造への#MeTooなのだ。


一方宝塚の事件は、旧ジャニーズと近い。長く不可侵領域であった組織の闇を暴く話題である。

両者の違いは「被害者の連帯」だ。


102期の妹や同期がまず己の加害を認め「宝塚のシステムはイジメ加害者を作る」と広く仲間を集めれば、組織を変える力となったかもしれない。


105~106期の音楽学校時代も飛び降り事件があったと報じられた。普通なら故人に繋げただろう。

・双子を「虐め加害者102期」と「被害者103期」に引き裂いた


102期の舞空瞳と天飛華音は、死の直後に主演公演を断行した。

102期の妹含め中卒同期で故人とも近しい関係性の2名が、転落死事件の矮小化に加担したのだ。

・102期に冷酷な裏切りをさせる非情な組織体制


また演出家のセクハラが出た記事に、女性に手を出していたなら更に~とあった。しかし男性演出家が元トップ娘役と結婚を発表している。退団後すぐに自身の外部舞台に起用し、そこからの交際としているがさすがに不自然過ぎた。

演目も恋愛色が薄い作品が大半だったため、同僚の彼女への気遣いにも見える。

・劇団内の男女問題


など客観的事実に基づいただけでも、宝塚を知らない層にも通じてファンには耳の痛い話がある。しかしリークとして記事になったのは、微妙な内容ばかりであった。


102期の故人とも遺族とも密に過ごした同期が、平然と公演を行ったことを冷酷な裏切りと糾弾する。

死を知った当日に公演を行わせてしまう体制の恐ろしさや異常さを語る。

そこがないのは「リーク元の102期が嫌がる記事は書けない」という規制が見える。


私的なLINEを弁護士の開示より先に提供している時点で分かっていたことだが、個人名で報じたことへの批判もないのでかなり親密なようである。


礼真琴のプライベート写真流出~転落死前までの記事は分からないが、週刊文春では誰の話か分からない記事も出ている。完全匿名は可能だったのだ。

宝塚そのものの風土や体制を批判するより、加害者を貶めたい、復讐したいという私刑が優先された発端の記事。

その後続いたリークも、同じ傾向になってしまった。


問題は宙組の今後が「102期のお気持ち次第」になってしまっていることだ。

被害者の会としてまとまれば公共性が出て、落としどころをつけやすい。一方個人では終わりが見えにくいのだ。

宙組再開の目処がついたが中止されたと、デイリー新潮などが報じた。複雑なコメントも多く、平然と公演を行うことへの嫌悪感も分かる。


既に多くのファンは、宙組だけ避けるという状況に慣れつつある。しかしそれは天彩峰里の月組移動騒ぎと同じで、蓋をしているだけだ。

全組が元宙組生を受け入れる可能性はあるし、トップ含め全組子が宙組に移動する可能性がある。

つまり全ファンは、宙組と宙組生を受け入れる必要性に迫られるのだ。


全ての宝塚ファンが「宙組は良い組だ」と実感出来る用意をしてもらいたい。

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