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【映画感想文】『世界の中心で愛を叫ぶ』

 初めて、映画感想文たるものに挑戦してみようと思う。今回は、「世界の中心で愛を叫ぶ」通称「セカチュー」。

 クラスにいる周りのから頭一つ分出ているそんな存在の女子、広瀬亜紀。そして、松本朔太郎。この二人は、あることをきっかけに仲良くなり、付き合った。この二人は高校2年生。

 ある深夜ラジオでお便りが採用されると、カセットテープが聞ける「ウォークマン」がもらえるというものがあった。これに、二人でどちらが先に採用されるかを競い合っていた。そんな時、朔太郎は、クラスメイトが白血病で文化祭のステージに立つことが出来なかったという嘘のお便りを送り、見事に採用され、ウォークマンを手に入れた。しかし、亜紀はそれに対してたいそう腹を立てた。その日から、この二人は、カセットテープに録音した音声で文通のようなことをした。亜紀と朔太郎の関係は徐々に深まり、ある日、二人で夢島に出かけた。旅行を満喫してさらに関係が深まるのかと思いきや、亜紀は旅行中に倒れた。夢島旅行の日から亜紀は入院することになった。病名は、白血病。亜紀が入院してからもカセットテープでのやり取りは続いた。そんなある日、夢島旅行の時に拾った古びたカメラを顔なじみの写真屋で現像してもらった。それは、オーストラリアの写真だった。その写真を病室で見た亜紀はオーストラリアに行きたいと思った。そこで、亜紀と朔太郎は二人でオーストラリアに行こうと決めた。そのために、まず、パスポート用の写真を撮りにその写真屋に行った。その時に亜紀と朔太郎の二人で結婚式風の写真も撮影した。オーストラリア行きの準備は進む中、亜紀の病状は悪化していく。そして、オーストラリアに行く当日、台風接近によるあいにくの悪天候で飛行機の欠便。空港のロビーで突然、亜紀は息を引き取った。二人でオーストラリアに行くというのはかなわなかった。

 朔太郎がすっかり、大人になり、親が半ば強制的に決めた結婚相手の律子。朔太郎はやはり亜紀のことが忘れられなかったのか、どこか律子を愛せなかった。突然、亜紀のことを思い出した朔太郎は当時、亜紀とやり取りしていたカセットテープを持ち出し、思い出に浸る。律子は、亜紀との思い出に浸っている朔太郎をたまたま見かけた。実は、この律子は自分が小さかった頃、律子の母親が入院していた病院で、当時可愛がってくれたお姉さんこそが広瀬亜紀だったのだと気づいた。亜紀が入院してから、朔太郎と亜紀のカセットテープのやり取りの仲立ちとなっていたのが律子だった。律子が渡せないままいた、亜紀の最後のカセットテープ。この時、十何年ぶりに律子は朔太郎に亜紀のカセットテープを渡した。その内容は、亜紀の骨をオーストラリアに散骨してほしいという内容だった。それから、朔太郎と律子が二人でオーストラリアに行き、亜紀の骨をそこに散骨したというところで、この映画は終わる。

  朔太郎は、亜紀とまだ関わりをもって間もない頃、恋愛は、相手が亡くなったら終わりだと言っていたが、亜紀がこの世からいなくなっても今までずっと亜紀のことを思い続けていた。亜紀という一人の人間が朔太郎の価値観を変えたのだと思い、出会いがいかに大切なものかと考えずにはいられなくなった。涙なしでは見られない。そんな言葉が相応しい作品なので、ぜひ、見てほしい。 

                             byれなりん

  

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