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RWC2023オールブラックス選手名鑑。



選手名鑑①-フッカー部門-

Dane Coles(デイン・コールズ)

生年月日: 1986年12月10日 (年齢 36歳)
所属チーム: ハリケーンズ
身長: 184 cm
体重: 110 kg
テストキャップ: 87

コールズさんは、2007年にウェリントン・ライオンズでNPCデビューし、ニュージーランドU-21代表に選出。2009年のワラターズ戦でハリケーンズでスーパーラグビーデビューを果たし、2010年にはマオリ・オールブラックスに選出され、2012年にはオールブラックスデビューを果たしています。2015年にはオールブラックスRWCの連覇に貢献。2016年にはハリケーンズのキャプテンを務めてスーパーラグビー初タイトルを獲得し、同年マオリ年間最優秀ラグビー選手に選ばれ、ニュージーランドとワールドラグビーの年間最優秀選手賞の候補者となりました。2017年にはハリケーンズでの100capを達成しますが、以降脳震盪や負傷が重なるようになり、定期的なテストマッチでの出場機会が減っていきますが、2021年には34歳最年長選手としてオールブラックスに選ばれ、トンガ代表とのテストマッチでは初めてハカをリードしました。キャリアを通じて"現代のフッカーの役割に革命を起こした"と評されるようにフロントローの選手として信じられないような卓越したスキルとバックスのようなスピードを披露してきたコールズさんですが、今年を持ってラグビーからの引退を発表しています。

Samisoni Taukei’aho(サミソニ・タウケイアホ)

生年月日: 1997年8月8日 (年齢 26歳)
所属チーム: チーフス
身長: 183 cm
体重: 120 kg
テストキャップ: 25

タウケイアホさんはトンガ出身で、トンガの U-15 チームのキャプテンとしてニュージーランドに遠征した際にその才能に注目が集まり、奨学金を利用して2014年にハミルトンのセント・ポールズ・カレッジへ入学。2017年にワイカトでNPCデビューを果たし、ハイランダーズ戦でチーフスのスーパーラグビーデビューを果たし、2018年にはチーフスとフルタムで契約し、以後チームの主力として活躍しています。オールブラックスには2021年に初招集され、途中出場ながらデビュー戦で2トライをあげるなど活躍。フィールドでは圧倒的パワーでキャリーしていきますが、フィールド外では学業にも励んでいるようで、現在ワイカト大学でパートタイムではあるものの法律を学んでいるそうです。

Codie Taylor(コーディ・テイラー)

生年月日: 1991年3月31日 (年齢 32歳)
所属チーム: クルセイダーズ
身長: 183 cm
体重: 108 kg
テストキャップ: 79

テイラーさんは、ウェリントンで生まれ、オーストラリア育ちで、当初は13人制ラグビーをプレイしていましたが、お父様の勧めで15人制ラグビーをプレイするようになったそうです。それからニュージーランドU-20チームに選出され、2011年のIRB ジュニア世界選手権で優勝、2012年にはカンタベリー、2013年にはクルセイダーズでスーパーラグビーデビュー。2014年にはマオリ・オールブラックスに初招集され、オールブラックスには2015年に初選出され、RWC2015にも出場。トライを奪うなど活躍。その後もオールブラックスに継続的に招集され、スーパーラグビーでは2021年にクルセイダーズで100capを達成し、チームの前人未到のスーパーラグビー7連覇にも大貢献し、持ち味である強力なセットプレー、ボールキャリー能力、ディフェンス能力、ワークレート、スピードを発揮しました。余談ですがテイラーさんは、建築大工の資格を持っているそうです。

選手名鑑②-プロップ部門-

Ethan de Groot(イーサン・デ・グルート)

生年月日: 1998年7月22日 (年齢 25歳)
所属チーム: ハイランダーズ
身長: 190 cm
体重: 122 kg
テストキャップ: 17

デグルートさんはオーストラリアで生まれ、ニュージーランド最南部の町ゴアで育ちました。2018年にサウスランドでNPCデビューし、2020年のチーフス戦でスーパーラグビーデビュー。クラブチームでの活躍が認められ、2021年にオールブラックスデビュー。2022年のアイルランドとのテストシリーズでは招集外となりましたが、同年のラグビーチャンピオンシップのスカッドには再び選出され活躍を見せると、以降しっかりと代表に定着し、先発の1番の座の第一候補となっています。フロントローとしてのパワーはもちろんの事、大型選手とは思えない身軽さも注目です。

Tyrel Lomax(タイレル・ロマックス)

生年月日: 1996年3月16日 (年齢 27歳)
所属チーム: ハリケーンズ
身長: 194 cm
体重: 129 kg
テストキャップ: 27

ロマックスさんは、オーストラリアで生まれのNZ育ちで、当初はオーストラリアでラグビーキャリアを育んでいき、2015-16年はオーストラリアのU-20代表に選ばれプレイ。その後13人制ラグビーでもプレイしていましたが、2016年にレベルズと契約し、2017年にスーパーラグビーデビューを果たします。しかし、ロマックスさんはワラビーズではなく、オールブラックスでプレイする機会を望み、レベルズと早期契約解除に合意した同年9月ハイランダーズとタスマン・マコと契約。そしてマオリ・オールブラックスに初選出され、2019年のスーパーラグビー終了後現在も所属するハリケーンズへ移籍します。オールブラックスへは2018年に初選出されますが、中々定着する事が出来ませんでしたが、2022年のTRCで抜擢され、活躍し主力へと成長。ビッグサイズのフロントローとしてセットプレイでもボールプレイでもチームの大きな要となっています。

