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すごく気になる女が二人 ー 東京国立博物館 特別展「やまと絵」

現在、東京国立博物館で開催中の、特別展「やまと絵」。

いろいろ、ほんとうにもう、見どころ満載ですが、その実物を一度見て、忘れられない女が二人いました。

ひとりは、この子。

(展示作品 No.189)
『福富草紙』に出てくる夢占師のところにいる女の子。

『福富草紙』
(秀武、夢占師の前で放屁の術を体得する)場面

続日本の絵巻27(中央公論社)
『能恵法師絵詞 福富草紙 百鬼夜行絵巻』表紙より


屏風に隠れながら、放屁の術をしまくる秀武をそっと見ているのですが、彼女の頭の中がリアルに想像できると言うか、今でもこんな子いるなぁと。

そして、もう一人はこちら。

(展示作品 No.185)
『土蜘蛛草紙』のあばら家に棲まう女。

目が大きくて、ふっくらした唇。
でも、なんだか人でないような。
この違和感はなんだろう。

『土蜘蛛草紙』
(頼光、怪しい美女に斬りかかる)場面

続日本の絵巻26(中央公論社)
『土蜘蛛草紙 天狗草紙 大江山絵巻』より


「立ち上がる女」というのも、珍しいのですが、
焦点のあっていない目が怖い。
じっと見ているうちにクラクラしてきます。


妖怪もあの世も近くにあって、
中世は異界が活き活きしてる。

そして
子どもには、
異界が透けて見える。

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