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「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!(第7話)」多様化とは世の中のフォーカスを一点に定めないこと?

先週、原田泰造の部署に異動になってきた、渡辺哲。その実態もわかってるのだろうが、まだ花道を作ってやれない会社の人事にも問題があるよね。それにしても、彼の古い考えが、何一つこの部署の役に立ってこないのは可哀想な気もする。そして、渡辺に対する女子社員たちの嫌そうな顔がなかなか刺さる。昔なら、こういう親父のお茶には雑巾の搾り汁追加みたいなドラマもあったけど、昨今はそういうこともしない優しい女子社員であった。そう考えると、「ショムニ」みたいな話も、もはや現在には通用しないのだろうね。だってスマホができる前の話なのだものね。本当に、携帯が出回ってきて四半世紀経つのだが、それよりもスマホが出てきてこの10年くらいの変化の方が大きいだろうね。でも、いまだにそれを使いこなしている高齢者が少ないわけで、本当にこのドラマの主旨になっているアップデートというものの難しいことよ。ある意味、高齢者的の皆さん的には渡辺哲の方が可愛く見えるかもしれない。

その渡辺と戦う社員、井上拓哉が、自分の透けてるビースケ君を誇り高げにアピールシーンは面白かったが、渡辺はただポカンとするだけ。ちょっと意味がわからなすぎて異次元にいってしまうものね・・。昔はここまで異次元なことはなかったし、もう少し世代間で分かり合えた気もする。そういう意味では、今の組織ってまとめるの難しいですよね。で、渡辺の話は、今回は何も進まないままに、ドラマの焦点はまた息子の城桧吏の話。

城はメイクの学校に行きたいと母と姉には話す。その目標のために高校を卒業するということにした。まあ、話し相手のギャル軍団もいるからなんとかやってはいけるのだろう。だが、彼が野球部の友人、坂上翔麻に「ゲイなのか?」と聞かれた時、彼は正直に「わからない」という。そう、彼にとっては、性別はどうでもいいことで、それよりも群れをなして、「誰が好き」とか言っていることについていけないというのだ。確かにそういう自然の思春期的な話題についていけない子は昔からいた。その中にはゲイもいたのだろう。LGBTなどという洒落た言葉がない時代に、ホモとかレズとか言われていた同級生をいっぱい知っていたし、そう考えれば、性の多様性など昔からあったのだ。ただ、そんなもの知ったこっちゃないという世界だっただけだ。

そう考えれば、こういう人間関係の話をアップデートとかいう方が間違いでもあるのかもしれない。そう、男社会の歪みはそう簡単に治らないし、洗脳された意識が世界のアップデートを拒んでいたわけで、その辺り、自分の当たり前は、ただの洗脳だったということを私たちはもっと認識するべきなのだろう。

そういう意味で、最後のシーンで、城がメイク友達の並木彩華と一緒にいるのを見て、親が挨拶しなきゃとか、彼女?とか思うこと自体がもはやおかしいとされる時代なのだと、ハッとさせられた。このシーンでの城の主張は正しいし、ある意味、それは派手な女を見て、やらせてくれるだろうと思ってる芸能人のすけべ男と変わりない事象だということだ。全ては、見てくれや行動だけで他人を見てはいけないし、それを揶揄していじめたり、悪口を言ったりするのはお門違いの時代なのだ。そして、そんな偏見を考えずに自分の思う方向に行動してるものだけが格好いいと言える時代なのだろうと思う。

だから、富田靖子がチケット代14000円を勿体無いと思うのも時代錯誤だ。それだけの金額の楽しみをそこに得に行けばいいという気持ちで目一杯テンションあげた方が、未来にはいいことがある。

このドラマ、考えれば色々と奥が深い事象が描かれている。私たちは、どう過去の価値観を捨てて、新しい未来をつくればいいのかという話で、「不適当にもほどがある」と一緒に見ていると、今がすごい転換期であることもわかるし、本当にスマホという兵器が時代変革してしまった凄さもわかってきたりする。そして、日本がそろそろ目覚める時だということだと思います。

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