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「トクメイ! 警視庁特別会計係(第5話)」本庁VS所轄の話から、見事な結束

ドラマの折り返し点で、橋本環奈の芝居の軽さを吹っ飛ばすキャラクターである、本庁の管理官、浅利陽介を出すことにより、舞台の万町署の結束を導き出すとは脚本を上手く好転させるお手本のような回であった。

しかし、キャリア、キャリアと所轄を舐めて、自分の出世と裏金作りしか考えていないようなワルの役を演じる、浅利陽介。彼をこの役に置いたのは橋本環奈と身長の差がないことからだろうか?どちらかといえば、弱気の役が多い浅利にこういう役をやらすのは面白かったが、本人はどうだったのでしょうね。

しかし、警察のキャリアという税金で食ってる人間をこんなに悪く描いて大丈夫なのでしょうか?ある意味、世の中に存在してはいけないような警官なわけだが、こういうの国から文句はこないの?これ「風間公親」と続けて見ていたら、その次の日に警察に怒鳴り込みそうなドラマでしたよ。まあ、逆に考えれば、浅利氏の演技はなかなか良かったということではあります。

しかし、警察の捜査データが流失して漏洩した事件を誘拐と表現するのは違う気はする。本当の誘拐ほど、その罪が重いわけではないだろうし、そこに身代金がかかるということは少ないとは思う。このあたりは少し無理があるし、最後はハッカーの女子の犯罪というのも、この犯罪の重さが視聴者にあまりわからないのはダメだろう。そして、またしてもハッカーが女子とは、最近のドラマのトレンド?その役の詩羽は、そのルックスからこれからもこういう役には使われていくでしょうね。芝居もなかなかできそうですし・・。

そして、キャリアに嵌められた徳重聡が持ってきた、警察用のAI「チャットピーポー」には笑ったが、実際に捜査記録をA Iに読み込ませて捜査に使う研究はやっているでしょうね。確かに刑事を増やさずに事件を解決する方策としてはありだろう。そのデータには、推理小説のデータなども含まれるのでしょうね。そうすれば模倣犯は捕まりやすい。まあ、闇の社会でも、いや、闇の社会なら必ずAIを使う時代にはなってくるはず。それを使いこなす強盗団の話などのドラマが作られるのも時間の問題か?

で、橋本は浅利から本庁で仕事をさせてもらえなかったことが知れ、それもあり沢村一樹をはじめとする所轄がVSキャリアで動くわけだが、それで署の統廃合の話も本当だとわかり、そして、小笠原に飛ばされた浅利の元にはXから電話がかかってくる。そのXを沢村に調べてくれという橋本。結果的には万町署が団結して、経費削減とX捜査に乗り出すという、ドラマ後半へのブリッジがちゃんとかけられて、あまり面白くもなかったドラマが少し勢いを盛り返してきた。こういうのもあるので、連続ドラマって面倒臭いのですよね。


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