般若寺 と 旧奈良監獄
12月上旬のことです。
東大寺 転害門 から歩いてバス通りを道なり北へ向かいました。奈良坂を上り切ったところに目的地、真言律宗般若寺です。
コスモス寺とも言われる般若寺。コスモスと般若って、私はどうもあまり結びつかないのですが。
聖武天皇が平城京の鬼門方角(東北)を守るために「大般若経」を納めたから「般若」寺という話が寺のパンフレットの縁起説明にありますが、実際のところは創建事情や時期についての詳細は不明なようです。
平治の乱後の南都焼打で般若寺も廃寺状態だったようで、創建当時のものはほぼないです。なので詳しい由来もわからないことが多いのですね。そういうお寺はたくさんありますね。奈良時代に建立されているようなのに、鎌倉時代の仏像があったりだとか。元興寺とか西大寺とかもそう。
あの東大寺の大仏も再建やからな~
天気の良い休日ですが私のほかには、一名の参拝者がおられるだけ。
のどか、静か、といった表現が似合う場所ですね。
秋はコスモスですが、春は山吹、冬は水仙に彩どられるお寺のようです。
本堂は文殊菩薩がおられるということで!善財童子もおられました。やさしい眼で伺うように菩薩様を見ているのですよ。
私は灰谷健次郎の「兎の眼」の影響で、善財童子には思い入れがあるのですね。タイトルの「兎の眼」は、西大寺の善財童子の美しい瞳のことです。「兎の眼」はどうやら関の東西で認知度が異なるようですが、未読のかたは是非。
般若寺の裏手に、旧奈良監獄(奈良少年刑務所)があります。平成20年代まで少年刑務所として実際に使われていたようですね。監獄をあまり瀟洒にすると、入りたがる人が出ませんかね。どうでもいい心配をします。
こういう建物、どこまで近づいていいのかよくわからなかったので、ちょっと遠くから撮ってます。
もうすぐ星野リゾートが奈良監獄をホテルにするそうです。監獄のホテル化は、日本初のようです。ホテルになるとこのあたりの雰囲気も変わるのでしょうか。
上海も旧マンションや旧商館が、今はホテルになったりしていてオールド上海(浦西地区)の空気を作っているなとふと思い出します。旧阿片統括事務室みたいなのがいまは普通に客室になってたな。
坂を下りたところに北山十八間戸もあります。道が一筋、角を一つ曲がると、まちの表情は変わりますね。
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