Nepo Laulala(ネポ・ラウララ)

生年月日: 1991年6月11日 (年齢 32歳)
所属チーム: ブルーズ
身長: 184 cm
体重: 133 kg
テストキャップ: 49

ネポ・ラウララさんはサモア生まれで、少年時代に家族と共にNZのオークランドに移住。学生時代はオークランドの高校、大学で活躍しますが、オファーを受け2011年にカンタベリーでNPCデビュー。2013年にはクルセイダーズと契約し、2016年から2020年はチーフスに、2021年から現在まで第二の故郷でもあるオークランドを拠点とするブルーズに所属しています。オールブラックスデビューは2015年のサモア戦で、その後度々大きな怪我に悩まされますが、2019年以降は定期的に招集され、オールブラックスのプロップの一員としての地位を確保。強力なスクラムと学生時代からラクビーに対する姿勢と献身性が高く評価されており、お兄様のケイシー・ラウララさんもオールブラックスとして2キャップを保持しています。

Fletcher Newell(フレッチャー・ニューウェル)

生年月日: 2000年3月1日 (年齢 23歳)
所属チーム: クルセイダーズ
身長: 188 cm
体重: 125 kg
テストキャップ: 8

ニューウェルさんは、NZのクライストチャーチ出身で、2019年にニュージーランドU-20代表に選出され、アルゼンチンで開催されたU-20チャンピオンシップに出場し、ニュージーランドのラグビー年齢別の年間最優秀選手に選ばれました。同年カンタベリーU-19でも活躍を見せると、リンカーン大学で土地・不動産管理を専攻しながら2020年にカンタベリーでNPCデビューを果たし、2021年にはクルセイダーズでスーパーラグビーデビュー。オールブラックスへは2022年に初招集され、デビュー。強力なスクラムと2020年にはスクワットで255kgを上げ、クルセイダーズ・アカデミーの歴代記録を塗り替えるなど恐ろしいパワーを持っており、今後のオールブラックスのフロントローを担う逸材です。

Ofa Tu’ungafasi(オファ・トゥンガファシ)

生年月日: 1992年4月19日 (年齢 31歳)
所属チーム: ブルーズ
身長: 193 cm
体重: 132 kg
テストキャップ: 53

元トンガ代表モフイケ・トゥンガファシさんを父に持つオファさんは、トンガ生まれで、2006年にニュージーランドへ移住。2012年にニュージーランドU-20代表に選ばれ、決勝進出に貢献。同年にはオークランドでNPCデビューを果たし、2013年にはブルーズと契約し、スーパーラグビーデビュー。それからブルーズの傑出したプレーヤーの一人として地位を確立し、2016年にオールブラックス・デビューを果たすと、定期的にチームに召集され、2019年のワールドカップメンバーに選出。その後も活躍を続け、2021年にはブルーズで100capを達成。プロップの両サイドをプレイ出来るユーティリティ性と流れを呼び込むハードタックルを武器にチームに欠かせない存在となっています。チャリティ活動にも精力的であり、2020年のパンデミックによるロックダウン中には自宅の裏庭で車をスクラムマシンとして使っている写真をインスタグラムで公開し、話題となるなどお茶目(?)な一面も持ち合わせています。

Tamaiti Williams(タマイティ・ウイリィアムズ)

生年月日: 2000年8月10日 (年齢 23歳)
所属チーム: クルセイダーズ
身長: 194 cm
体重: 139 kg
テストキャップ: 3

オールブラックス最重量級FWであるファンガレイ出身のタマイティさんですが、実は学生時代はルーズフォワードとしてプレーしたそうで、その後プロップへポジションを変更。2019年にはニュージーランドU-20代表に選出され、2020年にはカンタベリーでNPCデビューし、同年にはマオリ・オールブラックスに選出されました。デビューとはならなかったものの、2021年にはクルセイダーズでスーパーラグビーデビューを果たし、2022年には再びマオリ・オールブラックスに再び選出され、2023年にはオールブラックスのスカッド入りを果たし、TRC2戦目の南アフリカ戦でのデビューは記憶に新しいでしょう。その大きな体格からはイメージし難い侮れないスピードを持つ強力なボールランナーであるタマイティさんですが、10kgの減量に成功したとの事で、それが功を奏しているのかも知れません。

選手名鑑③-ロック部門-

Scott Barrett(スコット・バレット)

生年月日: 1993年11月20日 (年齢 29歳)
所属チーム: クルセイダーズ
身長: 197 cm
体重: 111 kg
テストキャップ: 62

スコットさんは、兄のボーデンさんと弟のジョーディさんと同じく生まれ故郷のタラナキ州ニュープリマスのフランシス・ダグラス・メモリアル・カレッジでプレーし、その才能を開花させると、2013年にフランスで開催されたIRBジュニア世界選手権に出場したU-20ニュージーランド代表のメンバーに選出。2014年にはカンタベリーでのNPCデビュー(現在NPCでは故郷のタラナキに所属)、そしてクルセイダーズでもスーパーラグビーデビューを果たします。以降クルセイダーズではキャプテンも務める機会なども増え、チームのスーパーラグビー7連覇に大貢献。オールブラックスデビューは、2016年のシカゴでのアイルランド戦で、チームは初めてアイルランドに敗れたもののデビュー戦でトライを挙げました。その後しっかりと代表に定着し、ロックとフランカーを併用できるユーティリティ性に合わせ、体も大きく、運動量とワークレートでオールブラックスFW陣の中心を担っています。プライベートでは釣り、狩猟、サーフィンをこよなく愛するアウトドア派との事です。

