政令指定都市めぐり【第15回】

家康が築いた駿府城の天守閣から見える富士山は、さぞ絶景だったことだろう。

現代の私たちでも、富士山が見えるところに住むことに憧れるほどである。今とは違って、高層ビルもなく、電線や電柱など遮るものが何も無い時代だった。

私たち以上に、昔の人は富士山を愛したことだろう。

ところで、家康は、駿府城の築城だけでなく、浜松城の改修も命じていた。

今日は、静岡県のもう一つの政令指定都市である浜松市に移動しよう。

昨日の記事でも触れたとおり、浜松駅は、静岡駅から西の掛川駅をそのまま通過する「ひかり」に乗れば20分で着く。

浜松市の行政区は、実は、年内をもって7区制は終了する。

来年1月1日から、3区に減少するのである。

区の数が減少するのはどういうことかというと、他の区との統廃合を図るのである。

2年前から市議会で議論が本格化し、現在の①天竜区、②浜北区、③中区、④東区、⑤西区、⑥南区、⑦北区の7区について、天竜区だけそのまま残し、浜北区及び北区の一部は「浜名区」、中区・東区・西区・南区及び北区の一部は「中央区」に変更される。

これらの行政区再編によって、市全体で6億5000万円の人件費削減が見込まれるという。

人件費削減とは、市職員や区職員の定数を減らすのである。

背景には、全国的な少子高齢化の影響で、財政状況が厳しくなっていることがあり、このままでは住民サービスの質の低下を招きかねないとして、苦渋の決断に至ったようである。

道路標識の変更など、また別のところでお金がかかるが、長く住み慣れている住民にとっては、さまざまな行政手続きで最初のうちは戸惑うことも多いのではないだろうか。

そこは、市職員も区職員も大変だが、丁寧な説明が期待されるだろう。

改編されて新しくできる中央区や浜名区には、浜松城だけでなく、有名な浜名湖もある。

うなぎパイの土産は、私が子どもの頃からあるが、定番商品である。また、静岡県西部ではトップの産出量を誇る三ヶ日みかんも美味しい。

これから迎える年末年始には、ぜひコタツにみかんのセットで冬を感じたいものである。

浜名湖では、釣りや遊覧船が楽しめるが、日本で唯一の湖上ロープウェイである「かんざんじロープウェイ」から見える遠州灘のパノラマもまた格別である。

浜名湖東岸の「舘山寺(かんざんじ)温泉」は、海に近いこともあり、塩分濃度が高い。

新幹線の浜松駅からは、舘山寺温泉まで50分で行ける路線バスやシャトルバス(=今は運休中)が出ている。

西は浜名湖、東は富士山。そして、いい湯だな。

ふだん新幹線の「ひかり」に乗らない人にとっては、ぶらっと出かけるには、ちょうどいい近さかもしれない。











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