法の下に生きる人間〈第17日〉

国民保護法は、全10章から成り、その条文は、第194条まである。

国民の生存が脅かされるのだから当然ではあるが、細かい部分まで定められている。

1章から10章までの概要をみてみよう。

①総則(第43条まで)
②住民の避難に関する措置(第73条まで)
③避難住民等の救援に関する措置(第96条まで)
④武力攻撃災害への対処に関する措置(第128条まで)
⑤国民生活の安定に関する措置等(第140条まで)
⑥復旧、備蓄その他の措置(第158条まで)
⑦財政上の措置等(第171条まで)
⑧緊急対処事態に対処するための措置(第183条まで)
⑨雑則(第187条まで)
⑩罰則(第194条まで)

以上である。

特に、第2章から第6章までは、避難から当面の生活の安定、復旧や備蓄対策など、時系列に条文が連なっていることがイメージできるだろう。

さて、私たちは、その内容を一度でも確認しただろうか。

報道されないからと言って、テレビなどマスコミのせいにしてはいけない。

皆さんがお住まいの自治体のホームページには、必ずどこの自治体でも、国民保護計画が公表されている。

それは、国民保護法の第34条と第35条で、自治体による国民保護計画の作成が義務づけられているからである。

【第三十四条】
都道府県知事は、基本指針に基づき、国民の保護に関する計画を作成しなければならない。
【第三十五条】
市町村長は、都道府県の国民の保護に関する計画に基づき、国民の保護に関する計画を作成しなければならない。

ちなみに、第34条に書かれてある「基本指針」とは、第32条で次のように定められている。

【第三十二条】
政府は、武力攻撃事態等に備えて、国民の保護のための措置の実施に関し、あらかじめ、国民の保護に関する基本指針(以下「基本指針」という。)を定めるものとする。

この基本指針を定めるのは誰かというと、内閣総理大臣である。(条文に明記されている)

最初に作成したのは、当時の小泉純一郎総理大臣である。その後、歴代内閣の閣議決定(及び国会での報告)により変更が何度かなされて、現在の基本指針は、平成29年12月以来、6年近く変更されていない。

平成29年12月は、今は亡き安倍総理が、基本指針の変更を行なった。以来、菅義偉元総理も岸田総理も手を加えていないことになる。

内閣官房は、国民保護ポータルサイトを公開しているので、お住まいの自治体の国民保護計画とともに、基本指針もチェックしておくと良いだろう。

続きは明日である。






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