Brodie Retallick(ブロディ・レタリック)

生年月日: 1991年5月31日 (年齢 32歳)
所属チーム: チーフス
身長: 204 cm
体重: 123 kg
テストキャップ: 103

レタリックさんはカンタベリー出身で、カンタベリーの下部組織でプレイしていましたが、カンタベリーからのオファーは届かず、誘いを受けたホークスベイと契約し、2010年にNPCデビューを果たします。2011年にはニュージーランドU-20代表に選出され、優勝に貢献。2012年にお馴染みのチーフスで、スーパーラグビーデビューを果たします。チーフスでは2013年にスーパーラグビータイトルも獲得し、現在まで128キャップを獲得しています。オールブラックスデビューは2012年のアイルランド戦。以降大型選手では想像出来ない運動能力とスキルの高さを武器に絶対的な存在としてオールブラックスに欠かせない選手として活躍し、2014年にはワールドラグビー年間最優秀選手のタイトルを受賞し、2015年には負傷があったものの、オールブラックスのワールドカップ連覇に大貢献。2018年には年間最優秀トライ賞も受賞します。しかし、2019年のワールドカップでは直前のTRCで肩を負傷し、満足にプレイ出来ませんでした。2020年と2021年にはサバティカルを利用し、日本のコベルコ神戸スティーラーズでプレイ。その契約終了後オールブラックス、チーフスに復帰する事となりますが、RWC後は再びコベルコ神戸スティーラーズでプレイする事が発表されています。

Tupou Vaa’i(トゥポウ・ヴァーイ)

生年月日: 2000年1月27日 (年齢 23歳)
所属チーム: チーフス
身長: 200 cm
体重: 118 kg
テストキャップ: 22

ヴァーイさんはオークランドの出身で、これまで数多くのオールブラックスを輩出してきたウェズリー・カレッジでキャプテンを務め、2018年タラナキでNPCデビューし、2019年にニュージーランドU-20代表に選出。2020年に怪我のカバーとしてチーフスに加入しますが、ロック陣に怪我人が続出した影響で、本契約は結んでいないながらもスーパーラグビーデビューを果たす事となります。チームが絶不調の中、傑出した活躍を見せた選手の一人となったヴァーイさんは、2020年になんと早くもオールブラックスデビューを果たす事となり、21世紀生まれで初めてテストマッチに出場したオールブラックスとなります。以降途中出場が多いながらも着実にキャップ数を積み重ねており、類まれな運動神経とハンドリングスキルを武器に次世代のオールブラックスのロックを背負う選手として大きな期待が寄せられています。

Sam Whitelock(ホワイトロック)

生年月日:1988年10月12日 (年齢 34歳)
所属チーム: クルセイダーズ
身長: 203 cm
体重: 120 kg
テストキャップ: 146

マナワツ出身のサム・ホワイトロックさんは、フィールディング高校(ちなみにアーロン・スミスさんも同じ学校に通っており同級生)、カンタベリーのリンカーン大学に通いながら(理学士の学位も取得しているそうです)、ラグビーのキャリアと並行して、バスケットボールもプレイし、2006年にはバスケットボールのニュージーランドU-18代表のトレーニングキャンプのメンバーにも選出されたそうです。もちろんラグビー方でも2008年にニュージーランドU-20代表に選出され、IRBジュニア世界選手権で、チームの優勝に貢献。同年にはカンタベリーでNPCデビューも果たし、2010年にクルセイダーズで(当時スーパー14)でスーパーラグビーデビューを果たします。そして同年にはオールブラックスに早くも選出され、以降クルセイダーズとしてもオールブラックスとしても絶対的な存在として君臨し、クルセイダーズではチームの7連覇に、オールブラックスとしては2011年と2015年のRWC連覇、2019年の3位に貢献します。2017年のニュージーランド年間最優秀選手に選ばれ、2020年には日本の現在の埼玉パナソニックワイルドナイツでプレイ。兄弟のルーク・ホワイトロックさんもジョージ・ホワイトロックさんもオールブラックスキャップを保持しており、なんと祖父のネルソン・ダルゼルさん、叔父のアラン・エルソムさんもオールブラックスに選出されているというオールブラックス一族の中でもサム・ホワイトロックさんのキャリアは際立っており、現在のテストキャップは146。リッチー・マコウさんの持つNZ最多テストキャップまで後2つと迫っており、今年のRWCでの記録更新に期待が寄せられています。次シーズンからはNZを離れ、フランスTOP14のポーに移籍する事を発表。酪農家を支援する活動「Farmstrong」のアンバサダーも務めており、選手としてのキャリアが終れば、本格的に現在所有している土地で酪農業に専念したいとの事です。

選手名鑑④-ルーズフォワード部門-

Sam Cane(サム・ケイン)-キャプテン-

生年月日:1992年1月13日 (年齢 31歳)
所属チーム: チーフス
身長: 189 cm
体重: 108 kg
テストキャップ: 90

ベイ・オブ・プレンティ出身のサム・ケインさんは、学生時代からその才能が注目され、2011年にニュージーランドU-20代表に選出されると、IRBジュニア世界選手権でチームの優勝に貢献。そして同年、若干18歳にしてチーフスでスーパーラグビーデビューを果たし、同年にベイ・オブ・プレンティでもNPCデビュー。ニュージーランドのラグビー年齢別の年間最優秀選手にも選ばれました。2012年には20歳でオールブラックスデビューを果たし、2012年と2013年にはチーフスのスーパーラグビー連覇に貢献。激しいタックラーである彼は、2015年が始まるまでに、オールブラックスで代表キャップ22、8トライを記録し、彼は2015年のラグビーワールドカップで優勝したチームに欠かせない存在となり、ナミビア戦ではチームのキャプテンも務めました。2018年に首に大きな怪我負いますが、復帰し2019年のRWCにも出場。最近は怪我が多くなってきたものの、チーフスでは150キャップを越えるなど現在まで活躍を続けています。2020年5月に前任者のキアラン・リードさんから引き継いでオールブラックスのキャプテンに任命。近年の不調で批判を浴びるチームでも矢面に立ち、チームを牽引。RWCフランス大会でもその勇ましい姿を見せてくれるでしょう。

