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「18/40~ふたりなら夢も恋も~(第9話)」子育てと夢の創造は一緒にする時代

前回から1年近く経ったのだろう。子供の成長からそれは読み取れる。ネットでは「シングルマザーを舐めるな」的なことが多く書かれたようだが、周囲の人々全員で育てるこういう姿が新しい形なのかもしれない。子供は一人で育てるものではないという論理が周囲に広がればいいのだ。男が育児を手伝うのも当たり前だが、母親一人で頑張るものでもないだろう。社会のシステムを変えるよりは、自分のマインドから変えていけば、ここにあるような育児も可能なのでは?人間、誰も一人ではないですよ。

まあ、福原遥が、育児に、学校の授業に、そしてキュレーターになるための勉強もこなし、カフェのアルバイトも再びやろうとするのが、無理なことに描かれていないのはいいことだ。己を愛して、好きなことをやって暮らしていけば、そのくらいのことができるのが人間なのだ。ただ、一般的にはここまでやると精神のバランスを崩すことが大きい。その意味で、このドラマでは深田恭子と同居するという環境があるわけだ。今回のラスト、福原がこの家を出ることを決め、深田が結婚を決める。そして、深田が「少し前に進んでみようか」という。そう、そのくらいの軽いスタンスの中なら、苦しいことも楽しいことに変わるのである。

今回、なかなか印象的だったのは、不妊治療を断念した松本若菜。産婦人科医として2000人の赤ちゃんを取り上げながら、自分の子供が持てなかった悔しさ。その、なかなか刹那い時間を好演していた。この人、最近は、クセのある役をやってブレイクしたこともあり、こういう普通に優しい役は久々のような気もする。そして、感じることは「いい女優さんになった」ということだ。これからも期待しております。

そして、福原は、キュレーターの審査会のプレゼンの前に子供が熱を出したという連絡を受ける。自分のことより子供と考えるのはお母さんとしては当たり前だ。そこに救世主的に鈴鹿央士が、保育園への迎えを買ってでる。そしてそんな自分は、夢が諦められなくて、父親に「退職願」を渡す。腰掛的な社会人生活だったが、福原を助けられたことで満足したのと、自分の本当の気持ちを思い出したということだろう。

そして、福原は審査に受かり、最終回である。最初から書いているが、絵画の話がちゃんと描かれていないのは今回も不満だった。せめて、福原のプレゼンをもう少しちゃんと見せて欲しかったなと思ったりもする。そこに彼女の人生観なりが見え隠れすれば、ドラマとしての厚みも出てくると思うのだが・・。

とはいえ、深田と上杉の結婚が決まって、見ている方はなかなかニコニコしてしまうし、福原と鈴鹿も、また一歩近づいた感じで、最後の笑顔はなかなか良かった。というか、福原遥の笑顔はなかなか男殺しのところはありますよね。最終回、綺麗にまとめていただきたく思います。

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