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「CODE~願いの代償~(第10話)」AIは理性を持たないのか?反省はしないのか?

結果的には、CODE自体が制作者に逆らって反乱を起こした形で終わる。ある意味、昔からよくある終焉の仕方ではあるが、結局AIに皆が不安視するのはここのところですよね。まずは人間の「心」というものをプログラミングできないということ。多分、脳みそを全てコピーしても難しい感じもするし、この辺りの永遠の謎が埋め込めない。

ということで、AIには「理性」もないし、「反省」もしない。まあ、一回経験したことを、人間がそのデータは違うよと教えれば、プログラムは書き換わるが、自分でバグを見つけて回復することはできないということ。

そう考えれば、そんなに簡単にシンギュラリティなどに到達はしないのがわかるのですよ。このドラマに出てくる量子コンピューターを使ったところで、計算が早くはなっても、そこを解決するのは無理であろう。

で、このドラマでは「CODE」が問題解決のためにフェイク動画を生成するという事象が出てくるのだが、これも、人間が故意に、データがない場合は嘘の情報を作っても回答しろというプログラミングをしないと作れないわけだ。ここは、人間自身の理性が問われるところですな。その辺り、どんなプログラムを作ったら犯罪か?みたいなもの、世界中でできていませんよね。SFではその昔「ロボット法」なるものが出てきたが、それに近いものが必要な時代に入ってることは確かだ。そして、そんなこと考えてると、何故に人間は嘘をつけるようにできているのかが疑問だったりもする。

そんなことを考えさせるドラマとして、なかなか見応えはあった。最後に、出演者全員を危機に追いやり、なんとか生き延びさせるのも常套手段で面白かった(まあ、坂口は、エピローグで殺されたような状況だったが・・。)ただ、もう少し、クライマックスはアクションシーンが欲しかったかな。

そして、悪の権化の玉山鉄二。自己顕示欲が強く、自分を邪魔するものは抹殺すればいいという人格をなかなか見事に演じていた。彼は、こういう悪役をもっとやるべきだと認識した次第。

そして、一番、バカに描かれてるのが、坂口以外の警察や政治家ですよね。プログラミングがよくわからないのに玉山の話を鵜呑みにしてる感じだったし、全ては「CODE」に振り回されていたようで、実際にこういうIT犯罪に今の日本の警察がどこまで対応できるのかは知りたいところである。大体、警察内のホワイトハッカーのおかげで事件が解決したなんてニュースも出てこないですしね。まあ、ジャーナリズムは警察以上にそのあたりに疎い人が多い気もしますしね・・・。

ということで、今の日本の現状と、プログラムにより世の中を制圧する可能性みたいなものを考えさせる、なかなか面白いドラマではありました。世の中がもう少しまた変化した時に、この続編みたいのが見てみたいですね。

でも、追いかけてた殺人の犯人がA Iだったというオチは面白みには欠けますな・・。

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