Shannon Frizell(シャノン・フリゼル)

生年月日:1994年2月11日 (年齢 29歳)
所属チーム: ハイランダーズ
身長: 195 cm
体重: 108 kg
テストキャップ: 28

トンガ出身のフリゼルさんは、サッカーをやっていたそうですが、2011年ラグビーに転向し、2014年にはトンガU-20代表としてIRBジュニア世界選手権に出場。2015年にニュージーランドに移り住み、タスマン・マコと育成契約を結ぶと、2016年にタスマン・マコでNPCデビューを果たします。そこでの活躍が認められ、ハイランダーズ契約し、2018年にスーパーラグビーデビュー。同年にはオールブラックスにも選出され、地元ネルソンの大観衆の前で行われたアルゼンチン戦(46-24)で初トライを挙げます2019年のワールドカップスカッドには落選してしまいますが(しかし、怪我人のカバーでメンバー入り)、ハイランダーズで活躍を続け、2020年にオールブラックスに復帰。以降オールブラックスの6番として定着していきました。大型のフランカーとして、ロックも出来るユーティリティ性も持ち合わせており、今年のTRCでの南アフリカ戦で見せた溢れんばかりのパワーをRWCで見せてくるのか期待です。

Luke Jacobson(ルーク・ジェイコブソン)

生年月日:1997年4月20日 (年齢 26歳)
所属チーム: チーフス
身長: 191 cm
体重: 107 kg
テストキャップ: 15

ワイカト出身のジェイコブソンさんは、高校での活躍が認められ、2016年にニュージーランドU-20代表に選出されると、翌年の2017年に再びニュージーランドU-20代表に選出され、キャプテンに任命。チームをIRBジュニア世界選手権優勝に導きます。同年にはワイカトでNPCデビューを果たし、2018年にはチーフスでスーパーラグビーデビューを果たし、2019年のラグビーチャンピオンシップのアルゼンチン戦でオールブラックスデビュー。2019年のワールドカップメンバーに選出されたものの、トレーニング中の脳震盪により出場は断念。2021年にはオールブラックスに復帰し、チーフスではキャプテンを担う機会もあるなど、大型で、両サイドフランカー、ナンバー8をこなせるユーティリティ性はチームで重宝されています。

Dalton Papali’i(ダルトン・パパリィ)

生年月日:1997年10月11日 (年齢 25歳)
所属チーム: ブルーズ
身長: 193 cm
体重: 113 kg
テストキャップ: 26

オークランド出身ののパパリイさんは、若い頃は13人制のラグビーをプレイしていたそうですが、学生時代15人制へ転向し活躍。2016年にはニュージーランドU-20代表に選出されると、翌年の2017年に再びニュージーランドU-20代表に選出され、IRBジュニア世界選手権優勝に貢献。同年オークランドでNPCデビューを果たすと、2018年にはスーパーラグビーデビュー。するとオークランドとブルーズでの活躍が目に留まり、同年秋の日本とヨーロッパへのツアーにオールブラックスメンバーとして大抜擢されます。2019年のワールドカップメンバーには選出となりませんでしたが、その年のテストマッチには2試合出場。その後定期的に招集されるようになり、2021年はキャプテンのサム・ケインさんの負傷により7番として多くのテストマッチに出場。ブルーズではキャプテンを背負い、50キャップ以上を経験し、ニュージーランドで最も攻撃的でフィジカルなフランカーの一人としての評判をワールドカップでも証明する事が出来るのか注目です。

Ardie Savea(アーディ・サヴェア)

生年月日:1993年10月14日 (年齢 29歳)
所属チーム: ハリケーンズ
身長: 188 cm
体重: 95 kg
テストキャップ: 75

元オールブラックスの偉大なウインガー、ジュリアンさんを兄に持つウェリントン出身のアーディさんは、学生時代はアウトサイドセンターとしてプレーし、その後ルーズフォワードへ転向したそうで、2012年に弱冠18歳でウェリントンのメンバーとしてNPCデビューし、7人制のニュージーランド代表にも選出されます。翌年の2013年にはニュージーランドU-20代表に選出、ハリケーンズでもスーパーラグビーデビューを果たします。そして何と当時オールブラックスのHCであったスティーブ・ハンセンさんが、"彼にオールブラックスの生き方を紹介したかった"という理由で兄のジュリアンさんと共に同年の北半球ツアーに帯同。リオ・オリンピックを見据え、ニュージーランドの7人制代表チームでもプレーしましたが、その後15人制に専念。2016年ハリケーンズで外出規則を破る問題を起こしますが、その年のウェールズ戦でオールブラックスデビュー。以降代表に定着し、活躍すると2021年にはオールブラックスのキャプテンを務める機会もあるなど、チームの中心的存在へと成長。ボールを持っての突進力、パワー、両サイドフランカー、ナンバー8をこなせるユーティリティ性、ブレイクダウンで最も手強い選手の一人で世界最高峰のルーズフォワードの選手として数えられています。アパレルブランドを立ち上げるなどピッチ外でも精力的な活動を行っており、RWC後はコベルコ神戸スティーラーズで1シーズンプレイする事が決定しています。

