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「女神(テミス)の教室〜リーガル青春白書(第7話)」仲間がいることで、納得いかない現実も乗り越えていける・・。

今回も、北川景子の笑顔がドラマのテンションを上げている感じだ。それも、先週の自分が裁いた加害者が自殺してしまったという事実を乗り越えた後の笑顔。彼女は、作品の中心でドラマを語れる芝居ができるようになっている。そして、まだまだ発達途上。面白く美しい歳の取り方をしていってほしいものだと思う。

今回は、あっという間に司法試験までの6ヶ月後まで描いてしまった。そこに取り組む南沙良も、なかなか正直に自分の心を出せない若者の役をうまく演じていた。この人も、まだまだ素敵な女優さんに育っていきそうだ。テレビドラマも早く主演で見てみたい。

そして、このドラマ、副題に「リーガル青春白書」と入っている意味合いが良く分かってきた。同じ司法への道という目標を持って、最初はそれほどお互いに近づいてなかったものたちが、一つの同志として心を開いていく様は、まさに青春白書であり、最近では珍しい心が熱くなる感じのセリフも多く、回を進めるごとに視聴者もそれにシンクロさせていく感じはなかなかうまい脚本になっていると思う。

ということで、北川にも学校時代の同志がいて、彼らもまた、わざわざ励ましにやってきてくれる暖かさ。しかし、本日は北川がトンカツ弁当を食べるシーンが二度出てきたし、生徒たちも一緒にランチするシーンが出てきた。そう、食事はエネルギーの素であり、不安を吹っ飛ばす一番の良薬である。食べるシーンが美味しそうに見えるドラマは成功と言える。

そんな中で、山田裕貴が仕切る、藍井ゼミの厳しさもみせ、そして、北川とは正反対に山田の司法に対する対峙の仕方が一貫して表現されていく。そう、生徒たちが北川の心に触れて変わっていくのに対し、山田はなかなか本音を吐かない感じが面白い。ここから先、彼の過去が語られ、そしてまた及川光博がなぜに、北川をこの学校に招いたのかも、明確になっていくということなのだろう。そんな感じで最後まで見たいドラマにはなっている。

そして今日の実習の課題「AIは裁判官として適切かどうか」。これは、絶対にそれだけで成立することはないだろう。大体、司法に詳しいものだけで裁判すると正しい判断ができないとして、裁判員制度なるものも導入されているくらいだ。確かに、AIに判例データを読み込ませれば、それなりの答えは出すだろうが、人間をAIに裁かせるまでに至るには不安しかない気がする。そして、判例とは、その時代の結果であり、時代が変われば認識が変わることも多い。そんなこと機械にはわからないというのが実際のところだ。そして、そのソフトを作るのは、基本、司法従事者ではないだろうから、それが実際に使われるまでには、かなりの時間がかかるのが実態。医学では、最近、AIを使うことも増えてきたようだが、最近、それがニュースにならないのは、それほどの結果を出していないからだろう。

このドラマ、こういう話をわかりやすく描いているところも、なかなか良い。さあ、これから、生徒たちの未来の行方をどう描くのか?楽しみなところではある。

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