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如実知自心〜ありのままの自分の心を知る〜【二】

私の煩悩

煩悩とは、何か。

執着する必要がないことに執着したり、
憎まなくてよいものを憎んだり、
本来、白も黒も含んだことなのに、
「自分にとって都合がよいから」という
ただそれだけの理由で白の方を選んだりして、

その結果、
自分で自分の行き先を狭めていき、
最後には苦しみにさいなまれる


そんな、自分自身を間違った判断と愚かな行動へと導く
心の作用のことを、「煩悩」と言う。

私が「自分の行き先を狭めて、苦しみに苛まれる」
ようになった信念は、

「苦労をしている人が偉い」
「当たり前に愛されている人には、人間的な深みがない」
「自己犠牲をすることでしか、存在することは許され得ない」

というものだと推定しています。

結果として、

「幸せを得ようと努力すること」
「幸せに向かおうとすること」
自体が、浅ましい、厚かましい行為だと
見做みなすようになっていました。

自分自身が
褒められたり、
評価されたり、
何か嬉しい結果を受け取ることから
逃げ出したくなるんです。

そんなもの欲しくてやってたんじゃない。
そんな下心があると思われるなんて心外だ、
みたいな。

そんな調子で
いつまでも受け取れないままでいると、
機会を逃し
その結果を他の人が受け取る(ように見える)場面を、
背中を向けて見過ごすことになります。

でも、ふつうに面白くないんですよ。
下心があったつもりはなくても、
自分の代わりに別の誰かが褒められていると思ったら
腹が立つ。(あくまで私の主観の世界の話です。)

…そういう自家撞着を、
繰り返してきたんだと思います。

だから、
「つねに没頭していたい」
と思っていたのかもしれません。

他人が介在して、“結果”という区切りをつけられると
「できるようになる楽しみ」を奪われる上、
それが「誰かに奪われる」ような、
「私には何も残らない」ような、
そんな不愉快な思いを味わうことになる。

だから、一番楽しい
「努力を積み重ねている」状況がずっと続けばいい。

そして、せっかく積み重ねるんなら
誰にも奪われることのない、
「自分だけの仕事」がいい。

そこに全てを注ぎ込みたい。

私が「命の活かし方」…
言い方を変えれば、「使命」や、「天職」…
ここにこだわる理由は、
そんなケチな自己保身が出発点だったのかもしれない。

私の「欲」には、利他心と利己心が入り混じっている

私が十年くらい、人生の道標にすることで、
心の支えにしていた師匠の言葉に、こういうのがあります。

私なりに解釈してみると、こんな感じです。

大欲=大志、天命などの内発的なエネルギーに突き動かされる感覚。
周囲の環境にも好影響を与えられる選択ができる。

小欲=優越感・劣等感の次元で起こる競争心。
誰かを負かして、自分一人が望ましい状態に至るための選択になる。

さらに、私を突き動かすものには、
もう1つ「ノイズ」と言うものも、あるのではないかと思っています。
プロパガンダによる刷り込みとか、
目上の人間の小欲から発した刷り込みとかが原因で、
自分の行き先を狭め、苦しい方に追いやっていく、
自分自身にかかった呪詛のようなものをイメージしています。

ノイズは体感に欠けるから、
自分の感覚をよく観察することさえやめなければ、
まだ見極めは効きます。

でも、小欲と大欲の区別が難しいんです。

今、私がこだわっている
「大欲」を特定した原動力は、

周りにいる人間の嫌らしい一面に対して
「こうはなりたくない」という、
優越劣等の価値観から出発したものだった。

なら、これは小欲なのか。

でも、一番最初に感じた「こうはなりたくない」は、
おそらく私自身の美意識による、素直な直感だった。

突き動かされた後に、自分に自分でつける
後付けの理由を、
しょっぱいくだらないものにしているか
大いなる意志と捉えているか
の違いでしかないのかもしれない。

ゆるされるために、自己卑下する癖
を身につけてきた覚えもあるんです。

「あとから来るもののために」という倫理観を、
大事に育ててきたものを手放してでも守り抜いた。

それは自分の人生への自負でもあるし、

しょっぱい「処世術」を見せられた誰かへの
「てめえと一緒にすんじゃねえや」
という拒絶とあてつけでもあった。

私がこうして、
自分の原動力について
「大欲」か「小欲」か「ノイズ」か
の分析にこだわるのは、判断を誤りたくないから。
周囲に迷惑をかけたくない」が根っこにある。

そして、いい加減、
「周囲に迷惑をかけずに生き切る」ことが
無理難題であることにも気づいている。

→命そのままで生きるとは、

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