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QuestReading[2] 〔データブック〕近未来予測2025

ちょうど読み進めていた本をQuestReading

書名:〔データブック〕近未来予測2025
著者:ティム ジョーンズ, キャロライン デューイング, 江口 素子
出版社:早川書房
出版年:2018年

『何を信じるのか』
グローバルで実施されたFuture Agendaというワークショップで議論された共通認識や重要課題をまとめた本書で、重要課題として挙げられていたキーワードの1つが「belief=未来の信念」だった。

普段の暮らしでは縁遠いキーワードだと感じたが、資本主義の限界、ポピュリズム、AIの進化などを並べてみると、確かに、現代は「何を信じる」かが不透明な時代だ。

私は、今後も基本AIにすがっていくよりは、ヒトのつながりを信じたいと思っている。
その時、程よく断片化されたつながりの活動単位として『企業』が信じられる対象なっていくのではないかと、この本から感じ取った。

2025年に向けて、様々なインフラが不足していくという大きな問題がある。人口が爆発的に増加することで、様々な資源は枯渇し、人口規模に即した生活インフラの維持も困難になる。

政治家が掲げる総活躍社会やシェアエコノミーは、どこか社会を歪めるイメージが持たれるが、インフラが不足していくことへの解決策としては、必然なキーワードなのだとも思う。
そして、『企業』にとっては、国境を超え、性別や年齢を超えたネットワークを作り総活躍社会に溶け込むことで、強い力を得ることができる。さらに、様々を抱え込んで肥大化するのではなく、機能でつながりあうシェアエコノミーであれば、柔軟に諸問題に対応することもでき、インフラ不足へ具体的な成果と結び付けながらアプローチできる。

以前、『企業』の役割について、Businessの目的が学術的に定まっていないという文章を読んだことがある。
それは、
Law is to justice, as medicine is to health, as business is to _________.
と書き表した時に、下線に入る単語が一意にはきまらず、意見や見解が分散するとのことだった。
それは、企業が何か”信じる立場”のときには、何を目的にしてもよかったということを反映しているのではないか。しかし、企業が"信じられる対象"になれば、その目的は1つに定めっていくのではないか。

私は、本文に書かれた「クリエイティブエコノミー」が1つの選択肢になると考えた。
クリエイティブエコノミーとは、文化やクリエイティブ部門に投資をすることで、社会の暮らしや生活の質の向上につながっていく考え方だと理解している。
クリエイティブという言葉が似合う広告の話だが、世界的な広告賞の1つであるカンヌライオンズで、高い評価を得る作品は、商品やブランドをどのように売り上げたかではなく、何とかして社会課題へアプローチした広告やキャンペーンに偏っていると聞いたことがある。
『企業』が、創造性を共通認識や重要課題に向き合いながら最大限発揮することで、信じられる対象になる時代になっていくのではないか。
そして、その努力をしていきたいと感じた1冊だった。

この本のもとになった、2015年のFuture Agendaは日本では開催されていない。次回は是非、日本でも開催してほしいと思うが、その時はAIの翻訳能力を頼って参加したいと思う。

免責:
本を精読しているわけではありませんので、すべての内容が正確とは限りません。詳細は、実際の本でご確認ください。

ご覧いただきありがとうございます。仕事もプライベートもいろいろなモノを掘り下げていきます。