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わたあめパーティーをしませんか

春と言えばお花見。お花見と言えば屋台。そんな風に連想ゲームの如く重ねていくのが楽しい今日この頃。
花より団子派な自分は桜まつりでどんな屋台や露店が出ているのか楽しみで仕方無かった。屋台ならではの美味しくてワクワクするものがたくさんある。
フリフリポテトや唐揚げといった定番且つ買ったら美味い事間違い無しのフード、わたあめや可愛くて見る目を引くような多種多様の容器に入ったドリンクetc.....。欲しいと思うものは引く手数多だ。屋台を通るだけで楽しいし、何を買おうか悩んでるだけでも楽しい。所狭しと並ぶ屋台には夢が詰まっているような気がしてならない。

今年は桜の開花が伸びた事もあり、屋台の出店日数もそれに合わせて増えた。ワクワクする日が増えるなんて夏休みの初日くらい嬉しい。
そんな訳で意気揚々と花見(もちろん花も見るつもり)に行ったがその日は生憎の雨。人通りが少なくゆっくりと歩くには丁度良かったが残念ながら屋台は幕を下ろしていた。雨の日でもやってるんじゃないかと淡い期待を込めて出かけたがその期待は雨と共に流れていってしまった。まぁ、それでもいいのだ。どんな屋台が並んでいるのか見るだけでも楽しいのだから。

ちなみに今年はスイカぱんなる奇妙なものがあった。おそらく昨年流行ったスイカゲームからアイディアを得ての事だと思うがどんな食べ物だったか見る事が出来なかったので謎は残ったままである。

雨に濡れながらも懸命に咲く桜は綺麗であったが晴れて華麗に咲き誇る姿も見たかったなぁと、屋台の食べ物食べたかったなぁと思いつつその日は帰宅となった。

桜まつりの期間、足を運んだ日以外は忙しくて行けそうになくそれでも行きたい理由があったのだ。
実は先日仲良しのおじいとこんな会話をした。

「おじいは屋台好きですか?」

「まぁ好きだねー」

「どんなのが好きですか?」

「昔の事だから覚えてねぇなぁ」

「じゃあ今度わたあめ買ってくるんで一緒に食べましょう!わたあめパーティです!」

「HAHAHAっ」

わたあめを買っておじいと食べるという目標があった為にどうしてもわたあめを手に入れたかったのだ。

屋台でわたあめを買って仲良しのおじいとシェアハピしたかったなぁぁぁ。おじいはあまり最近は遠出をしないようだからせめて気分だけでもと思ったのになぁぁ。

と、そんな話を先輩にした所、花見に行った先輩が気を回して自分にわたあめを買ってきてくれたのだ。
「おじいとお食べなさい」とニコニコしながら渡す先輩の姿はあまりにも神々しかった。この恩はいつか必ず。

黄色い袋に入ったわたあめは2塊になっていて、大きな威圧感があった。前日の意気揚々さも含めて大手を振っておじいのところまで飛んでいく。

「おじい!見てください!」

おじいがゆっくりこちらを振り向いたので黄色い袋を自信満々に掲げる。

「わたあめ!買ってきました!一緒に食べましょう!」

思わず笑みがこぼれていた。そしておじいも同じように笑みを零すと「ありがとう」とハニカミながら言ったのだ。

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