Ethan Blackadder(イーサン・ブラッカダー)

生年月日:1995年3月22日 (年齢 28歳)
所属チーム: クルセイダーズ
身長: 190 cm
体重: 111 kg
テストキャップ: 9

元クルセイダーズの選手でキャプテン兼HCで、現在日本の東芝ブレイブルーパス東京のHCを務めるトッド・ブラッカダーさんの息子であるイーサン・ブラッカダーさんは、元々ノースカンタベリー出身ですが、高校はネルソン・カレッジへ通い、その後クラブでの活躍を評価され、2016年タスマン・マコへ入団。2017年にNPCデビュー。2019年のタスマン・マコの初タイトル獲得に貢献。2018年には地元のクルセイダーズへ入団しており、同年スーパーラグビーデビューを果たします。彼の並外れた仕事量と、ロックでもルーズフォワードでもプレーできる能力はクルセイダーズにとって必要不可欠な存在となっていき、2021年にはオールブラックスに初招集を受け、同年デビューその後2年怪我に悩まされますが、復帰し今回のRWCで負傷したエモニ・ナラワさんの代役として招集されました。


選手名鑑⑤-ハーフバック部門-

Finlay Christie(フィレイ・クリスティ)

生年月日:1995年9月19日 (年齢 27歳)
所属チーム: ブルーズ
身長: 177 cm
体重: 82 kg
テストキャップ: 17

スコットランド生まれのクリスティさんは、7歳の時に家族と共にニュージーランドへ移住。学生時代はラグビーと体操の両方をやっていたそうで、何と体操ではニュージーランド代表にも選ばれた事があるそうです。その後カンタベリー大学で商業学を学び、クライストチャーチのクラブラグビーでの活躍により、タスマン・マコと契約し、2016年にNPCデビュー。そして翌年の2017年にチーフスでスーパーラグビーデビュー。その後ハリケーンズへ移籍し、2020年に現在所属するブルーズの一員となり、18年振りのタイトルとなる2021年のスーパーラグビー トランス・タスマン優勝に貢献。その年にオールブラックスデビューも果たしています。自身初のRWCメンバーにも選出され、軽快なステップとハイテンポなゲーム展開、そして鋭いタックルを武器に彼にとって2023年は大きな飛躍の年となるでしょう。

Cam Roigard(キャム・ロイガード)

生年月日:2000年11月16日 (年齢 22歳)
所属チーム: ハリケーンズ
身長: 183 cm
体重: 88 kg
テストキャップ: 2

ワイカト出身のロイガードさんは、ご両親が長年スピードウェイレースに積極的に関わってきた影響もあってか、10歳でレースを始め、ハントリー・インターナショナル・スピードウェイでミニ・ストックに参戦。すぐに成功を収めた彼は、サルーン・レースに転向し、ニュージーランド選手権で最高の成績2位を収める程の実力者だったそうです(レースの事無知なので詳しい方いたら教えてください)。しかし、ラグビーにも同時に情熱を傾けていたそうで、ラグビーでも頭角を現し、学生生活終了後ラグビーに専念。2020年にマヌカウでNPCデビューを果たし、同年にはプレシーズンプログラムの代替選手としてハリケーンズのスカッドに選ばれます。しかし、彼が見せた勤勉さと献身性は高く評価され、契約は2020年まで延長。2021年にスーパーラグビーデビューを果たします。2022年にはフルタイムの契約を結び、オールブラックスXVにも選出される事となります。2023年はTJペレナラさんの負傷により、ハリケーンズでより多くの試合に出場するチャンスを得る事となり、スーパーラグビー・パシフィックで素晴らしいプレーを見せ、大きな成果を挙げると、オールブラックスに招集。デビューも果たします。強いフィジカル、スピード、正確な左足のキックを持ち合わせており、今後のオールブラックスの主軸として大きな期待が寄せられています。

Aaron Smith(アーロン・スミス)

生年月日:1988年11月21日 (年齢 34歳)
所属チーム: ハイランダーズ
身長: 171 cm
体重: 83 kg
テストキャップ: 119

マナワツ出身のアーロン・スミスさんは、サム・ホワイトロックさんと同じフィールディング高校出身で、卒業後美容師の見習いとして働きながら、2008年エアー・ニュージーランドカップでマナワツ・ターボスの一員として出場。同年には、ニュージーランドU-20代表にも選出され、IRBジュニア世界選手権優勝に貢献。2010年には、ブルーズのトレーニングメンバーに加わります。ブルーズでの出場機会は掴むことは出来ませんでしたが、マオリ・オールブラックスのメンバーに選出され、2011年にはマナワツ・ターボスの一員としてNPCで優勝。同年にはハイランダーズでスーパーラグビーデビューを果たします。2012年にオールブラックスデビューを果たすと、スクラムハーフの第一候補としての地位を確立し、13試合に出場。2015年にはハイランダーズでスーパーラグビーのチャンピオン、そしてRWCチャンピオンにも輝き、2014年にはオールブラックスとハイランダーズでの活躍が認められ、マオリ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。類まれなるスキルとIQの高さ、そしてその弾丸のようなパスでバックラインに勢いをつけ現在のラグビー界において屈指のスクラムハーフの1人と評されているアーロン・スミスさん。オールブラックスのバックス最多キャップを保持する彼ですが、RWC後はNZを離れ、日本のトヨタヴェルブリッツへの加入が決定しています。

