見出し画像

「万博の太陽」万博が始まるまでの話ではあるが。それが日本にとって何だったのかという視点が全く抜けていますよね

万博のドラマを作るというので、かなり期待はしていたのだが、一言で言えば酷かったですね。このドラマの最後に「来年万博がまた開かれる」と言われて見に行きたくなるものでもなかったし、1970年の万博のテーマであった「人類の進歩と調和」という言葉も出てこないし、最後に入場者数が日本の人口の半分にまで至ったという話があるものの、そこで何があってそれが時代の中の何だったのか?というような部分が全く描かれていなかったのは残念であった。

確かに、ここ頃、高度成長期は終わりにあり、ここの舞台の工場のように景気が悪かったところも多かったと思う。だが、そんな中で、万博はパワーとなり、未来に向けての人々の希望になったことは確かだ。その場所に行って体現している私がいうのだから間違いない。

この脚本を書いた中園ミホさんは私と同級生だが、万博に行ったのだろうか?同世代の語り口調みたいなものが全く感じられなかった。そして、CGで何を作るとかもあるだろうが、シーンの背景の無機質さはなかなか悲惨なものであった。だいたい、万博なのに、外人が一人も出てこないのはないだろうと思う。(最後に少しはエキストラでいたけどね)

で、いわゆる大国のパビリオン中心の話にしろとは言わないが、なぜに「サンヨー館」?今は亡くなった会社の話をなぜにする?確かに、私も「人間洗濯機」を実際に見たし、もう、小学校高学年でその技術よりも水着の女の人が興味深かったのも覚えている。そして、実際のその展示はここにあるようなせせこましいところにあったわけではなく、360度見渡される中で、もっと多くの人々が見ていた記憶がある。その辺りは、記録映画に残ってるわけで、そういうのをこういう安っぽい風景にするのは、もはや、万博というものを全く理解していないわけである。

そして、他の万博会場もお祭り広場の端っこがCGも含めて作られただけで安っぽすぎる・そして、千里丘陵の会場を見下ろせるところからの風景も安っぽすぎますよね。もう、こんな感じに勢いがないから、来年の万博など、誰も興味がないこともよくわかったりします。というか、半世紀前はもう1年前にはかなりの情報が、雑誌にテレビに流れていましたよね。それで私は絶対見たいと思って親を説得して無理やり見に行ったのですよ。そして、その記憶は今も鮮やかで、私の未来を見つめる一つの指針となっているのは事実であり、そこには、ビジネスというものはあまり感じなかった気はします。

だいたい世の中は冷戦時代でしたし、大国に対し、敗戦国日本がこの大きなプロジェクトをどうこなすかみたいな見方の方が興味深かったのでしょうね。

しかしドラマとしては、コンパニオン(実際は当時ホステスと呼ばれたはず)を中心に描くならその研修風景から、会場での対応の方をもっと詰め込むべきで、いらない恋愛話や、唐沢寿明の工場がどうなろうとしっちゃこっちゃないわけですよ。

そして、やはりこの主役にすべきは、もっとスッとした女優さんでしょ。長澤まさみや新垣結衣みたいな方にやってほしかった。だいたい、橋本環奈に万博感が全く感じないのですが。そして、いつもながらに額にしわを寄せるちんちくりんな演技を本当に皆さん可愛いと思っているのか?それは今の芸能界において、私の七不思議だったりもするんですよね。今回、唐沢にピンタして意見するシーンがあったのですが、とてつもなくダメな演技でしたね。この人が、今年後半の朝ドラ主役だなんて、本当に怖い・・。

まあ、そんな個人攻撃する前にドラマ自体が、何を描きたいのか全くわからなかったので、橋本環奈が悪いわけではないのですが、本当に、私の生きる指針の一つになったEXPO70を汚すのだけはやめてほしいよね。

そして、最初と最後に入れてある映像は、谷口千吉監督の記録映画からの引用だが、テレ朝、自分たちで持ってる映像はないのかい?まあ、ビデオが残っていない時期ではあるのですけれどもね・・。

そして、来年の万博は早く中止にしてください。その後にカジノを作る話も私は反対です。当事者は何に目が眩んでるのかさえ、私には意味不明です。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?