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「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~(第3話)」女性社員はみんな田中麻理鈴!

実に爽快なドラマである。でも、古い原作であるのは良くわかる。こんなに企業というものの中で、人に活力がある時代ではない。鈴木伸之が江口のりこに言われる「優秀な人間の欠点は自分で優秀であることを知っていること」この言葉、昨今の二極化時代の企業の中では、なおさら納得がいく。自分の地位だけで生きて、それがプライドになっている人が多すぎる。何かのきっかけで金を得られたと思われる人にも、「自分は優秀だ」という勘違いの人は多いし、そこに品格や謙虚さが著しくない傾向をよく見る。そういう、閉塞状況の中で、主人公、田中麻理鈴は、軽やかに前に勢いよく進んでいく。江口のりこが鈴木に最後に言う言葉「女性社員はみんな田中麻理鈴」というのが、このドラマの一大テーマなのであろう。そう、女性社員が、いつでも企業を駆逐できる時代が今なのだ。

今回はマーケティング部。そこで、「おまけ」と呼ばれるリサーチする部署に入れられる。あくまでも、リサーチを主業にしているので、マーケティング自体には関わらない。そして、確かに、こう言うリサーチという仕事を外部に委託しているところは多い。「電通」なども、そこと組み合わせて広告業を大きくしていったわけである。そして今や、ネット上のデータは、IT企業から簡単に安価に手に入るが、それを読み解き、自社の仕事に生かしていくかということが実に難しいというのは、私などはよくわかっている。石橋静香がデータを整理して、ほくそ笑んでいる姿が出てくるが、この気持ちは良くわかる。時に、そこには誰も知らないデータの姿があるからだ。

つまり、実際にデータをまとめている人間が、本当はデータの本質を最も見抜いているということ。それは、スーパーのチラシを読み解いて、経済的に最も負担が軽くなるようにするのに似ているのは確か。今なお、「家計簿」というものは馬鹿にできない。そんなことを考えさせられる回だった。

そして、彼女たちがどうにかしたいと決めた商品は「スッポン」。確かに、その名前だけで、強精剤としか考えない人も多いし、オヤジの食べ物と思ってる人も多いだろう。だが、美容にもいいし、疲労回復にも優れている食材だ。もちろん、高いというイメージもあるから、それをどう売るかはなかなか難しいところはあるのだろう。

そして、アンケート、現状の販売問題点を明確にして、うまいものをうまいものとして売るにはどうするか?というゴールに向かう。最後に出てくる「冒険スープ」で売れるかどうかは知らんが、最初とは視点が変わったのは確かだ。

今回も、地味な石橋静香が、今田美桜に感化され、ちょっと違う人生を歩み出す。この流れで、とても元気が出て木曜日を迎えられている人は多いだろう。

そして、今田は、向井理とすれ違い、そのすれ違った向井は江口とあっている。鈴木に仕事を教えたのも江口ということがわかる。江口の本当に企みみたいなものが徐々に見えてくる。しかし、今田に自分なりの組織図を書いてみろというのは、なかなか、サラリーマンの目標設定としては良いのだが、現実、大企業などは昔に比べて会社全体の風景が見えにくいということがあり、これに回答できる若者は少ないだろうなと思ったりもする。

しかし麻理鈴、スッポン鍋、多分二日連続食べてるが、大丈夫か?と心配してしまったら、石橋が鼻血出してましたねw

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