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オーディオ沼にハマらない選択としてのKEF LSX Ⅱ と Kube12b購入レビュー

突然ですが、オーディオは好きですか?

私はほどほどに好きです。

どのくらいかというと、イヤホンの世界では貧乏学生の頃にUltimate EarsのTriple.Fiを購入したし、AirPods Proは1,2両方発売と同時に飛びついたし、WF-1000XM3にも飛びついたくらい。
テレビにはサブウーファー付きのサウンドバーを導入しています。

でも、Air Pods Pro MAXとかは買わないし、本格的なホームシアターシステムは組んでいない。

つまるところ一般人としては音に拘っている方ではありますが、ピュアオーディオの世界とは明らかに距離を置いている。そのくらいの好き具合です。

今回は、そんな私がKEF LSX Ⅱ(アクティブスピーカー)とKEF Kube12bを購入した経緯と感想です。
ピュアオーディオ沼にはハマりたくないが、ちょっとオーディオに金かけてみようかな?と思っている人に参考にしていただきたいと思います。

きっかけ

ある日、友人の家に遊びに行った際に彼が音楽をかけました。
このB&Wの高級スピーカーから流れる音が素晴らしくて、SEKAI NO OWARIのRPGなんて、聞き慣れた曲ですら別物のようなツヤと臨場感を帯びていました。

ひとしきり感動していると、友人が言います。

友人「いい音が聞きたかったら、50万あれば、結構幸せになれるよ。50万くらいまではお金に比例して音が良くなっていく感覚がある。その上は沼でコスパが悪化していく。」

僕「でも、サウンドバーとかもあるからスペースもないし、レコードとか聞きたいわけじゃないしなぁ・・・」

友人「まず、サウンドバーを捨てよう。下手なサラウンド環境よりいい音の2chですよ。」

僕「なるほど。」

ここから僕のオーディオ探しは始まった。

悩む

まずは、B&Wのスピーカーの過去のラインナップを洗い、メルカリで探すことからスタート。予算は50万円、それなりに選択肢もあるように思えた。
しかし、アンプなどを揃えることを思うとスピーカーにかけられるのは30万ちょっとくらいかなと思われた。

また、音だけではなく利便性を考えるとBluetoothやWi-Fiなどにも対応していてほしい。自ずと比較的新しく、高級な機種が選択肢になってくる。

延々と悩んでいるうちに、飽きっぽい性格の自分の脳裏をよぎる、「めんどくせぇ」の一言。

そんな時に「オーディオ大全」という雑誌を読んでいると、「ワイヤレスアクティブスピーカー」に関する記事を見つけた。

アクティブスピーカーは、早い話アンプが内蔵されたスピーカーだ。そのスピーカーを駆動するのに最適化されたアンプを内蔵しており、システム構成を最小にすることが出来、メーカーの意図通りの音が流せるという代物だ。

そんなアクティブスピーカーの中でも輝いて見えたモノこそが、今回選択したKEF LSX Ⅱだ。

Bluetoothはもちろん、最新のUSB Type-CやHDMI ARCやWi-Fi経由でストリーミングサービスの再生にも対応しているという充実ぶり。
お値段は実売21万円ほどと、アクティブスピーカーの中ではお高めだが、海外サイトや前機種である初代LSXのレビューなどを見てもかなり評判がいい。
Uni-Qと呼ばれる、点音源を実現するドライバーシステムもロマンがある。

そして購入を決断!

購入レビュー

まず驚いたのはその小ささ。思った以上にコンパクトで、そんなに音が出ると思えず、やはり大きなものを購入したほうが良かったのではないか・・・と後悔しかけたくらい。
一方でデザインは美しい。まるでCGかのように滑らかな曲線を描く工作精度の高さを伺わせる筐体だ。

アプリの使い勝手などは他の記事に譲るが、基本的にAirPlayやChromecastなどが使えるのでBluetooth以上に使い勝手は良い。
HDMI ARC接続でテレビとの連携もサウンドバーと遜色ないくらいスムーズ。
アクティブスピーカーなので見た目にもスッキリしており、高性能と使い勝手のバランスがとにかく良い。

