見出し画像

「いちばんすきな花(第5話)」自分の本当の気持ちを聴いてもらえずに自己承認ができない者たちへ・・・。

今回はゆくえちゃんの話かなと思ったら紅葉くんの話だった。次回予告を見ると次週がゆくえちゃんの回みたい。仲野太賀との仲に関して引っ張りますよね。確かにこのドラマで最初に出てきた男女の友情物語だったですしね、結構大切なシークエンスと考えられているのでしょう。

それはともかく、今回は紅葉くんが昔から友達がちゃんと作れない話。周囲からは誰とでも仲良くできる子に見られていたり、ひとりぼっちの子に声をかけてあげて、そんな自分に酔って満足していたりするところがあったという話。そして、それは今も変わらない。そんな、紅葉の存在感の薄さみたいなものはこのドラマの最初の方からあって、ある意味、夜々と同じように顔だけで合コンの囮みたいなことをやらされてるシーンもあったりした。そして、今もそれをやらされるという、ある意味いじめを受ける体質。だが、この紅葉の描き方は男視線で見ると違和感がある。男ってそんなに友人とつるんでいたいものか?という部分。つまり、脚本家が男も女子がトイレに一緒に行くようなところがあると思っている節・・?。まあ、女性脚本家には男の心理など全読みはできないだろうし、その視点で描くことは問題ないのだが、今回の4人は客観的に見ても全てが女性っぽく描かれている。それが今の時代なのかもしれないし、それならこの4人の友情は成立するのかもしれないと思う。

そして、夜々を利用して、ナンパの囮になるのを回避する紅葉。で、そこで夜々に「紅葉くんはゆくえちゃんが好き?」と聞かれる。そう、夜々は恋愛という次元でのそれを聞いているわけだが、紅葉にそれは聞こえていない。紅葉は男との付き合い方というか、人間との関わり方が未だわからないのだ。

そして、高校の時に一緒に絵を描いていた同級生(葉山奨之)にコラボしないかと誘われる。ギャラの提示もありそれは紅葉には喉から手が出るような額でもあったが、彼は、高校の時、一人で絵を描いていた葉山に声をかけ自分に対して優越感を得ていたことを話す。あくまでも、紅葉はまっすぐで真面目なため嘘がつけないという設定なのだろう。そして、相手も傷つけてしまう結果になるということを分かっているのかどうかもわからない。そのくらい、コミュ障に近い感じの今である。だからこそ、自己承認欲求が全く満たせないことで、その足で椿の家に向かう。椿はゆくえと夜々も呼ぶ。そして、紅葉以外が自分がなりたかった職業を言ったりするがそれがまた辛かったりもする。自分には他の道がなかった・・。ここでも、紅葉は自分の今日をしっかりみんなに聞いてもらおうとしない感じはもどかしいが、そんなものだろう。4人の中で一番影は薄いが、脚本の中でこのキャラはかなり重要なのかもしれないと今回思えてきた。

そして、前振りがあったように、夜々が椿をコンビニに連れ出し、紅葉とゆくえを二人にする。そこでゆくえにやっと少し自分の思いを遠回しに話す紅葉。そこで、「他人が綺麗ですねと言った花に対し、それ毒ありますよとか言わなくていい」というようなセリフがゆくえから語られる。それが紅葉への注意喚起というか答えになっていて、そのバックに藤井風の主題歌が流れる。良いシーンでした。

で、夜々が将棋をやるというのは、初回の最初に出てきたが、ここでまたでてこようとは?なんかこれ、この後も道具になるのかな?あと、齋藤飛鳥が夜々のことを気にしてるのもどうなるのでしょうか?

あと、今回印象的だったのは4色のマグカップかな。ある意味、色の趣味がバラバラな4人だからこそうまく溶け合えるみたいなところはあるだろう。自分にない感性が他人によって埋まっていくみたいなことが楽しめる友情なら、それは素敵にも見える。

大きなドラマが動くわけでもないが、この会話の流れに対し感じる者たちは、このドラマをとても愛おしく思っているのだろうなということはわかる。そう、視聴率が低かろうが、同期しない人がいようが、このドラマ、私が好きなものだから次週も楽しみなのである。


この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?