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「季節のない街(第2話)」家族思いで貯金してたら、家族の事を思えと注意される仲野太賀

第2話は、青年部の仲野太賀主演である。二年後の大河ドラマ主演が決まった仲野だが、考えれば、出番が多くはなったが、誰もが知ってる主役のドラマとか映画がない。もちろん、調べるとわかるが、主役をやったことはあるが、映画大作とかゴールデンのドラマでのそれがないのだ。それが大河の主役というのはかなり稀有な状況で、NHKはどういう主旨で彼を主役にしたのか気になっている私である。それなりに面白くなるとは思うが、この回の様に、結構忙しい主役のドラマになりそうな予感はする。まあ、まだ2年先だから、彼の印象もまた変わってくるのだろう。

そして、ドラマは、彼の家族の物語。このドラマでは震災のことを「ナニ」と呼んでいるのをこの回で気付いた私だが、その「ナニ」がいろんな人間の心を壊す姿を描いていきたいのだろう。そういう意味では、社会とそれに揺さぶられる心のドラマということで、山本周五郎とシンクロする部分はわかる気はする。

で、今回は、彼が「ナニ」の後、母親と兄とこの仮説にきたところから。そこで、今回問題になる兄はいなくなる。そして、母親の坂井真紀は、よくしてくれた男と結婚し、彼と妹を作る。そこまでは、まあ、いい話。そこで、どうみてもグレた感じの兄が帰ってきて、母親は兄に金をあげてしまい、それを知った夫はいなくなってしまう。もう、今回は仲野を上回る演技をしようとしてるのかどうかわからないが、この家族思いの母親役の坂井真紀が異次元。子供が反社だろうが、犯罪者だろうがどうでもよくて、家族愛のために彼を助けようとする姿。わかりやすいが、確かにこんな母親はどの時代にも一定数いるが、どの時代でも変な母親だろう。それを、坂井が思いっきりエキセントリックにそれを演じるわけで、久しぶりに坂井の演技の底力を見た感じ。この仮説の濃いメンバーの中で、「負けないぞ」という演技、あっぱれでした。

他人に色々意見するおじさん(小宮孝泰)もかなり濃いキャラなのだが、今回は全く記憶に残らないレベルであり、こういうキャラの食い合いみたいなの見てるだけ面白いドラマだったりもします。

そして、兄が再び帰ってくる。つまり、この回は「兄帰る」というテーマなわけだ。今度は、政治家の演説について行って、それを仕事だという。自民党もこういう人たちを選挙で支持者として集めてるのかもしれませんな。そこに、またキックバックの金が流れてるとしたら大問題なわけですが、まあ、安倍ちゃん以降の自民党では、そんなことも平気でやってそうですよね。国民が文句言ったら「ばかやろー」って返す人たちですものね。「自民党員=反社」となる日も近いかもね・・。

で、彼がその現場で刺されて大騒ぎ。で、仲野が家族で引っ越そうと貯めてた金が母から兄に渡されていたことがわかる。ここで、嘆く中野に、坂井が「家族と自分とどっちが大事なの?」となじる場面がなかなか強烈であった。もう、家族って何?っていう感じなのだが、被災に遭って仮設住宅に住んでたら、こんな感じにもなるよねとも思う。そう、なかなかシリアスな喜劇になっているのだ。これは、仲野VS坂井というキャスティングあっての妙だったりもしますよね。

で、このドラマのナビゲーター的な池松壮亮は、バイト代が白菜で現物支給になり、使い所に困ってたところで、傷心の仲野を誘って「ミルフィーユ鍋」。かなり刹那いラストだったが、世の中、食えればいいじゃないかと思ったりもしました。もう、これ、原作どうでもよくなってますよね。というか、原作を呼んでみたくなってきた。次回も楽しみです!

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