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【ヒトツカタ】 折り紙のレガシー・・・

レガシー(legacy)は英語で「遺産」を意味する言葉です。 本来は「亡くなった人がのこした財産」を意味するのですが、派生的に「世代から世代へ受け継ぐものごと」も意味します。 日本語のレガシーは、後者をさします。(https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/第27回-レガシー)

小学校1年生の時じーちゃんが亡くなり、一人息子の父さんが、残された一人暮らしのばーちゃんの様子を見るために、毎週土曜日に家から小一時間離れた山の上にある父さんの実家に行くのが我が家の週末の習慣になりました。父さんが運転する小さい「スバル360」に家族4人が乗り込んで、山道の急坂をユルユルと登る車の窓から、山と山の間に見える青い海と水平線を見るのが楽しみでした。

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そんな週末のある日、ばーちゃんの家の縁側で日向ぼっこしていると、いつも2歳上の兄ばかり可愛がって私を無視するばーちゃんが、めずらしく私に話しかけてきました。「いいから・・・チョットそこに座って・・・今日は鶴の折り方覚えなさい・・・日本人は鶴くらいおれるようにならんとはずかしいよ。」と、おもむろに新聞紙を縁側に広げ始めました。

いつもは耳の遠いばーちゃんと話すのが苦手な私も、その日は何故か素直にばーちゃんのいうこと聞きながら、見よう見まねで新聞紙で鶴の折り方を覚えました。

午後の暖かい日差しが差し込む縁側で、時間の経つのを忘れて夢中になって折った新聞紙の鶴は、普通の折り紙の倍くらいの大きさでチョットヘナヘナしていて決して綺麗とは言えませんでしたが、ちゃんと鶴の形をしていました。新聞紙のインクで真っ黒になった指先は、遠い昔のことなのに、ついこの間のことのように鮮明に覚えています。そして、その時に覚えた鶴の折り方は、半世紀以上経った今もちゃんと覚えています。

いつだったか、私が尊敬する一人の女性が、亡くなる数ヶ月前に「自分がこの世からいなくなった後も、後世に何かを残す生き方をするのがレガシーです。毎日、自分のレガシーを残す生き方を心がけなさい。それは偉業を成し遂げるとか有名になるとかと言うことではなく、毎日の暮らしの中で既にしていることをレガシーとつなげる意識を持つことです。」と言ったことを思い出しています。

それは、親が子供に本を読んで聴かせることであったり、庭の片隅に木を植えることであったり、子供や孫と一緒に夕飯の支度をすることであったり・・・ばーちゃんが孫に鶴の折り方を教えることであったり・・・その人が今置かれた場所や立場で、レガシーを伝える可能性は無限大に存在します。

こうして、noteで自分の想いや描いた絵を投稿する行為も・・・レガシーになる・・・はず・・・だよね?

と、自問自答しながら・・・

今日のヒトツカタアート、「レガシー」を公開します。

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あなたにとってのレガシーとは?

よかったら、絵を見ながら考える機会にしてください。

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