選手名鑑⑥-ファースト・ファイヴ・エイス部門-

Beauden Barrett(ボーデン・バレット)

生年月日:1991年5月27日 (年齢 32歳)
所属チーム: ブルーズ
身長: 187 cm
体重: 91 kg
テストキャップ: 116

タラナキ出身のボーデンさんは、同じくオールブラックスとなるスコットさん、ジョーディさん等7人兄弟と共にプンガレフの農場育ちます。生まれ故郷のタラナキ州ニュープリマスのフランシス・ダグラス・メモリアル・カレッジでプレーした後、2010年弱冠19歳でタナラナキでNPCデビューを果たすと、翌2011年にはニュージーランドU-20代表にも選出され、IRBジュニア世界選手権優勝。2012年にはハリケーンズでスーパーラグビーデビューを果たします。フルバックとスタンドオフを兼任でき、抜群のスピードとギャップを見抜く能力、そして優れたラグビーマインドも持ち合わせているボーデンさんは、その才能を評価され2012年に早くもオールブラックスデビュー。当初はダン・カーターさん、アーロン・クルーデンさんの存在もあり、ベンチからのインパクトプレーヤーとして起用されていましたが、2014年にはテストマッチ初先発を果たすと2015年のRWCメンバーに選出され、6試合に出場し、決勝での素晴らしいトライを含めた26得点を記録するなど優勝に大きく貢献。2016年にもハリケーンズをスーパーラグビー初優勝に導くなど大活躍し、ワールドラグビー年間最優秀選手賞を受賞。翌2017年も勢いを止めることなく代表でもクラブでも大活躍を見せ、ワールドラグビー年間最優秀選手賞を連続受賞する事となります。2019年のワールドカップでは3位に終わりますが、ハリケーンズでは100capを達成し、2021年にはオールブラックスでも100capを達成。オールブラッスの最多得点者としても歴代3位を記録しており、後世に語り継がれる選手として記憶されていくでしょう。RWC後には、2020-21年の東京サントリーサンゴリアス以来となる日本のクラブに復帰し、トヨタヴェルブリッツへの移籍も決定しています。

Damian McKenzie(ダミアン・マッケンジー)

生年月日:1995年4月20日 (年齢 28歳)
所属チーム: チーフス
身長: 175 cm
体重: 81 kg
テストキャップ: 42

サウスランド出身のマッケンジーさんは、酪農家の息子として生まれ、ラグビーをやっていたお父様の影響か幼い頃からラグビーは大好きだったそうですが、10歳頃からテニスも並行してプレイしていたそうで、国内の地方大会で優勝した事もあるそうです。奨学金を得て、クライストチャーチにあるクライスト・カレッジの中等部に入学。テニスでの期待を受けての奨学金だったそうですが、この頃からラグビーに情熱を傾け始めたそうで、テニスをやめたそうです。卒業後、カンタベリーに残るか、地元のサウスランドに戻るのか悩んだそうですが、チーフスからトレーニングの誘いを受け、1つの場所に定住を望んでいたマッケンジーさんは、ワイカトと連絡を取り、契約に至ったそうです。2014年のIRBジュニア世界選手権ではU-20ニュージーランド代表として5試合に出場し、ワイカトでもNPCデビュー。2015年にチーフスでスーパーラグビーデビューを果たすと、2016年には全試合先発出場を果たし、チーム最多得点を記録し、リーグ全体でのトライランキング、得点ランキングで2位となり、大活躍。それを受けシーズンの終了後オールブックスへの初招集を受ける事となります。2015 年から 2017 年までマオリ・オール ブラックスとして選出されており、GK前の笑顔のルーティーンも大きな話題となり、一躍スターダムへとのし上がっていく事となります。2018年、マッケンジーの並外れたパフォーマンスにより、3年連続でSANZAARの年間最優秀選手に選ばれ、オールブラックスとしても活躍し、期待された2019年のワールドカップですが、シーズン終盤に膝に大怪我を負い、出場とはなりませんでした。その後怪我からカムバックし、2021-22年には日本の東京サントリーサンゴリアスへの移籍を発表。翌シーズンにはチーフスへ復帰し、オールブラックスへの復帰も果たします。フルバック、スタンドオフの両方でプレイでき、先発としてもベンチからでも輝きを放つ圧倒的なスピードとランで多くの人を惹きつけるマッケンジーさん。RWC後モウンガさん、ボーデンさんがNZから去る為、オールブラックスの司令塔の座はこれから彼が担う事となるでしょう。

Richie Mo'unga(リッチー・モウンガ)

生年月日:1994年5月25日 (年齢 29歳)
所属チーム: クルセイダーズ
身長: 176 cm
体重: 83 kg
テストキャップ: 49

クライストチャーチで出身で、トンガ生まれのお父様ととサモア生まれのお母様の間に生まれたモウンガさんは、学校を卒業後の2013年のカンタベリーでフルメンバーに選ばれなかったものの、負傷者やオールブラックス選手の欠場をカバーするために招集され、NPCに8試合に出場し、カンタベリーと契約。翌年の2014年にはニュージーランドU-20代表に選出され、RBジュニア世界選手権に出場し、チームの3位に貢献。その後クルセイダーズと契約し、スーパーラグビーデビューを果たしたのは2016年で、好パフォーマンスを連発し、16試合に出場して179得点を挙げるなど大活躍。2017年は司令塔としてクルセイダーズを8度目のスーパーラグビー優勝に導き、スーパーラグビー屈指のスタンドオフとしての地位を確立。その年のブレディスローカップにオールブラックスとして初招集を受ける事となります。以降もファンタジー溢れるランと圧倒的なスキルを武器にオールブラックスに定着。2019年のワールドカップメンバーに選ばれます。クラブでもクルセイダーズの7連覇に貢献する絶対的存在として君臨し、2020年と2021年にはNZラグビーアワードでスーパーラグビー年間最優秀選手賞を連続受賞。今年のRWCも司令塔として活躍が期待されています。RWC後には日本の東芝ブレイブルーパス東京に移籍が決定しており、日本のファンをきっと沸せてくれるでしょう。

