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エールのトルティージャ

「いってきまーす」
元気な声と同時にドアがバタンと閉まった。

先日、非常事態宣言が解除されて、2か月ぶりに子供たちが学校に行くようになった。

今朝、娘は制服を着て、伸び切った髪の毛を編み込みにして起きてきた。

「今日は、半日で終わりやから、帰りにばあばの家に行ってくるね」
祖母に感染することを心配して、車で数分の祖母の家に行くのも遠慮していた娘。体調を崩している祖母を見舞いたくてもできなくてもどかしかったに違いない。

「学校行くんだから、7時半までに作ってよ!」
と強く言われていたので、ちゃんと母も起きました。ちゃんと布団の中でメニューも考えておきましたよ。

冷蔵庫を覗く。
じゃがいも、玉ねぎ、にんじん。おっとピーマンも残ってたから使おう。
それから卵は奮発して、人数分プラス1。

「前髪がこんなになった」
目を覆うほどに垂らした前髪を披露しにくる娘を適当に相手しながら、野菜を切る。

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お、彩りがいいぞ。

フライパンにオリーブオイルを多めにたらして、野菜を炒める。

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その間に、コーヒーを入れつつ、夫用の冷凍のマフィンをチンしから、トースターに食パンと一緒にセット。タイマーを3分。
おお、マルチタスクでカッケーな自分! と悦に入ってたら、フライパンのじゃがいもが焦げた。やっぱり無理か。

溶いた卵をフライパンにイン。
プラス1の卵を割り忘れる。慌てて追加投入。

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「チン!」とトースターのタイマーが鳴る。パンが焼けた。
早くこっちを仕上げねば!具と卵の量が多いのにフライパンが小さくて、なかなか火が通らない。
ならばと、中火でフタをして蒸し焼きに。
ひっくり返す。あ、やっぱり焦げた。

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焦げていない方を上にして、お皿に盛れば大丈夫。

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スペイン風味オムレツ、トルティージャの出来上がり。

挽きたてのコーヒーをマグカップに注ぎ、トーストをお皿に乗せようとして、思い出す。
「ママ、バタートーストにしてよ」
娘のリクエストはバタートースト。
久しぶり登校でルンルンの娘の機嫌を損ねるのは得策ではない。慌てて小さく切ったバターを食パンの上に散らして、再びトースターへ、追加1分。
「チーン!」
バターはじゅわりと溶けて、黄金色。

熱々のトルティージャをカットすると、

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じゃがいもが重なって、綺麗な層ができていて、うっとり。

この際だ、コメダ珈琲の小倉あんも乗っけて、あんバタトーストにしよう。

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朝から甘々ガッツリ、いただきます。
あれ? いつの間にか、私が自分の気合いを入れてる。

また、日常が戻ってくる。
だけど、変わってしまったものがある。
在宅勤務、分散登校、マスクの着用、ソーシャルディスタンス。
それでも、私たちはちゃんと順応して暮らしていくんだろうな。
娘もまた、長い長い休暇を終えて、また忙しい学校生活に戻る。そうだ、私もまた毎朝のお弁当作りと息子の受験に付き合わねばならんのだ。

頑張れの気持ちを込めた幸せの黄色いトルティージャ。
ごちそうさま。
いってらっしゃい。

塩梅かもめさんトルティージャのレシピを参考にいつも作っています。今日で3回目。
野菜が不足しがちな洋食の朝ごはんが一気に充実。黄色は太陽の色。元気が出ます。

https://note.com/viveahora/n/nf2f9c0b344f7


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