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「ハコビヤ(第6話)」一年後の俺に送る指輪

ラスト、影山優佳は田辺誠一に「ハコビヤ」を初めて、届けられなかったものはあるのか?と聞く。田辺の口からは「何度かな」という回答がある。その裏には、その届けられなかった一つが自分のことだった記憶がある影山がいる。その話は、それこそ最後の話になるのですかね。結構、刹那い話なようですな。

で、今回のクライアントは一年前に指輪を持ってきて、一年後の日時設定で届けて欲しいと頼んだ、水瀬裕也。なかなか、目標がちゃんとした感じだし、持っていくものが指輪と知って、影山は公園でフラッシュモブかなんかをして、婚約の報告をするのではとか思ってワクワクする。

その情景をドラマの中に入れたのはなかなか良かったですね。こういうサプライズするフラッシュモブ屋さんみたいなのは、やはり存在するのでしょうね。他人の幸せにうまくストーリーを作ってサポートしてあげる商売。それなりにAI時代でもなくならない商売にはなるような気もしますな。いわゆる、これ、ちんどん屋さんの変形ですけどね。で、田辺誠一まで、中に入れて踊らせたのはお見事!

そして、そんな妄想の後で、目的地にやってきたクライアントの水瀬は、女性の姿でやってきた。田辺は、ほとんど理解していたようだった。指輪のサイズが大きかったからだ。男である自分から、女になった自分にプレゼントするハコビヤだったのだ。

田辺のいいところは、運んで終わりにしないところだ。彼の新しい人生を自分だけの孤独なものにさせないよう、彼を両親のところに連れていく。そして、女性の姿でカミングアウト。父親は終始、いかつい顔をしたまま。

クライアントの名前は「みつお」。だが、女だったら「満月(みつき)」とつけようとしたという。その意味は、生まれた日が満月だったから。なかなかシンプルでいい話なのだが、最後に母親が抱きしめて「みつき」と呼んであげるのが今日の感動箇所。

しかし、LGBTの人がカミングアウトしたり、そこに一歩進む時にはかなりの勇気と行動が必要なのだと思う。だから、ここの彼が一年後にこれを運んでください指輪を持ってくる前に、かなりの悩みがあっただろうし、そして、一年間でどのように女から男になろうかと行動目標を立てたのだと思う。そして、未来についてもそれなりには考えたはず。

でも、その日に両親に会いにいくプランはなかったはずで、なかなか夢の向こうを叶えるハコビヤさんなのですねと思ったりしました。これを見て、実際にそんなハコビヤさん副業で始める人もいるかもね!

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