選手名鑑⑦-ミッドフィールダー部門-

Jordie Barrett(ジョーディ・バレット)

生年月日:1997年2月17日 (年齢 26歳)
所属チーム: ハリケーンズ
身長: 196 cm
体重: 106 kg
テストキャップ: 52

タラナキ出身のジョーディさんは、兄であるボーデンさん、スコットさんと共に育ち、学生時代はラグビーをプレイしながらもクリケットもプレイしており、その実力はニュージーランドU-19クリケット代表の選出候補に入る程だったそうです。クリケットへの道へ進む可能性もありましたが、2016年にリンカーン・カレッジでのプレーが評価され、ニュージーランドU-20代表に選出されると、以降ラグビー1本に情熱を傾ける事となります。同年には、カンタベリーでNPCデビューを果たすと、活躍を見せ、2016年にはハリケーンズと契約を結ぶと将来性を評価され、同年の北半球ツアーに同行。翌年の2017年にスーパーラグビーデビューを果たすと、オールブラックスに初招集されデビューを飾ります。これは兄弟3人が同じオールブラックスのスカッドに名を連ねるという初の快挙となるそうです。以降オールブラックスに必要不可欠な存在として定着し、2019年のRWCメンバーにも選出。正確で長距離も蹴れるキックとバックスのポジションならどこでもこなせるという天才的なユーティリティ性を武器にチームを引っ張ります。

David Havili(デビッド・ハヴィリ)

生年月日:1994年12月23日 (年齢 28歳)
所属チーム: クルセイダーズ
身長: 184 cm
体重: 88 kg
テストキャップ: 25

タスマン出身のハヴィリさんは、ネルソン・カレッジを卒業後ネルソンの地元クラブでラグビーをしながら、建設業者の見習いとして働き、2014年タスマン・マコでNPCデビューを飾り、ニュージーランドU-20代表として怪我人の代役ながらIRBジュニア世界選手権に参加します。2015年にクルセイダーズのトレーニングメンバーとしての招集でしたが、チャンスが巡り、11試合に出場。以降クルセイダーズの主力選手として定着し、現在までのスーパーラクビー7連覇に貢献。オールブラックスデビューは、2017年。その後3年間は招集される事はありませんでしたが、2021年はスーパーラクビーで素晴らしいプレイを披露し、オールブラックスに再招集。類まれなユーティリティ性とスキルを武器にオールブラックスのバックス陣の屋台骨を支えます。

Rieko Ioane(リーコ・イオアネ)

生年月日:1997年3月18日 (年齢 26歳)
所属チーム: ブルーズ
身長: 189 cm
体重: 105 kg
テストキャップ: 63

オークランド出身のリーコさんは、元サモア代表の父エディさんと元NZラグビー女子代表の母サンドラさんの間に生まれ、兄にオールブラックス21キャップを保持するアキラさんがいます。天から与えられた自慢の快足を武器にわずか17歳で2015年アキラさんと共に7人制ニュージーランド代表に選出。同年にはオークランドでNPCデビュー、そしてマオリ・オールブラックスにも選出されます。以降リーコさんは15人制に専念し、2016年にはブルーズでスーパーラグビーテビューを果たします。そして、同年その圧倒的な才能を評価され、19歳と239日でイタリア戦のベンチに入り、オールブラックス8番目の若さでテストデビューを果たし、トライを決める活躍を見せます。翌年にはウイングとしてオールブラックスの地位を早くも固める事となり、2019年にはRWCメンバーに選出。2020年からはウイングから活躍の場をセンターに移しており、快足に加え、高いスキルとハードなディフェンスも披露。RWC後もNZに留まる事が決まっており、来年以降オールブラックス顔の1人としてチームを牽引していく事を期待されています。

Anton Lienert-Brown(アントン・レイナート=ブラウン)

生年月日:1995年4月15日 (年齢 28歳)
所属チーム: チーフス
身長: 185 cm
体重: 96 kg
テストキャップ: 63

カンタベリー出身のALBさんは、学生時代の活躍と才能が評価され、2014年と2015年の両方でU-20ニュージーランド代表に選出。2015年には優勝。2014年にはオファーを受けワイカトでNPCデビューを果たすと、弱冠18歳でチーフスでのスーパーラグビーデビューを果たす事となります。以降素早いスピードと彼の代名詞でもある華麗なオフロードパスでセンターとしてチーフスでの地位を確立していきます。その活躍が評価され、負傷交代要員としてではあるもののオールブラックスに初招集。2019年のワールドその後は中々先発出場としての機会は多くはないものの着実にキャップを積み重ねていき、2021年には50キャップを達成。プライベートではワイカト大学でスポーツと商業を学び、マッケンジーさんと元オールブラックスの「グリンズ」というRTD飲料ブランドを立ち上げるなどビジネスマンの側面も見せています。

選手名鑑⑧-アウトサイドバック部門-

Caleb Clarke(ケイレブ・クラーク)