そして気になる音質について。
正直に言って、最初は「思ったほどではない」と思ったのだけど、このスピーカー、どうやらエージングで化けるタイプのものらしい。
2週間ほど鳴らしたら明らかに音が良くなった。
さらに設置位置の工夫とイコライザーの調整を経て今ではかなり好みの音質になった。
モニターライクというか優等生的な音域と優れた音場感で文字通り「スピーカーが消える」感覚がある。
目をつぶれば心地よいビートに身を包まれる感覚を味わえ、この小さな筐体から鳴っているとは思えないパワーがある。

音楽を聴くことが楽しくなる、そのくらいの力は持っているスピーカーだ。
中低域のバスドラムのアタック音などもキレがよく、小さいながらも特に低音不足という感じもしない。

妻もスピーカーの前に座る機会が増えた。

下手な5.1chより良質な2ch?

冒頭のやり取りで友人が言っていた通り、下手な5.1chよりも良いスピーカーで2chか?という点についても書こう。
元々うちにあるのはサウンドバーによる仮想5.1chなのでまさに下手な5.1ch環境。
でも、サブウーファーがあるので割りと低音は出る構成だった。

試しにLSX Ⅱとサウンドバーでやたらと爆発とかが多いMARVEL作品を見てみると、音質的にはLSX Ⅱが圧倒するものの部屋を震わせるような低音が無いため迫力が不足することがわかった。

これによってサブウーファーの導入を決定。予算50万のうちまだ20万円ほどしか使っていないので、問題はない。

LSX Ⅱに組み合わせるサブウーファーとしてはKEF KC62が定番だが、このサブウーファーはLSX Ⅱより高価なので、低音にそこまでかけるのはコスパがよくなさそうなので却下。

結果的に同じKEFのKube12b(実売約11万円〜)を購入。あまりレビューが無いが、30cmのドライバーというのがロマンがある。

ちなみに家に届いたその姿は、小型の冷蔵庫かと思うほどで、もっと小さいの買えばよかったと、これまた後悔しかけた。

冷蔵庫?


右端のゲーミングPCがスリムに見える存在感。メインスピーカーはもはやおまけ?

しかし、気を取り直してSub端子から接続を行った上でトップガン・マーヴェリックを再生。
戦闘機のジェットエンジンの音で家が揺れた!とんでもない迫力の低音を鳴らせるように。
LSXの音量も相まって素晴らしい視聴体験になった。

サラウンド感は薄いのだが、スピーカー間を1.8Mほど離れるとそれなりに聞ける感じになった。これでも疑似サラウンドよりずっと良いし、音そのものの解像度が高いのでむしろこちらの方がリアリティがある。

これをもって、既存のサウンドバーはお役御免決定。

友人の言った通り、下手な5.1chよりも上質な2.1chだというのは私も同意するところです。

まとめ

ピュアオーディオの世界は闇が深い。100万円のシステムなんてエントリークラス、スピーカーが1,000万以上なんて当たり前にある。
しかし、よほどの金持ちでなければこの世界を極めることは難しいだろう。

また、アンプとスピーカー、ケーブルなどの組み合わせは無限大で、現実的にこれを色々と試せる人も、それを楽しめる人も決して多くないだろう。私もその一人だ。

そんな中でKEF LSX Ⅱは、僕ら一般人にとてもリーズナブルにいい音を届けてくれる。
アンプやケーブルにこだわることも出来ないし、スピーカーを足していくことも出来ないが、これでいいのだ。これでアガリで良いと思える満足感がこのスピーカーにはある。

しかも、向こう5年〜10年程度は陳腐化しないだけのインターフェースを備えている。
BluetoothもWi-FiもType-Cもまだまだ現役でい続けてくれると思われる。

価格も高いのは高いのだが、現実問題として2,30万のシステムを自分で組んでこの音を実現するのは至難の業だと思う。
ズボラでも手軽に高音質と高い利便性を提供してくれるこのデバイスは、個人的にはとても良い選択肢だと言える。

オーディオ沼にはハマりたくないけど、いい音に触れたい諸兄には是非ともオススメしたい。

閑話休題

Nintendo SwitchのJOYSOUNDのカラオケソフトのマイクの遅延に悩んでいたのだけど、試しにLSX ⅡにAUXケーブルで接続してみたところ、これまでより低遅延でとてもいい感じで歌えるようになった。
家がカラオケボックスとして上質になるので、そういう用途にもおすすめ。店よりいい音ですからねw

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