通路に近い大きなコピー機の近くに
自分の定位置がある
隣の机は空いていて
その向こうに生あくびを繰り返す人がいる

その生あくびの人は
今週の月曜に
宝くじの売店の仕事を
気楽な仕事だと言っていた人だ

この人はもう開き直り出した
ややこしい事は聞いた後で
理解できないというか
もう理解しようとしないで

断る予定で人を話を聞いているから
相づちの声が軽く
「へ～～↑」と本当に理解してません
アピールを繰り返し

途中で「エへへ～」と笑い出す
そんなやり取りを一日に数回は
自分は聞いているが
その人に説明している人はかなり真剣だから

もうやめておけと声をかけたくなる
だけど真剣な人も
生あくびの人に何とか理解して欲しいので
同じような「エへへ～」を出しながら

根気よく説明する
そしてあまりクドクドになってくると
生あくびの人も開き直り全開で
自分の楽な方へと回答して

話が自分の楽な方へまとまると
「エヘエへ～」を真剣な人を
お見送る
そして

一人になった
生あくびの人は
大きなため息をついて
大きな仕事を終えたと思いながら

お茶を飲み
気持ちのいい
ほっとした声をだす
いい仕事している

いい開き直りの
いい仕事を毎日と繰り返し
毎日
開き直り笑いが繰り返される

一人だけ
生あくびの人の扱いを
よく知る人が近づいて来て
仕事の話をしている

かなり偉い人のようだ
大きな声で
「仕事してる～！」と声をかけた
生あくびの人も

その偉い人も
二人仲良く
「エへへ～～～」と
笑い出した

なんだ
この光景は
もう何でもありじゃ無いか
自分も笑えない笑いが

出そうになって
自分の席を離れた