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「彼女と彼氏の明るい未来(第7話)」映像のポエム的世界の中で、彼女との未来を考える結末・・・。

ラスト、映像には出さないで、音も切って、クレジット。なかなか自主映画っぽい世界というか、70年代の青春映画のような感覚?いや、ATGが作っていたテイスト。そんな懐かしさがそこにはあった。

だからこそ、作品としては消化不良にも見える。二人の未来は7回のドラマの中で視聴者にしっかりと理解されたのか?いや、そんなことは考えていないよな。こういう、ある意味、混沌とした気持ちの中に青春はあると言いたいことはわかるが、色々とセリフをそれらしく並べ上げたことで、かえってわかりにくくなってるような感じには見えた。確かに、ラストには二人に「明るい未来」があるのだとは思うが・・。

そう、ドラマのきっかけはVRマシンだったので、そこというか、過去の精算的な話なのかとは思ったが、実際はタイトルのように、やはり、今があって、そこから自分の未来を考える方向にテーマはあるのだろうと思う。その辺がドラマ全体として整理できていない感じがした。

最終回、別れて1年後、ふと、昔一緒に住んでいた街「代田橋」で再会する、主人公の二人。そのまま、歩きながら、公園でブランコに乗りながらとか、坦々と夜明けまで語り合う。ある意味、この辺りは自主映画的な低予算的なカット割りで、まとめのセリフを喋らすだけの作りだが、この二人の姿がそれなりに画的に決まっているので、飽きずに追いかけられた。関水渚は前回までと違い髪を後ろに束ねて、少し大人の雰囲気。今までが、少しけたたましいい感じだったので、すごく落ち着いた感じに見えた。

そこで、色々話せる同級生に犯されてしまったことをポロッと話すも、末澤に語るその姿は、かなりリラックスしている感じに見える。そう、この辺りを見ても、関水は末澤を今も信頼しているのだ。しかし、末澤は一度、その同級生がボランティアできた時に彼と会ってるわけだが、そこから彼とのドラマはなかったですね。そういうところが結構多くて、ドラマ的には、この最終回、無理やりに終わらされてる感じにも見える。

そして、毎回、著名人の言葉が最後にあったように、今回も詩の話が出てきて、種田山頭火の俳句がピックアップされる。この辺りも少しドラマとうまくシンクロしていなくて、末澤がそれが好きだという人間性もちゃんと書ききれていなかった感じはする。そして、関水の人間性に関しても、正直うまく説明しきれてはいない。だからこそ、そう、お互いの心が口足らずみたいになっているからこそ、未来がある?そういう感じに捉えればいいのかもしれないけどね・・・。

そう、考えればVRなど使わずに、彼女の過去がどこからか漏れてきて、そして彼氏が疑う。そこから、二人が恋を一旦解消し、時が過ぎ、また一緒に未来を過ごすことになる青春映画として、2時間程度の映画に焼きなおせる題材な気はする。そう、原作とどう違うかは知らないが、すごく勿体無い気がしたドラマな気がしたんですよね・・。

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