生年月日:1995年4月15日 (年齢 28歳)
所属チーム: ブルーズ
身長: 189 cm
体重: 109 kg
テストキャップ: 18

オークランド出身で、お父様に元オールブラックスのエロニ・クラークさんを持つケイレブ・クラークさんは、2017年と2018年にU-20ニュージーランド代表に選出。同年にはオークランドでNPCデビューを果たします。そして爆発的なスピードと圧倒的なフィジカルを武器に7人制ニュージーランド代表にも選出。ブルーズでスーパーラグビーデビューも果たします。2020年にはパンデミックが世を包み込む中、その才能開花し、スーパーラグビー・アオテアロアで席巻。そして、ブレディスローカップの2つの試合で衝撃的なオールブラックスでの第一歩を大きく踏み出します。2021年は東京オリンピックで7人制に再挑戦するも上手くいかず、15人制へ復帰する事となります。ネクスト・ジョナ・ロムーと評されており、ファンは彼の未来が明るく照らされている事を知っています。とても陽気で明るい性格の持ち主であり、その愛くるしいキャラは多くのファンの心を掴んでいます。

Leicester Fainga’anuku(レスター・ファイガアヌク)

生年月日:1999年10月11日 (年齢 23歳)
所属チーム: クルセイダーズ
身長: 191 cm
体重: 109 kg
テストキャップ: 3

トンガ出身で、お父様にトンガ代表のマラカイ・ファインガアヌクを持つレスター・ファインガアヌクさんは2000年代初じめに家族と共にニュージーランドへ移住。15人制をプレイしていましたが、当初は13人制のラグビーを好んでおり、大学卒業後オーストラリアの13人制クラブと契約寸前まで行きますが、お父様の反対にあって、頓挫。その後タスマン・マコと契約し2018年にNPCデビュー。U-20ニュージーランド代表にも2018年、2019年と選出されており、2019年にはクルセイダーズに入団し、スーパーラグビーデビュー。クルセイダーズのスーパーラグビー7連覇に貢献。2022年には待望のオールブラックスへ初選出され、持ち味である類まれなるスピードとフィジカル、ウイングとセンターを兼任出来るユーティリティ性でチームにダイナミズムを加えていきます。2023年のスーパーラグビー・パシィフイックでは素晴らしい活躍を見せ、今年ワールドカップでも活躍が期待されていますが、RWC後TOP14のトゥーロンへの移籍が決定しています。

Will Jordan(ウィル・ジョーダン)

生年月日:1998年2月24日 (年齢 25歳)
所属チーム: クルセイダーズ
身長: 188 cm
体重: 94 kg
テストキャップ: 25

カンタベリー出身のジョーダンさんは、クライストチャーチ・ボーイズ・ハイスクール出身で、ワールドチャンピオンシップで優勝した2017年のニュージーランドU-20代表のメンバーに選出され傑出した活躍を見せると、同年末にはタスマン・マコでもデビューを果たしました。2018年にクルセイダーズと契約。そのシーズンは怪我でシーズンを棒に振ってしまいますが、2019年のNPCで目を引く活躍を見せ、タスマン・マコの史上初のプレミアシップタイトル獲得に貢献。同年にはクルセイダーズでスーパーラグビーも果たしており、素晴らしいスピードと抜群のポジショニング、そして天性のトライへの嗅覚を備えたウイング&フルバックは、2020年にオールブラックスデビュー以来25試合で23トライをあげており、その才能をいかんなく発揮しています。

Emoni Narawa(エモニ・ナラワ)

生年月日:1999年7月13日 (年齢 24歳)
所属チーム: チーフス
身長: 184 cm
体重: 98 kg
テストキャップ: 1

フィジー出身のナラワさんは、奨学金を受けてハミルトンボーイズハイスクールに通い、その後拠点をベイ・オブ・プレンティでNPCデビューを果たすと37試合に出場して24トライを挙げ活躍。2020年にスーパーラグビーデビューを果たしたブルーズではあまり出場機会が得られませんでしたが、かつてのベイ・オブ・プレンティでの恩師クレイトン・マクミランHCが指揮を執るチーフスへ移籍すると、9試合で5トライを挙げ、2023年にその才能は爆発し、先発メンバーに定着。その爆発的スピードと力強いキャリーはオールブラックス首脳陣の目に留まり、今年のTRC初戦のアルセンチン戦でオールブラツクスデビューを飾り、トライも奪う事となります。Xファクターとしてチームの流れを変える活躍に期待です。

注: トレーニング中に背中を痛め、RWCメンバーからの離脱が発表されました。

Mark Telea(マーク・テレア)

生年月日:1996年12月6日 (年齢 26歳)
所属チーム: ブルーズ
身長: 186 cm
体重: 94 kg
テストキャップ: 5

オークランド出身のテレアさんは、南アフリカ出身のお父様とサモアにルーツを持つお母様の間に生まれ、高校での活躍後、2016年ノースハーバーでNPCデビュー。素晴らしいスピードと俊敏性、驚くほどの体の強さを誇るテレアさんの活躍は、ブルーズのコーチングスタッフの目に留まり、2018年にブルーズAチームへ加入、2020年にブルーズでスーパーラグビーデビューを果たします。その後ブルーズではトライを量産するも、オールブラックスへは中々縁遠かったものの、2022年に待望の初招集を受け、デビュー戦となったスコットランド戦で2トライを奪うなど鮮烈なデビューを飾ります。両サイドのウイングをカバーでき、トライだけに限らずチームの為に体を張っていくプレーで現在オールブラックスでの地位を確立しようとしています。


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