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「PICU 小児集中治療室 (第4話)」母親と子供の関係という、切り離せないものに考えさせられる

小児科を扱うときに、母親という存在がとても重要なことは、このドラマの最初から描かれていたことだとは思う。だが、ここに来て、主人公の吉沢亮はそれがどういうものかを考えてしまう。母親の大竹しのぶに自分が生まれた時のことなどを聞いたりする。そう、私もそうだが、男にはそういうことを考える時間があまりない。

今回は、名前もまだない子供がPICUに運ばれてくる。母親に合わせようと吉沢は一生懸命、そして母親本人に会えたものの、彼女自身を追い込んだことで訴えるとまで言われてしまう。この辺りの吉沢の心象風景をドラマの中でうまく描いると思った。そして、そこに木村文乃の裁判の話が被ってくる。

木村文乃については、今まで何があったのか説明されてこなかったので、彼女自身が医療ミスで訴えられたのかと思ったが、実際は、自分の妊娠で子供を失っており、その命が救えたものだったのではないかと、医者を訴えていたということだった。この話はなかなかショッキングであるが、先に書いた子供が母親と会えない問題とうまくシンクロしていく。「命とは何か?」ということを視聴者が色々考えるような構造はなかなかである。

木村文乃、この間公開された映画「LOVE LIFE」では、事故で子供を失う母親役を好演していたが、ある意味、こういうトラウマみたいなものを背をう母親役というのが続くのは、そういう年齢だからか?そして、彼女自身の持つ雰囲気が母親というものにうまく嵌っているからだろう。昨年の「#家族募集します」でもそうだったが、なかなか幸福な母親は演じさせてもらえないのは、可哀想な気はするが・・・。

この事件の話があってから、先に書いた子供と母親の再会シーンがある。ここは、本当に美しいシーンに仕上がっていた。そこにいる木村の顔の表情も素晴らしかった。そして、ラスト、高梨臨の子供の運動会のことをただ一人気にしていた木村という話は、彼女自身の母性を強く感じさせるシーンでもあった。そういうものを感じさせるからこそ、こういう役が回ってくるのだろうなと思ったりもする。

このドラマ、これで4回目。これで、最初から骨となる医者、安田顕、木村文乃の三人がやっとまとまってきて、患者に向かえる感じになる。ここからが、PICUの本格的な完成へ向けての道なのだろう。

そんな中で、この間、雰囲気がおかしかった高杉真宙が病院に運ばれてくる。次回の予告を見ると、彼が無事なのかどうかもよくわからないが、どうなのでしょうか?というか、高杉の雰囲気が、今の朝ドラ「舞いあがれ」の中での機体設計している先輩と雰囲気がずいぶん違うのが私の目をひく。それだけ、役者として大きくなってきているということだろう。日本のエンタメ界は、底辺の広さはないが、その分、上の方で色々賄ってるので、売れてくれば、一気に役者力はついてきますよね。

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