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「転職の魔王様(第8話)」ネット記事のテクニックという不毛さ。それに振り回される人々。

私は、今フリーランスで個人事業主として働いている。昨今は、ここに出てくるように、会社に所属することなく最初からフリーランスという人も多いのだろう。私の場合は、就職氷河期などという言葉もなかった時代で、ある意味、引く手数多の中で就職した。エンジニアという職種のせいもあったが、フリーランスなどという仕事の仕方は考えられなかった。ただ、友人のライター志望の人には、最初からフリーでやろうとしていた人も多かった気はする。ただ、まだネットのなかった時代、書くと言うことは書籍、雑誌などの書くことであり、今の状況とはかなり違う。

私などは、企業に社会人としての基本、良いところもダメなところも経験の中で教えてもらった感じがする。だから、ソレなりの社会性はあると思っている。だが、フリーで仕事をしだすと、そんな社会性などない人がいかに多いかもよくわかった。そう、育った環境で仕事のやり方はさまざまである。だから、自分に合わないと言う職場を転々とする人の気持ちはわかるし、会社に入ったはいいが、その文化に慣れずに困ってしまう人の気持ちもわかる。全ては「縁」である。だから、このドラマに描かれるように、キャリアアドバイザーがここまでサポートできることはあまりない気がする。実際にこういう人々がいるなら、それは素晴らしいことですけどね・・・。

今回は、白州迅の正体がわかる。大手のキャリアアドバイザーで「転職の天使」と呼ばれる人だったようだ。そして「魔王VS天使」と言うのが今回の見どころ。白州はクライアントが入ろうとする企業にお試しで入ってみて、その企業に対し人を売り込むということをやっている。今回は、企業の中身はわかっても、クライアントの気持ちがわからなかったというもの。そういう人も意外に多い気がする。だいたい、キャリアアドバイザーなど社会の繋ぎ役であり、本質的には会社とクライアントがちゃんとうまくいくのか?ということが大事なわけである。そういう部分を白洲が学んだという回だったのだろう。しかし、ここで彼がシェパードキャリアに入るとは、どういう展開?

成田凌が、最後にクライアントに「ただそつないまとめた上手な記事などAIが書く時代がすぐ来る」という言葉を吐く。その通りだと思う。コンテンツを作ると言うことは、個性を前面に出していかないとAIに負ける時代なのだ。そう言う意味では、得意技を明確にし、自分の主観をはっきりさせ、それがどのくらいの人を感動させたり、唸らせたりするかと言う時代に入っていく。小手先のパターン的なPV獲得競争はコンテンツで稼ぐという意味はあるのかもしれないが、文化的なレベルでは何の意味もなさない。

私はこのドラマや映画の感想をなぜ書いているかというと、スポンサーや作り手などにしがらみがない視点の文章が書きたいからだ。あくまでも、主観を大事にした意見を残したいからだ。だいたいネット記事で多くのPVをとっている記事は、その作品自体を見てるのか?と疑問に思うものも多いし、結局は作り手を茶化したり、俳優のゴシップネタと合わせたりしてるものが多い。そして、映画など、本当に面白いものがヒットしないのは、ちゃんと評価された文章が、ネット内にすこぶる少ないからだ。ソレは、売る側の責任でもあるが、良い読者が育っていないこともあったりする。まあ、ドラマの話からは随分それたが、私が書きたいのは、私自身が本当にどう思ったかだ。そう言う文章が多くネット上に出回れば、ソレを元に客観的な判断もできてくる。そうすれば、日本のドラマや映画はもっと面白くなると思っているのが私のスタンスだ。

随分と話がずれたが、こういう脱線をさせるくらい、このドラマ内容を話し始めると奥が深い。そして、ここにあるように仕事に対し真摯に向き合う体制があって、それが広がれば、日本の企業がまだまだ面白くなると思うのだが、どうだろうか?


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