パーソナリティ障害

パーソナリティ障害は、思春期前後の成人期に多く見られる。
性格の偏りにも見えるが、その内容にはある傾向があり、原因は遺伝子と環境の相互作用の結果であるとされている。

パーソナリティ障害には様々な種類がある

  1. 猜疑性パーソナリティ障害

  2. 統合失調型パーソナリティ障害

  3. 反社会性パーソナリティ障害

  4. 境界性パーソナリティ障害

  5. 自己愛性パーソナリティ障害

猜疑性パーソナリティ障害

猜疑性(さいぎせい)パーソナリティ障害の特徴は、人を信用せず挫折体験とか他人から受けた拒絶に過度に反応する。自分の権利を必要以上に主張し、過度に自尊心が高く嫉妬深いのが特徴である。
「他人から騙された」と感じると、落ち込んで考えすぎてしまったり、時には攻撃的な行動に出る場合もある。

統合失調型パーソナリティ障害

統合失調型パーソナリティ障害の特徴は、他人との感情的接触を避け、孤立的・空想的・内向的な性格傾向を示すことである。
感情表現に乏しく温かみや優しさが感じられず、他人の賞賛や批判に非常に敏感である事が特徴である。

統合失調症なのかパーソナリティ障害なのか非常にわかりにくいので、すぐに他の専門機関にリファーする事を考える必要がある。

反社会性パーソナリティ障害

反社会性パーソナリティ障害の特徴は、社会的義務・ルールを無視して他人を思いやる事をしない。激しい攻撃性を示し、冷淡な無関心を示す。
その行動は一般的社会通念からは逸脱しているものでもあり、矯正しにくいのが特徴的である。他人を責め、行動異常についてもっともらしい言い訳を述べ、逃れようとする傾向がある。

反社会性パーソナリティ障害の方は、カウンセラーとの信頼関係は築きにくいのも特徴である。
カウンセラーに攻撃的質問をしてきたり、クライエントに振り回されてしまう事が予想される場合には他の専門機関と連携を取り、相談しながらカウンセリングを進めていく必要がある。

どうしても対応にこまる場合はカウンセリングを中断する事も必要となり、クライエントの利益につながる判断をするように心がける事が必要だ。

境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害の特徴は、感情が不安定で、不安・怒り・焦り・抑うつなどが見られる。
慢性的な空虚感があり、衝動的な浪費、自傷行為が見られ、自己の目的のために他人を利用したりする。
自傷行為などを用いて他者の関心をひこうとするため、周りを巻き込む。カウンセラーも巻き込まれる事があるので、粘り強く一貫した態度を心がけることが重要。

自己愛性パーソナリティ障害

自己愛性パーソナリティ障害の特徴は、自分の才能、特殊性を強調し、絶えず人の注目や賞賛を求める事である。
他者の感情は無視し、自分の失敗に関しては激怒したり屈辱感を強く感じるなどの過度の感情が生じやすい傾向にある。

他人に特別な行動を期待し、他者を利用したりする事もあり、カウンセラーが振り回れてしまう事もある。カウンセリングの枠を意識し、対応する事が非常に重要である。

心がける事

パーソナリティ障害を抱えるクライエントは信頼関係が築きにくくカウンセリングを継続して行くことが困難な場合が多くある。その店をしっかりと理解してスーパーヴァイアスも受けるように心がける。
病院で治療中の場合は主治医にカウンセリングを受けてもよいかどうかの確認が必要なので注意深く関わっていく事が必要だ。


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